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楽天のTDA広告とは?メリット・デメリットや運用の注意点について

楽天には多彩な広告配信のプランが用意されていますが、中でも楽天市場内でブランディングや集客、売上の向上に活用しやすい方法として「楽天TDA広告」があります。

しかし、楽天TDA広告は運用上のデメリットや注意点も多くあるため、適切な方法で配信して効果を最大限に引き出す必要があります。

そこで、楽天TDA広告の概要やメリット・デメリット、運用の注意点などを解説します。

楽天TDA広告とは

楽天TDA広告は、楽天ターゲティングディスプレイ広告(Targeting Display Advertisement)の略です。自社(出店店舗)が設定したセグメントに基づいたユーザーを対象に、バナー広告を配信できる楽天広告です。

特徴としてインプレッション(imp)課金制を採用しており、広告が表示されるたびに費用が発生します。例えば、100人がトップ画面を開いた際に、100回のインプレッションが起こり、1回0.3円として30円が広告費用となります。

また、楽天TDA広告は、「ターゲティングパッケージ」と「ノンターゲティングパッケージ」の2種類からプランを選択できます。

  • 「ターゲティングパッケージ」:
    ターゲティング機能を活用して、効果的にインプレッションを獲得できるように広告配信を行うプランです。
  • 「ノンターゲティングパッケージ」:
    特定の受け手のグループ分け(セグメント)が必要なく、手軽に広告出稿ができるプランです。コストを抑えて広範なユーザーにアピールする広告戦略に適しています。

楽天CPA広告との違いは?

楽天CPA広告は、実際に成果が得られたときだけ、課金する広告プランです。主に、楽天市場ジャンルページや楽天グループのメディア内に配信されます。それに対して、楽天TDA広告は効果が保証されておらず、「表示されただけでも費用がかかる」ことが相違点です。

また、楽天RPP広告は、購入なしでも費用が発生する(クリック単価や表示単価など)という点で似ており、検索結果のページに商品を掲載する広告です。一方、TDA広告は楽天内のあらゆる箇所にバナー広告として掲載できる点に違いがあります。

しかも、広告を出す前に下記の項目を設定し、審査に合格する必要があります。

  • 開始日予約
  • 期間
  • 予算
  • 入札単価
  • 対象セグメント
  • バナー入稿

以上の違いより、TDA広告はブランド認知を広げたり、イベント告知にも有効な広告手法です。

楽天TDA広告の掲載場所

楽天TDA広告は、ユーザーが関心を持ちやすいページにバナー広告を掲載することができます。具体的には、以下のような場所でバナーが表示されます。

  • 閲覧履歴画面
  • お気に入り画面
  • ランキング画面
  • レビュー画面

これらの掲載場所を活用して、楽天TDA広告はターゲットユーザーに対して効果的なアプローチを行えます。

楽天TDA広告のメリット

楽天TDA広告には、コントロールや複数配信といった2つのメリットがあります。

配信ユーザー層やタイミングをコントロールできる

楽天TDA広告では、ターゲティングにより配信ユーザー層や配信タイミングをコントロールできるのがメリットです。

ただし、セグメント概要に応じて上限が設定されており、無制限に選択できるわけではありません。例えば、年齢や購入履歴などは「かつ」で組み合わせ可能ですが、各種履歴は「または」で、3つ以上ある履歴のどれかを選択できます。

  • 性別
  • 年代(15~19歳、20~24歳など5歳ごとに区切り)
  • 住まいの地域
  • 会員ステージ
  • 閲覧履歴
  • ライフステージ
  • 自社店舗訪問・購入履歴

以上が広告配信対象ユーザー層のターゲティングに使える主要な項目です。

条件があえば同じ期間に複数配信できる

楽天TDA広告は、条件が整えば同一の期間に複数の広告を配信することができます。そのため、お買い物マラソン期間中に同じセグメントで異なる2種類の広告素材を配信して、ついでにABテストを実施することも可能です。

ABテストの結果次第では、効果の高かった配信を採用することもできますし、迷ったときにはABどちらの広告も配信します。したがって、効果測定中の広告に対して有効な戦略を立てられるのです。

楽天TDA広告のデメリット

楽天TDA広告にはメリット以外にもいくつかのデメリットがあります。

キャンペーン期間は早い者勝ち

楽天TDA広告については、各店舗からの大きな需要があります。そのため、キャンペーン期間の設定は、申込数に20キャンペーンの制限があります。

月のキャンペーン登録予約開始日が事前に公開されて、キャンペーン期間は先着順の早い者勝ちとなっています。早い者勝ちということは、遅れて予約しても、希望通りのキャンペーン広告の実施ができないことを意味するのです。

審査完了後は配信ペースや設定URLの変更ができない

楽天TDA広告では、審査完了後に「配信ペース」と「設定URL」の変更ができないデメリットがあります。一度設定が確定してしまうと、後から変更することが難しいのです。SEO的にURLを変更したくても受け付けません。

そのため、広告配信は事前にどのような目的で、いくらの予算をどこに配分するかをしっかりと考え、ペースを決めて、慎重に設定する必要があります。

広告審査が厳しめ

楽天TDA広告の審査は厳しく、バナーの修正が必要になることが多々あります。そのため、バナーを入稿してから修正編集する流れに従うことが、全体として時間短縮につながります。広告規制も細かく、バナーのレギュレーションに準拠することが必要です。

ただし、画像修正期間が設けられているため、余裕を持って取り組むことが大切です。近年、楽天の審査が遅くなっているため、TDA広告を入稿する際には約10日のバッファ(時間的ゆとり)をもたせることが求められるのです。

そこで、審査や修正にかかる時間的なデメリットを考慮して、スムーズな広告運用を目指しましょう。

予約がすぐ埋まりやすい

楽天TDA広告は人気が高く、予約枠がすぐに埋まりやすいというデメリットがあります。これは、多くの広告主が楽天TDA広告を活用しようとするため、競争が激しいことがその背景にあります。

したがって、広告主は楽天ECCなどを利用して事前に予約開始日を確認し、できるだけ早い段階で予約を行うことが必要です。予約開始日に速やかにアクションすることで、希望するキャンペーン期間やターゲットユーザーに対して広告を配信することが可能となります。

楽天TDA広告の運用方法

楽天TDA広告の運用方法は、管理画面から登録し、キャンペーン設定をすることで始められます。

以下に大まかな手順を示します。

  1. 管理画面にログインし、楽天プロモーションメニューを開く。そして、「ターゲティングディスプレイ広告(TDA)」をクリックする
  2. キャンペーンをクリックし、「新規登録」の画面を開く
  3. 必要な情報を入力し、登録をクリックする

ただし、掲載枠に制限があるため、タイミングによってはキャンペーンの登録ができない場合があり注意が必要となります。

TDA広告のキャンペーン設定で特に重要なことは、「配信ペース」の設定です。目標に応じて適切な数値を設定することが大事です。例えば、「予算を日ごとに均等配信」するオプションを選択した場合、予算設定は1日の予算に配信日数を掛けた額になります。

逆に、「アクセス量に合わせて最大配信」するオプションを選択した場合、日数に関係なく最大限の配信を行います。それから、普段の配信と区別し、特別に楽天TDA広告を配信して運用することも可能です。

楽天TDA広告の運用の注意点

ここでは、楽天TDA広告を運用する際の注意点を以下に4つ説明します。

レポートがビュースルーコンバージョン形式

楽天TDA広告は、レポートの方式がビュースルーコンバージョン形式に該当することに注意が必要です。ビュースルーコンバージョンとは、広告を見たユーザーが直接クリックせずに、後日、自然検索や直接アクセスなどの経路でサイトを訪れコンバージョン(購入)するケースを指します。

通常、楽天TDA広告は、広告の露出によるブランド認知や購買意欲の向上など、間接的な広告効果を測定することができます。しかし、効果測定の評価は1つに決まっておらず、店舗ごとに独自の基準が必要です。間接的な広告効果を測定するための指標として使う場合は注意しましょう。

ターゲティングパッケージの場合はセグメントの幅に注意

ターゲティングパッケージを選択した際に注意すべき点は、セグメントの幅が広すぎることで、予算をすぐに使い切ってしまうことです。

例えば、年齢や性別、地域などの条件を全く設定せずに、広告を全てのユーザーに配信する場合、多くのインプレッションが発生し、予算がすぐに底をつくのです。その結果、広告配信がすぐに停止し、集客効果を得られなくなってしまいます。

また、広告の均等配信で設定した場合、楽天のセールイベントや0・5のつく日に対応できないことにも注意が必要です。

これらの問題を解決するには、パッケージの適切なターゲット設定を行うことが不可欠です。ターゲットユーザーを絞り込むことで、効果的な広告配信が可能になります。すなわち、予算の消費を抑えることができます。

入稿するバナー数が多い

楽天TDA広告には、必要なバナーサイズが4つあり、全てのサイズのバナーを入稿する必要があります。その上、広告審査が非常に厳しく、多くの細かい規定があります。

具体的には、入稿画面で提供されるPSDデータがサンプルとしてあり、それに基づいて作成します。しかし、審査に通らない事例も少なくありません。そのため、日程に余裕を持って審査を受けることが重要です。

必要なバナーサイズは以下の通りです。

  • 480px×360px
  • 400px×800px
  • 880px×320px
  • 1,280px×200px

バナー作成時には、すべてのサイズに対応したデザインを用意し、審査基準に適合した広告画像にすることが求められます。

早めの登録を心掛ける

楽天TDA広告の運用において、バナーの制作や広告審査に時間がかかるため、すぐに広告が掲載できない点に注意が必要です。特に楽天TDA広告のバナーには厳密なルールが設定されており、例えば以下のような条件があります。

  • テキストやロゴ周囲に16px以上の余白が必要
  • バナー内のテキストが全体の1/3以下

これらのルールに従わない場合、修正が求められて、すぐに広告掲載ができません。なぜなら、修正にも時間がかかるからです。

また、キャンペーンの新規登録や入稿には締め切り日数が設定されており、悠長にもしていられません。事前にしっかり確認し、早めに登録を行うことで、余裕を持って審査や修正に対応できるようにしましょう。

楽天TDA広告を効率的に配信して上手に運用しよう

楽天TDA広告は、楽天市場内で効率的に配信できる広告です。インプレッション課金制を採用しており、配信タイミングはある程度自由に設定可能です。

以下のポイントを押さえて、楽天TDA広告を効率的に配信し、上手に運用していきましょう。

  1. ターゲティング設定を適切に行い、効果的な広告配信を実現する
  2. 必要なバナーサイズをすべて用意し、審査基準に沿った内容にする
  3. 早めに登録を行い、審査や修正に余裕を持って対応できるようにする

ただし、審査が厳しいため、早めの行動を心掛けましょう。

運用に不安がある場合は、専門的なアドバイスを受けられるプロに相談しましょう
(https://ec-howto.com/)

まとめ

今回は、楽天のTDA広告の概要やメリット・デメリット、運用方法やその注意点について解説しました。

楽天TDA広告は、楽天市場内で集客に効果的な配信を行える広告です。導入手順は簡単でABテストもできるメリットがあります。しかし、キャンペーン期間中は早い者勝ちになり、入校後の審査も厳しく、掲載枠に制限があります。

効率的に進めるためには、早めの登録と適切な設定が必要となります。楽天TDA広告を上手に運用して、楽天市場での販売促進に役立てましょう。

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ABOUT US
多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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