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業務効率化の第一歩!生産性向上のための業務マニュアル作り

 令和5年5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけは、季節性インフルエンザ等と同じ「5類感染症」になりました。それに伴い、コロナ禍で感染対策の一環として普及が拡大したテレワークの見直しを進める企業も増えてきましたが、弊社では現在も一部従業員に対しテレワークを継続しています。

3年以上同環境下で業務を行っていると、ワークライフバランスがとれた仕事の進め方や、スケジュールの「見える化」をすることで打ち合わせやプロジェクトの進行によるトラブルを軽減できました。

 しかしながら、今もなお問題として挙げられるのが「コミュニケーション頻度」です。

これは当初から弊社も抱えていた問題ですが、やはりコミュニケーションコストは高くなる傾向があります。オフィスなど同じ環境で業務を行う場合と比べ、テレワークではミーティングの時間を事前に調整したり、チャットを使ってテキストでやり取りを何度も行うことが必要となり、結果時間がかかってしまいます。

記録のためにテキストでのやり取りを何度も行っていたのに、結果、相互理解が追い付かず電話してしまう、なんてことを経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 また、仕事の効率化、生産性の向上も目的に取り入れられているテレワークですが、人によっては長時間労働になってしまうことがあります。自宅で業務を行うがために仕事とプライベートの区別がつかなくなり、自己管理能力が低下、ひいてはそれが生産性の低下に結びつきます。

さらに業務の引継ぎや教育には日々のやり取り以上にコストがかかります。

  • 試してみたけれど、合っているか分からない。
  • この場合の対応方法が、渡された資料には書かれていない。
  • 質問したいがなかなか連絡が取れない。

引継ぎや教育にかかるコミュニケーションコストはテレワークに限ったことではないと思います。

今回は、業務効率化の中でもコミュニケーションコストの軽減、生産性を向上させるための「業務マニュアル作り」についてお話したいと思います。

業務のマニュアル化を行うことの4つのメリット

1.属人化業務のリスク解消

どの企業でも遭遇したことがあるのではないでしょうか。

「担当者が不在のため、戻ってくるまで回答を待つように伝えられた」

「この業務について長年携わってくれていた方が退職し、後に誰も知らないタスクが出てきた」

属人化した業務はデメリットしか生みません。コンプライアンス遵守の視点からも、業務の属人化は避けるべき課題です。業務マニュアルを作成することにより、担当者が代わっても業務の質を保ち、クライアントへの対応力は向上します。

2.業務品質の均一化

情報格差をなくします。担当者以外が知りえない環境を洗い出し、手を加えることで誰が見ても同じ結果・同じ手順になるよう情報を集約します。さらに複数の担当者が介入することで、無駄な作業や無理な進行を見つけることができ生産性は向上します。

3.人材の早期戦力化

個人の能力は人それぞれです。得意な分野も異なります。1つの業務マニュアルを渡すだけで習得度まで統一することは難しいですが「解決方法」を伝えることはできます。気軽に質問できない環境下だからこそ、解決の糸口が記載されている業務マニュアルは人材が育つ第一歩になります。

4.業務改善の可視化

業務マニュアルを作成すること自体が、業務改善になります。

自分がやっている業務を人に伝えようと言語化したときに「何のためにこれをするのか」を記載する必要があります。理由が明確でない部分が出てきたとき、その部分が不要であると判断できれば時間の短縮になります。

また、一見不要だと感じている部分があっても「クライアントからの要望により必要」「過去にこのような失敗があった為必要」と理由が明確であれば、その業務マニュアルは「作業の背景や経験を記録するメモ」となります。

業務のマニュアル化を行うことのデメリット

メリットは充分に理解しているが、なかなか進まない。それにはデメリットがあるからではないでしょうか。

1.業務マニュアルの通りにしか動かない

細かい手順がしっかりと明記されたマニュアルを受け取った場合はどうでしょう。業務の流れや責任の所在が一目でわかるため、受け取った人は忠実にマニュアルの通りに進めます。すると、業務は進めてくれているのですがマニュアルを渡した側はいつまでたってもその業務から離れることができません。

あまりにも細かい手順が書かれすぎていると、マニュアルに書いていない応用的対応を求められたときに「できません」となる可能性があります。

ミスやトラブルの発生時に、「マニュアルに書いてある通りにすすめました」「マニュアルに書いていなかったためやっていません」といった言い訳が出てくるかもしれません。

2.マニュアルを見ない

最初に渡されたマニュアルがどうにも使いにくい、聞きたい部分が書かれていない、業務マニュアルをみるより担当者に確認してしまう。

このような理由がほとんどではないでしょうか。そもそも業務の流れが見えにくい業務マニュアルは、マニュアルではなく「作業メモ」です。業務の流れや責任の所在が一目でわかるようにしなければ、アップデートすら必要のないただのメモになってしまいます。

3.業務マニュアルの作成に時間がかかる

デメリットの一番の理由はこちらかもしれません。口頭で説明して実践後「分からないところだけ質問して」と投げただけで業務を遂行してくれる。そんな優秀な社員はごく一部です。マニュアルは業務品質の均一化を目指すものであり、業務のルールや知識を集約したベースです。そのベースは「改善していくためのひな型」となります。時間がかかっても用意することで、今後のクライアント満足度の向上につながります。

デメリットの回避策

まず、「マニュアル通りにしか動かなくなる」問題については、具体的・限定的に書きすぎず、他にも可能性があることを示唆する書き方を心がけてください。フローは状況に応じて変化することを記載するだけで「書いていないからやらなかった」は「書いていないので調べる・質問をする」に変化するはずです。しっかりしたマニュアルがあると、「マニュアル通りの対応をしなくてはいけない」と考えてしまいがちです。

何かアイデアや改善点を思いついたら一言話ができるような環境も整えると良いでしょう。

次に「マニュアルをみない」については、「なぜ見ないのか」を必ず確認しましょう。

  • 業務のスタートとゴールがわからない
  • 目的の情報がどこに書かれているか分からない
  • 文字が多すぎて内容が分かりにくい
  • すぐに人に聞いてしまう

マニュアルは、常に「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」という5W1Hを意識して作成する必要があります。マニュアルを見ない人の主な理由は「すぐに知りたい情報が見つからず、調べるのが面倒」が圧倒的ではないでしょうか。それに加え作成に時間がかかるとなれば、せっかく作っても使われないマニュアルなら作らないほうがましだと考えてしまうのも無理はありません。

業務マニュアルを作成するためのポイント

  業務によっては、視覚的に手順を伝える事ができる動画マニュアルを活用できるものもあります。操作方法や設定方法などは、難しい作業工程であっても見ながら対応できるので短期間で理解でき効率的です。しかし、条件分岐の多い作業や判断を求められる業務においては、すべてのパターンを動画で作成することは難しいと思います。そこでおすすめなのはフローチャート(流れ図)です。

ここからは、教育コストのかかりやすい条件分岐が多い業務におすすめのフローチャートについてご紹介します。

業務がしっかりとフロー化され、きちんとブロックに分けられていれば範囲設定ができます。その範囲の分岐点には必ず「YES」か「NO」の2択で判断できる基準を設けましょう。例として下記ツールをご紹介します。

▶フローチャートやオフィスのレイアウトなど図を作成できる作図ツール「draw.io」
https://www.draw.io/

GoogleChromeのようなブラウザ上で操作ができ、作成した図はGoogleドライブへ保存が可能。公開範囲も設定できるため、Googleのアカウントがあれば簡単に作成・共有ができます。

また、URLなどのリンクも貼り付けることができるので、このフローチャート1つで複数のマニュアルを紐づけることが可能になります。

作成にあたってのルールは4つです。

  1. JIS規格で定められたフローチャート記号を使用する。
  2. 上下に進んでいき、開始と終了は角の丸い四角形で使用する
  3. 矢印はYes/No(あり/なし)を明記し、1つの行動から1本とする。
  4. 誰がやっても同じ判断になるような基準にする。

4つのルールで作成すると、どこのタイミングで誰が何の問題でどうするべきかを判断できるようになります。

作成するにあたって注意するべき点が2つあります。

1.フローの開始の起点は「指示」以外にする。

開始するための起点が誰かからの指示となると、指示者からの指示がないと始められません。ましてやその指示者が変わってしまった場合、また一からの新しい開始条件になってしまいます。

開始の起点は「日時」や「数値」といった誰が見ても同じ結果となる条件にしましょう。

2.確認の条件・基準を明確にする。

ここまで作業が進んだら上司に確認を入れる、クライアントに問い合わせるといった確認業務はフローチャートには不要です。その上司・クライアントが何の条件をもって何の結果を引き出しているのか。その条件を明確にしてください。その条件が明確にできない場合、この業務は属人化します。つまりこの業務の問題点はその部分にあるということになり、早急に改善が必要となります。

フローチャートが完成したら、業務をブロック化し大まかなマニュアルでまずはパイロット運用を行ってみましょう。そうすることでまた新しい問題が発見され、フローチャートはさらにアップデートを重ねることになります。

まとめ

  さて、ここまで業務効率化におすすめの業務マニュアルの作成についてお話してきましたが、業務に携わっている期間に蓄積されたノウハウやナレッジは社内で共有されていますでしょうか。退職や異動により短時間での引継ぎが必要となった際、新担当者は今までのクオリティで業務の遂行は可能でしょうか。弊社ではクライアントの細かな要望に、複数の業務担当者が共通の認識をもって遂行できる業務マニュアルを構築し日々更新しております。

日々の業務の中で、数値に直接結びつかない「作業」も、継続的に利益を生み出していくためには必要な業務です。一見単純な作業に見える業務一つ一つをフローチャートにしてみてください。どこかのタイミングで必ず数値に直接結びつくポイントがあり、そのポイントに必要以上に時間(コスト)をかけてしまっていることに気付けるはずです。

 弊社は業務マニュアルを作成する会社ではございませんが、顧客のニーズに合わせたECサイトのご提案・運営全般をたまわり遂行する中で、常に業務の効率化・簡略化を検討させていただいております。

複数のファイルを確認しないと進行できない、どういう流れで進めばコストが一番かからないのかを知りたい、属人化している作業があるので見直したいといったお悩みがあれば弊社までご相談ください。

ABOUT US
多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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