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ECサイトでのクーポン活用方法とは?目的や発行時のポイントを解説!

ECサイトで「クーポンを配って上手くリピート購入につなげたい」と考えている運営者の方も少なくないでしょう。

しかし、クーポンを発行したことのない方にとっては、手探り状態でスムーズに発行するのが難しいかもしれません。

そこで、ECサイトでのクーポン活用方法について、目的、発行時のポイント、発行方法、注意点などを解説します。

ECサイトのクーポンとは?

ECサイトでは、顧客向けの特典の中に「クーポン」と呼ばれるものがよく発行されています。クーポンとは、新規顧客の獲得や販売促進を目的にECサイトが配布する割引券・商品券全般のことです。

電子メールやSNS・アプリなどで顧客の手元に届いて、クーポンコード形式などの方法に従って使用できます。なかでも、コードを入力するタイプを「クローズドクーポン」とも呼びます。

クーポンの種類は、以下のものが代表的です。

  • クローズドクーポン
  • 会員登録クーポン
  • 誕生日クーポン
  • ギフトクーポン
  • タイムセールクーポン
  • バンドルクーポン
  • イベントクーポン

例えば、入会時限定で受け取れるクーポンのことを「会員登録クーポン」があります。他にも、複数の商品をセットで購入すると割引が適用される「バンドルクーポン」など、複雑な条件が入るクーポンもあるのです。

いずれも、ECサイトを利用(入会・購入)することで顧客はお得な特典が受けられます。

ECサイトでクーポンを発行する目的とは

ECサイトは手間のかかるクーポンをわざわざ発行する目的がいくつかあります。そこで、よくある9つの目的を以下に紹介します。

新規顧客の獲得

ECサイトのクーポンには、新規顧客を獲得するという目的があります。ちなみに、新規顧客とは、自社ECサイトをまだ利用したことのない新たな顧客ユーザーのことです。

クーポンによる割引やポイント獲得などにより、新規顧客の購買意欲を高め、ECサイトへのアクセスや購入アクションを促します。

新商品の販促

クーポンの目的の1つに、新商品の販促が挙げられます。新商品は事前人気の高いものを除けば、知名度が低いため、売上には結びつきません。特にリピート購入は既存商品に比べて少ない状態です。また、新商品を購入するのは心理的抵抗が強く、工夫が必要です。

そこで、クーポンを使って販促し、実際に購入しやすい機会を提供することです。新商品を売るためには、宣伝によって知名度を高めるだけでなく、購入アクションを起こしやすくするのです。

商品を売り切りたい

ECサイトでは、商品が売れずに残ることで不良在庫化し、利益を押し下げます。在庫は倉庫での保管が必要となりますし、棚卸しでも売れ残りは大きなデメリットです。時間が経つほど品質の問題も出てくるでしょう。

商品を売り切るためには、購入を後押しできるクーポンを使います。具体的には、クーポンの割引を活用して、在庫を売り切ります。クーポンの割引が大きければより多くの購入促進が見込めます。

短期間で売り上げをアップしたい

クーポンには、購入を促す効果があるため、月間目標をクリアする際に、短期的に売り上げを向上させる目的で利用することがあります。急激な効果が見込めるほどの割引をすることで、短期的な売り上げアップを実現できるのです。

もちろん、クーポン配布後の開封率やコンバージョンが影響するため、クーポンを自社サイト会員含めてどこの誰に配るのか、どの媒体(大手モールやSNS系のメルマガ配信)を利用するかなども事前に検討しておくと良いでしょう。

既存顧客との関係をよくする

ECサイトでは、顧客との関係性を良好にするためにクーポンを配布するのも目的の1つです。購入ユーザーが利用後にリピーターとなるかどうかは、商品の質だけでなく、既存顧客との関係性にかかっています。このとき、クーポンはお得な情報を提供し、購入を促すという一連の働きかけの中で顧客とのコミュニケーションを取り関係を強化します。

カゴ落ち対策

クーポン発行にはカゴ落ち対策の目的で行われることもあります。顧客の中には、商品をカートの中に入れてそのまま放置し、買わないことがあります。これを「カゴ落ち」と呼びます。そこで、クーポンを配ってカート内の商品を買うように促し、カゴ落ちを防ぎます。

例えば、カート商品の一部にクーポンを適用する、時間制限を設ける(カートに入れた後すぐ買われるように)などの方法が代表的です。メルマガなどを通じてクーポンを送り、カゴ落ちしないように工夫しましょう。

アップセル

クーポンには、購入後に発行することで、グレードの高い商品を買わせる方法があります。それが「アップセル」と呼ばれる手法です。アップセルは、クーポンを配る目的の1つとなります。

買った商品にクーポンを適用するのではなく、グレードの高い商品を割引するクーポンを送り、ユーザー自らがグレードの高い商品を買いやすくします。アップセルが成功すると顧客単価が上がるため、長期的に売上が増えます。

合わせ買い

商品購入時に、別商品を合わせて買わせる手法を「クロスセル」と呼びます。クーポンには合わせ買いでこのクロスセルを促すことも可能です。

例えば、合計3,000円以上購入したらクーポンを適用できる条件や、3点以上購入でクーポン割引が使える条件など、合わせ買いを目的とした条件を設定します。クロスセルを促して合わせ買いが増えれば、一度に同時購入する金額も上がり、アップセルとはまた違った短期的な売上が向上するでしょう。

競合との差別化

ECサイトは、大小合わせてさまざまなショップが出店しており、その中には価格もラインナップも近い、競合の事業者が多数存在します。それらの競合と差別化する目的でクーポンを活用することがあります。

具体的には、競合他社が購入時に何のクーポン発行もないのに対して、自社ECサイトでは競合とのクーポン施策の違いで顧客を引きつけるのです。

  • クーポンが発行される
  • 事前に配布して割引される
  • ポイントが増える

ECサイトでクーポンを発行するときに決めておくこと

ECサイトでクーポンを発行する際には、先にいくつか決めておきたいことがあります。

適用条件

ECサイトでクーポンを発行する場合に必要となるのが適用条件です。通常、クーポンには、使える条件が商品や期間が決まっています。例として、決済方法が適用条件だった場合は、ペイ系のキャッシュレス支払いにのみ適用するなどです。

もちろん、クーポン発行の目的次第では、すべての人と商品に適用して、条件を大きく絞らないケースもあるでしょう。

割引額や割引率

クーポンの発行時に決めておきたいのが割引額や割引率です。クーポンに金額(300円)や割合(30%オフ)などを記載し、その金額や割合が商品の会計時(決済画面やカート内の計算時)に割引されます。

数字が大きいほどインパクトが出て、配った際にユーザーがお得感を得やすくなります。ただし、クーポンの割引は商品の原価ではなく、利益(粗利)からその分を引くため、利益を減らしすぎないことが大切です。過剰に割り引いて、赤字になっては本末転倒でしょう。

有効期間

クーポンでは、発行時に有効期間を決めます。期限をつける理由としては、有効期間なしに発行してしまうと、「すぐ使う必要はない」「後で使うときまで取っておこう」といった心理が働き、購買が抑止されるからです。

それに、次のクーポンを発行したとき、前の割引額や割合よりも低いと、お得感が薄れます。短期的に売上効果を得たい場合は、有効期間の設定は必須でしょう。

想定外の使われ方をして、新商品や人気商品が安く買い叩かれてしまう恐れもなくなります。有効期間はできるだけ短めに設定し、期限を設定しない場合は対象を限定するなど、方針を決めておきましょう。

使用制限

ECサイト運営者にとっては、クーポンを無制限に使われると困るため、基本的な使用制限を設けることがほとんどです。例えば、使用回数や金額の範囲などが挙げられます。

使用回数には1回や5回、多いものだと10回以上などの回数を制限して配布します。使用回数を増やすということはそれだけ割引する回数も増えるため、発行する際はクーポンの複数回利用が利益を圧迫することも考慮する必要があります。

併用設定

複数のクーポンを同時に発行し、それらを一度の買い物で使えるケースがあります。ECサイトの中には、頻繁にクーポンを発行するため、併用設定で「併用不可・OK」を決めて、過剰な割引を避ける方法を採用しているのです。

例えば、商品Aに対して、5割引きと500円引きを併用できたとして、1,000円の商品Aは無料(計算上0円)となります。これではクーポンで売上を増やしても利益がなく、意味がなくなります。

そのため、併用設定をクーポン同士の兼ね合いを考えて上手に設定するのがおすすめです。

クーポンコード

よくある形式として、クローズドクーポンを発行する場合、ECサイト運営側がクーポンコードを設定することが必要です。クーポンコードを使うためには、ランダムに記載された英数字を入力することが多く、クーポン送付先の相手だけに知らされます。

コードの利用手順はECサイトごとに異なりますが、最終的にコードの入力欄にコピペなどをしてクーポン認証する形式が多いでしょう。

ECサイトでクーポンを発行する際のポイント

ECサイトでは、顧客に向けてクーポンを発行するとき、以下のポイントを押さえるようにします。

ターゲットを決める

まずは、クーポンを発行するターゲットを決めます。「新規顧客の獲得」を目指す場合は、まだ利用のない見込み顧客をターゲットにします。会員に対して「リピート購入の促進」をする場合では、メルマガを使い、既存の会員に送ります。以上、購入を促せる相手にターゲットを決めるのが基本です。

バリエーションを増やす

クーポンを発行するときに、1種類を全体に配布することを意識してしまいがちです。しかし、バリエーションを増やすことで、クーポンの魅力をさらに引き出し、利用を促進できます。

例えば、購入金額ごとに異なる割引額(率)のクーポンを用意する、次の購入から使えるクーポンにする、特定のメーカーの商品やジャンルにのみ使えるクーポンなどを複数用意するなどします。

上記のように、バリエーションを増やして、クーポンを買い物ユーザーが選択的に使える形にすれば顧客満足度も高まります。

季節感・期間限定のイベントクーポンを用意する

クーポンが使われやすい時期が1年の中にあり、行事・イベントの日程(日にちの前後)です。例えば、ゴールデンウィーク(GW)やクリスマス、年末年始、バレンタインといった年中行事です。

買い物に意識が向く時期として知られているため、何もイベントのない平日の日程よりも、購入につながりやすくなります。そのため、季節や期間に合わせたクーポンを用意したほうが効果的です。

ECサイトでクーポンを発行する方法

ECサイトでは、クーポンを発行するさまざまな手段が用意されています。そこでECサイト運営者は、以下の中から自社に最適な方法でクーポンを発行することがおすすめです。

プラットフォームのクーポン作成機能を使う

ECサイト構築支援サービスのプラットフォームには、クーポン作成機能が用意されています。必要情報の入力を済ませるだけで簡単にクーポン作成ができる機能です。

プラットフォームと紐付けしているため、サイトのデータや購入履歴からクーポンを提供することも難しくありません。

モールのクーポン機能を使う

大手のECモールでは、出店者が柔軟にクーポンを作成し、顧客に配布するための機能を管理機能に搭載しています。モールを活用して広告やメルマガでクーポンを配れるため、独自のECサイトよりも多くのユーザーに対してアプローチできるメリットがあります。

また、モールの場合は、イベントセールやキャンペーンに参加する形で自社を顧客に周知し、クーポン経由で集客を図ることも可能です。

SNSアカウントからクーポンを発行

ECサイトでクーポンを発行する方法の中には、SNSアカウントを利用するケースもあります。自社のアカウント(Facebook、Twitter、Instagram)やLINEのビジネスアカウントでクーポンを作成して配ります。

SNSは情報拡散による集客力の向上が見込めます。例えば、LINEのビジネスアカウントは、LINEユーザーのお友達や一定のユーザーに対してクーポンを配布することが可能です。つまり、セグメントをかけた見込み顧客となるユーザーへとダイレクトに周知し、購買機会を作り出せるのです。

  クーポン作成アプリを使う

管理画面の操作をスマホで行う場合は、クーポン作成アプリを利用する方法があります。クーポン作成アプリは、ECサイト運営者が自社のクーポンを簡易に作成し、管理するためのスマホ向けツールです。

クーポン作成アプリには、データ活用や分析などの機能もあり、クーポン作成時に便利です。ただし、本格的なアプリの中には、有償の月額課金ツールを提供している場合もあるため、利用条件の確認が必要です。

ECサイトでクーポンを発行する際の注意点

クーポンはECサイトにおいて販売を促進するための有効な方法ですが、発行する際には次の注意点を押さえておくことも重要です。

発行しすぎない

まず、クーポンを過度に何度も発行することで、クーポンそのものの価値が下がります。普段からECサイトを利用しているユーザーにとっては、クーポンが頻繁に発行されすぎていて、「今回使わなくてもまた発行される」「ありがたみがあまりない」と認識するようになります。

クーポンに対する特別感がなくなり、購入アクションに直結しづらくなるのです。したがって、クーポンの発行は時期を見計らって適度に実施し、ブランドイメージとしての特別感をキープすることが必要です。

効果を測定する

集客とコンバージョン(購入)を促すクーポンは、使われてその効果を知ることに意味があります。闇雲に出し続けるのではなく、効果を測定して、結果を検証することが求められます。なぜなら、クーポンの効果が低ければ、クーポンの条件や金額を再設定して次回以降に活かすことができるからです。

クーポンで「どの程度の改善が見られたのか」、「いくらの売上(顧客単価)アップに貢献したのか」などを最後にチェックしましょう。繰り返し効果測定することで、自社にノウハウを蓄積することもできます。

種類を多くする

ECサイトにはさまざまな顧客層が利用しています。しかし、クーポンの種類が1つしかないと、カバーできる顧客層が限られます。そこで、クーポンの種類を多くし、顧客の多様なニーズに対応することができます。

例として、初めて利用する人なら初回購入者向けのクーポン、リピート購入者向けならリピート用のロイヤルティクーポンなど、内容を差別化をします。バリエーションを増やすことを意識して、その中で種類を増やしていくことも同時に考えましょう。

ECサイトの売上アップや顧客獲得にクーポンを上手に使おう

ECサイトの運営では、売上アップや新規顧客の獲得、既存顧客とのエンゲージメントを深める施策が重要です。その方法となるのがクーポンの活用です。

クーポンは、上記に挙げた売上アップや新規顧客アップ、既存顧客とのエンゲージメント強化などの目的に使えます。例えば、新規顧客向けに初回購入時の割引や送料無料のクーポンを発行します。リピート購入を促進するクーポンも効果的です。

全体の売上アップを目指すべく、クーポンを有効に活用していきましょう。

クーポンの企画時に運用への不安ある方は、ライフエスコートまでご相談ください!

ライフエスコートHP https://www.life-escort.co.jp/

まとめ

今回は、クーポンの目的やポイント、発行方法などについて解説しました。

クーポンは、新商品の販促や売上アップ、カゴ落ち対策などさまざまな目的で使われます。発行する際は、割引額・率や有効期間などを決めて、クーポン作成機能やアプリの機能で配信するのがおすすめです。

ただし、クーポンは購入を促すのに有効な反面、発行しすぎると効果が薄れてます。時期を見極めて、クーポンの発行後は効果を測定し、種類を多くすることでさまざまなニーズに対応することです。

以上を踏まえて、ECサイトでのクーポン活用を検討してみましょう。

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ABOUT US
多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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