商品・サービスを利用した人が投稿する口コミ・レビューは、ECサイトにとって財産とも言えるものです。お客様のなかには購入検討時にレビューを参考にする人も多く、使用感や感想などの生の声が書かれた内容は購入率を高めるために役立ちます。SEOの観点からもレビューの蓄積は有用で、ターゲットの集客やアクセス数の増加も期待できます。
しかし何も対策を行わないとレビューは期待するほどは増えません。そのためにECサイト側では、自社サイトをはじめAmazon、楽天などで口コミ件数・内容を充実する施策を実施する必要があります。またレビューは自社で内容をコントロールできないという特性があるため、意に添わぬ内容が投稿された場合には適切な対応を行わないと効果が損なわれる恐れがあります。
今回は集客および販売促進手段として非常に効果的な、口コミ・レビューを活用したマーケティングについて解説します。
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目次
口コミマーケティングとは
口コミマーケティングとは、顧客からの口コミを活用して自社商品・サービスをPRするマーケティング手法のことです。企業側から顧客が情報発信しやすいような環境を整えることも含みます。
ここでの口コミ(クチコミ)とは、消費者が商品・サービスに関して好意的または否定的な評価を発信し、消費者間で情報共有することを指します。商品に対する口コミのことをレビューとも呼びます。もともとはマスコミとの対比で、口頭で伝わる距離=小規模なコミュニケーションを指していましたが、現在ではインターネット上で評価情報が共有されるようになり大きな影響力を持つようになりました。
消費者が発信する情報はUGCと呼ばれます。SNSなどの普及により、企業側が発信する情報よりも自分と同じ立場にある消費者が発信する情報を信頼・重視するようになっており、口コミの有効活用は企業にとって非常に重要になっています。
口コミにはどのような集客効果があるの?
口コミやレビューには、どういった集客効果があるのでしょうか。ここでは代表的な3つの効果を紹介します。
消費者の購入を後押しする
商品購入に際して他の購入者からのレビューを参考にする方は多く、口コミ・レビューは意思決定に大きな影響を与えています。伊藤忠グループの調査会社マイボイスコムが実施した調査結果によると、商品購入やサービス・店舗利用にあたりネット上の口コミ情報を参考にする人は55.7%でした。男性よりも女性のほうがその傾向が強く、特に女性10~30代では7割を超えています。
出典:「ネット上の口コミ情報に関するアンケート調査(第5回)」(マイボイスコム)
https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=26007
特に年齢、性別、購入目的など自分と近い立場の購入者の評価は、購入の決め手につながる情報として重要視されています。レビューが掲載されているサイトに対しては、「口コミ件数が多い」「おすすめや良い点だけでなく、良くない点についても書かれている」「口コミ情報の内容が納得できる」「同じ評判の口コミを、いろいろな人が書いている」ことを高く信頼していました。
言い方を変えると、レビューが豊富で、好意的な評価ばかりではなく良いことも悪いことも書かれているレビューが掲載されているECサイトは、購入率アップが期待できます。10~30代の女性向け商材を扱っているECサイトであれば、より影響が大きいでしょう。
SEO効果が期待できる
口コミ、レビューには、実際に商品・サービスを利用した顧客の生の声として、購入に至ったポイントや使ってみて感じたこと、思わぬ利用方法などが含まれます。商品ページでは説明しきれない内容もレビューに含まれていることが多く、これらの内容はそのままターゲット層が求める検索キーワードになるためSEO対策にもなります。
例えば服薬忘れ防止用に薬を小分けできるケースを販売しているサイトでは、自社で想定しているターゲット層として、病気を持つ方や健康意識が高い方向けに商品紹介ページを用意していました。しかし「蓋が透明でピアスの収納に便利」といった女性からのレビューが多いことに着目し、キーワード対策を行ったことで検索エンジンから多くの流入が増加しました。レビューには運営側が拾いきれなかったキーワードが含まれるため、ロングテール対策としても有効です。
商品・メーカーの信頼度が高まる
好意的なレビューが多く掲載されていると、その商品や販売しているメーカーに対して信頼度が高まります。全てが良い評価ばかりだと作為的に感じられ信頼度が下がる場合がありますが、一般的に良い評価が増えるほど購入率が上昇する傾向があります。また競合より価格が高い場合でも、レビューで評価が高いほうが購入される可能性が高まると言われています。
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口コミマーケティングのメリット
口コミマーケティングのメリットとして、費用対効果が高いことが挙げられます。購入者が投稿した内容を活用する施策のため、基本的に費用はかかりません。投稿を促すしくみづくりやメール配信に人件費などがかかる場合がありますが、全体的に見ても低コストです。
また企業側ではなく同じ消費者側の立場から発信された情報のため、中立的・客観的な意見として消費者に受け入れられやすいこともメリットです。
ネットショップの口コミ・レビュー集め方
ではECサイトで口コミ・レビューを集めるためにはどのような施策を行うと効果的でしょうか。ここでは自社ECサイト、楽天、Amazonに分けてそれぞれの方法を紹介します。
自社ECサイトの口コミの集め方
自社ECサイトで口コミを集める際には、SNSで写真付きで口コミしてもらうよう呼び掛ける、レビュー投稿に対してオマケやポイント、送料無料特典などのインセンティブを与えるキャンペーンを実施する、といった方法が効果的です。
レビューは必ず商品を購入した人が行うため、購入商品にレビューキャンペーンのチラシを同梱するのも良い方法でしょう。レビュー投稿のインセンティブとして提供するポイントや送料無料特典は、そのままリピート購入に繋げる施策にもなります。
集まったレビューは商品ページに掲載して購入を後押しする情報として活用できますが、無断で転載するのはNGです。例えばSNSで投稿してもらったレビューを自社ECサイトに転載する際には、著作権の問題があるため事前にユーザーから許諾を得る必要があります。レビューキャンペーンを実施する場合には、事前に投稿した内容はWebサイト上などでプロモーション用途に利用する旨を明記しておくとよいでしょう。
楽天口コミの集め方
楽天の場合は、自社ECサイトとは異なりレビュー投稿に対してのインセンティブには注意が必要です。楽天の規約ではレビュー投稿ですぐに使えるクーポンや送料無料特典を提供するといった「商品購入前のユーザーにレビューを書かせることを約束させて特典を提供する」行為は禁止されています。次回以降利用できるクーポンをプレゼントすることは問題ありません。
また楽天で商品を購入したユーザー宛に、商品を購入してから2週間後にレビュー投稿を促す自動配信メールが送信されるようになっていますが、送信元が楽天市場になることや機械的な文面になるため後押し効果としては弱いです。別途運営側でレビュー投稿を促すフォローメールを送ったほうが投稿してもらえる可能性が高まります。地道な方法ですが、フォローメールの有無でレビュー投稿率が何倍にも変わったという例もあるためやって損はないでしょう。はじめての方でも投稿しやすいよう、わかりやすい書き方を添えるのも効果的です。
楽天ではレビューに返信できる機能があるため、こまめに返信を行うことで運営側の信頼度向上や投稿しやすい雰囲気づくりにも役立ちます。
なお楽天内の商品レビューを自社ECサイトに転載することは禁止されています。口コミ・レビューを募る際にはガイドラインに抵触していないかどうか念のためチェックすることをおすすめします。
Amazonレビューの集め方
Amazonでは購入後にレビュー投稿を促す自動メール送信機能はないため、購入後にレビューを促すフォローメールを送るようにするとよいでしょう。また有償にはなりますが、Amazonでは予約商品や新商品のサンプルを提供してレビューとして投稿してもらうAmazon Vine 先取りプログラムを実施しており、それを利用する方法もあります。
悪いレビューの対処方法
口コミ、レビューは自社では内容をコントロールできないため、時には悪いレビューが投稿されることもあります。ネガティブな評価は放置するとユーザーに悪い印象を与えるため、そのままにせずきちんと対応することが必要です。
クレームには誠実に対応する
悪いレビューが届いた場合、なぜ購入者がそのような評価をしたかを理解し、相手が納得する返信を行う必要があります。万が一購入者から不良品が届いたというレビューが届いたら、返信のかたちで謝罪のうえ返品や交換を申し出るといった対応を行います。こちらに非がある場合は謝罪をしたうえで次回以降同じ問題が発生しないような対策を実施すると伝えるなど、誠実に対応することが重要です。
レビューを行った相手に納得してもらうことはもちろんですが、後から評価を見た人が店舗に対して悪い印象を持たないようにECサイト側がきちんと対応していることを伝えるという意図もあります。特に楽天やAmazonの評価は消すことができないため、悪いレビューへの返信は非常に重要です。
勘違いなどに対しては正確な情報を提供する
購入者の中には、勘違いや思い込みから悪いレビューを投稿する人もいます。その場合には正確な情報を伝え、ネガティブな評価は適切ではない(勘違いである)ことを明確にする必要があります。これも後から評価を見た人が悪い印象を持たないようにするためです。レビューに返信する際には「説明がわかりづらくご心配をおかけしました」等のクッション言葉を利用して相手に対して配慮するようにするとよいでしょう。
悪いレビューを書かれないような運営を行う
根本的な課題解決の方法として、顧客に不満を抱かせないように心がけることが重要です。顧客の期待した内容とミスマッチがないよう商品説明はしっかり行う、発送に時間がかかりそうであれば事前にその旨を記載しておく、問合せ対応にはできる限り迅速に丁寧に対応する、発送前の商品チェックを徹底する、破損などがないよう梱包をきちんとするなど、日頃の対応のひとつひとつを改善することで、ネガティブな評価がされにくくなります。
ステマにならないように注意
Amazonでは、セラー(販売者)側が良い評価を得るために対価を支払って好意的なレビューを書いてもらう「やらせレビュー」が問題になりました。それだけレビューが売上に影響するということの表れでもありますが、やらせレビューは企業や商品の信頼度を著しく低下させます。
レビューを気にするあまり、対価を支払って投稿してもらう、身内や知り合いに投稿を依頼するといったステルスマーケティング(宣伝であることを隠して宣伝を行うこと)を行ってしまいそうになりますが、作為的な評価は消費者の役に立たないばかりか、自社にとってもマイナスになります。決して行わないようにしてください。
口コミやレビューでお困りの方。ご相談ください!
SNSの重要性が高まる中、企業から発信する情報よりも自分と同じ立場で発信された口コミのほうを信頼する傾向が強まっています。それはネットショッピングにおいても同様で、販売側が発信するPR色が強い情報よりも購入者からの生の声を信頼し参考にする人が増えています。
そのような状況のなか口コミ・レビューを活用したマーケティング施策は、それなりに手間はかかりますがコストを抑えて効果を上げるという点では非常に効果的な方法です。集めたレビューは購入検討時に参考にしてもらうだけでなく、加工して商品ページに記載することでコンテンツとしても活用できます。またECサイトの信頼度を高める手段としても役立ちます。
レビューを増やすためには、良い評価をしてもらえるような対応を行う、レビューしたくなるような場やしくみを用意する、といった対応が欠かせません。レビューを増やしたいと考える方は、本記事などを参考にしていただければ幸いです。
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