ECサイトの集客には、広告やメルマガ、イベントなどさまざまな方面から自社ECサイトを積極的にアプローチすることが求められます。
その中で、メルマガは特にリピーター獲得や売上アップなどの効果を得られる方法です。しかし、メルマガの効果についてよくわからないECサイト運営者の方もいるでしょう。
そこで、メルマガの特徴や内容例、効果を出すためのポイント、おすすめのメルマガ配信システムなどについて紹介します。
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目次
ecサイトでのメルマガの効果とは
メルマガとは、「メールマガジン」の略で、電子メールやSMSを利用して顧客に定期的な購読情報を提供する営業手段の1つです。
定期購読している雑誌を思い浮かべるとメルマガをイメージしやすいでしょう。雑誌を電子メールに置き換えて、不定期発行するのがメルマガです。
メルマガの主な特徴は、伝えたい情報をショップ側の都合で内容やタイミングで送信できることです。例えば、メルマガは以下のような情報を入れます。
- おすすめ商品
- 新商品・再入荷情報
- イベントの告知
- セール情報・ポイント還元案内
- 割引クーポンの配布
- 購入お礼メール
- メンバーシップや会員限定の特典情報
- アンケートの案内
- ブログやSNSの更新情報の紹介
特にECサイトでは、メルマガを通じて購買促進や顧客コミュニケーションを図れる上に、以下の4つの効果があります。
集客効果がある
まず、メルマガはECサイトの売上アップに欠かせない集客効果があります。メルマガ配信を読んだユーザーは、新商品やセール情報に惹かれて、ECサイトを訪れ商品を購入するのです。
また、メルマガ配信ユーザーは、すでにメールアドレスを登録しています。そのため、新たに会員登録する必要がなく、少ない労力で集客効果が期待できます。
リピーター獲得ができる
メルマガには、リピーターの獲得効果があります。自社ECサイトで新規顧客が商品を購入した後、再び商品を購入してくれるかはわかりません。
しかし、メルマガの配信で再び購入したくなるような情報を伝えることで、繰り返し購入が期待できるリピート購入者になります。
顧客の育成ができる
ECサイト運営ではメルマガを活用することで顧客の育成ができます。例えば、配信コンテンツを充実させ、さまざまな情報を提供します。それにより、自社ECサイトで購入してくれるファンを増やせます。
ECサイトで顧客の育成が重要な理由は、安易な価格競争やライバルの競合他社に顧客を奪われにくくして、安定した売上を期待できるからです。
データを取ることができる
ECサイトの会員にメルマガを送ってその反応を確認します。例えば、メールの開封回数(割合)やボタンを押したアクション回数・割合など、HTMLのメルマガではデータを直接的に取ることが可能です。
また、メルマガ配信後に紹介商品やセール商品のPV数や売上(購入者数)が増えたことも間接的なデータになります。
ecサイトで使うメルマガの種類
メルマガの種類には情報共有型・送客型・販売促進型の3つが挙げられます。ここでは、3つの種類の特徴と目的について解説します。
情報共有型
「情報共有型」は、自社の商品やサービスに関する知識やノウハウを情報として顧客に提供するメルマガの種類の1つです。主に、顧客満足度を向上させることを目的に配信します。
具体的な配信内容は以下です。
- 商品の使い方やお手入れ方法のアドバイス
- おすすめコーディネートの提案
- 食品なら調理方法や豆知識
- 美味しくなる秘訣
自社だからこそ提供できる情報や商品に関連した情報を深く掘り下げます。
送客型
「送客型」は、自社のECサイトやホームページに顧客を誘導するメルマガの種類です。特に、送客手法の中でもメルマガは特定の見込み顧客にだけアプローチする「プッシュ型」の手法です。
ECサイトに誘導した後、次のアクション(カート入れ・購入・申し込み)をユーザーが起こすことを目的にしています。
1回の配信で誘導するのではなく、数回の配信で信頼を得てから自社ECサイトに送ることで、リピーターにすることが可能です。
また、メルマガを送信する際は、タイトルやコンテンツで読む人の興味を掻き立てることが重要です。
販売促進型
「販売促進型」は、直接的にECサイトへの誘導と購入を促す種類のメルマガです。
例えば、以下のような内容のメルマガです。
- 新商品・再入荷情報
- セール情報
- 割引クーポンの配布
これらは購入に直結しやすいため、販売促進型メルマガの件名やコンテンツにして配信します。メルマガ読者だけが割引を受けられる特典がある、期間限定のセールがあるなどの記載を入れて、メルマガを開封しやすくするのです。
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ecサイトで実際に送るメルマガの例
ECサイトでメルマガを送る際に押さえたいのが送信内容の例です。そこで実際のメルマガの例について、以下に4つ紹介します。
新商品や季節商品の通知
まずはECサイトのメルマガ例として定番の新商品や季節商品の通知です。新商品や季節商品の情報をいち早く届けて、他のECサイトや実店舗よりも自社での購入を促すことができます。
また、上記以外にも在庫切れの入荷や新入荷商品をメルマガの情報に加えるのも1つの手です。
クーポンやセールのお知らせ
メルマガの中でもECサイトで特に顧客の関心を集めやすいのが、クーポンやセールのお知らせです。
メルマガ配信ツールの機能にもよりますが、宛名書きや時間を限定したクーポンを送付することができます。そして、クーポン配布は、一斉配信よりも顧客セグメント別の配信が効果的です。
- 2回目のクーポン(初回購入後)
- 長期間購入のない顧客用クーポン
- 優良顧客専用のクーポン
例えば、上記のようなセグメントでターゲットやタイミングを絞ったクーポンの配信が好ましいでしょう。
お誕生日のメール
ECサイトに限らずメルマガでは、顧客のお誕生日を祝うメールを送ることがあります。お誕生日のメール内容には、記念日のお祝いメッセージと誕生日限定の特典・クーポン情報を提供するのが基本です。
特に、顧客情報と連携して、誕生日(誕生月)に特別なメールを送信する設定をします。そのため、手動では難しいお誕生日のメールも自動配信が可能です。
ステップメール
ECサイトのメルマガで活用されている例がステップメールです。ステップメールは、購読者の行動や経過時間で自動的に配信されるメールを指します。
例えば、新規登録者に対しては、ウェルカムメールや初回購入割引を提供するメールを送ります。
また、購入後の顧客に対しては、商品の使用方法やメンテナンス情報を提供するフォローアップメールを配信します。これにより、顧客との関係を維持し、リピート購入やリファーラル(商品紹介)を促すことができます。
ecサイトで計測したいメルマガのデータとは
ECサイトのメルマガでは、「開封率」「クリック率」「コンバージョン率(CVR)」の3つがデータとして使われます。以下に3つの概要を説明します。
開封率
開封率は、配信メールの中で実際に開封されたメールの割合を示すデータです。
開封数を配信数で割って、100を掛けると求められます。例えば、100通のうち、50通が開封されていれば、50%となります。
しかし、通常は10%前半の数値が一般的です。ECサイトでは、開封率を20%以上にするのが目標となります。
ただし、開封の有無をチェックするには、テキストメールではできず、HTMLメールである必要があります。HTMLメールは配信者の環境によって文字化けや上手く表示できないことがあるため、メールの形式選択には気をつけましょう。
クリック率
クリック率は、 開封されたメールの中でリンクやボタンをクリックした割合をあらわすデータです。一般的には、開封率よりも低くなる数値です。
計算の仕方は、クリック数を開封数で割って、100を掛けると求められます。通常は10%以下ですが、クリック率を15%以上にできるように工夫しましょう。
クリック率に注目する場合は、送客型メルマガが中心です。その上で、閲覧したメルマガ会員がクリックアクションするだけの内容だったかを知ることができます。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率は、開封してクリックした後に、さらに商品を購入した人の割合を示すデータです。計算の仕方は、コンバージョン数を訪問者数で割って、100を掛けることで求められます。
例えば、ECサイトでは「商品を購入する」ことがコンバージョンに該当します。ECサイトに100人の訪問者がいて、そのうち5人が商品を購入したなら、コンバージョン率は5%となります。5%は業界にもよりますがECでは高いほうで、まずはこの数字の5%以上を目指すことです。
コンバージョン率を出すことで、メールマーケティングの効果がどの程度かを計測することができます。コンバージョン率が低いときは、カゴ落ち対策やユーザビリティの改善、セールによる購買促進をするのがおすすめです。
ecサイトがメルマガで効果を出すためのポイント
メルマガを利用してECサイトで成果を上げるには、配信をスタートさせるだけでは不十分です。さらに効果を出すためのポイントがいくつかあります。そこで、以下に4つのポイントを解説します。
開封率を上げる
まずはメルマガの開封率を上げる工夫をします。メルマガを配信しても、迷惑メールと同じ扱いでスルーされては、購入や顧客育成、ブランディングには結びつきません。件名や配信の時期を工夫して読まれやすくすることがポイントです。
特に配信頻度を調整して、多すぎず少なすぎないメルマガ配信頻度を心がけましょう。あまりにも配信頻度が低く、認知度が上がらなければ、開封率も上げることが難しくなります。あくまでも、読者がメルマガ配信を自分で見つけて、それを開封するように促すのです。
クリック率やコンバージョン率を上げる
開封率を上げたら、次にクリック率やコンバージョン率を上げます。ボタンやコンテンツを工夫して、ECサイトに遷移しやすくし、新商品やセール情報でコンバージョン率を高めます。
特に、クリック後の遷移先ページには次のことに気をつけます。
- メルマガ配信されていた商品がどれかわからない
- イベントやセール画面がわからない
リンク先の選定が不十分だと、クリックした後に目的の商品やページを見つける前に離脱される恐れがあります。
登録者数を増やす
開封率やコンバージョン率を根本的に高めるためのポイントは、登録者数を増やすことです。
登録者数が少なければ、メルマガを配信する絶対的な数が足りません。同じ10%でも、100人のうち10人と1000人のうち100人では成果が大きく異なるのです。
登録者数を増やすためには、外部からの流入が不可欠となります。広告配信やリスティング広告、SNS、SEOによる検索上位表示など、訪問者を増やして購入(メルマガへの登録)を促進することです。
セグメントを分けて配信する
メルマガの効果的な配信方法としてセグメントを活用するのがポイントです。セグメントを分けるとは、年齢や性別、地域、職業などで配信対象者を絞る手法です。
例えば、若者向けの商品なら、20~30代にセグメントを分けて配信することで、興味をひきつけやすくします。このとき、40~60代以上などには、それぞれ配信することで、配信内容を変えることができます。
また、ECサイトでは、購入履歴からもセグメントを分けて配信できるため、顧客が興味のある商品に合わせた配信なども可能です。
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ECサイトのメルマガ配信方法
ECサイト運営者が実際にメルマガを配信するためには、以下の4つが代表的です。
ExcelとOutlookを使う
ExcelとOutlookを組み合わせることで、メルマガの配信が可能です。Excelで作成したアドレスリストをOutlookに読み込み、一斉送信します。
この方法は、特別なツールなしに始められますが、VBAのプログラムを理解し、自社用に構築する必要があります。
GoogleスプレッドシートとGmailを使う
GoogleスプレッドシートとGmailを使うことで、メールアドレスのリスト管理とメルマガ配信ができます。Googleスプレッドシートのメルマガ宛名(メールアドレス)リストを作成した後、Gmailでメルマガの送信をまとめて実施します。
しかし、この方法には「Google Apps Script」の知識が必要不可欠で、プログラムを扱うスキルが必要です。また、送信制限があり、メルマガ会員が500件以上ある場合には上限にも注意が必要です。
BCC配信する
メールソフトのBCC機能を使ったBCC配信も方法の1つです。基本は、メールアドレスリストをコピーし、BCC欄に貼り付けて、メルマガの一斉送信を行います。CC欄の送信と間違えて個人情報が漏れるリスクがあるため気をつけましょう。
それから、一部のメール環境では、件数の多いBCCで送信されたメールがスパム扱いされることがあるため注意が必要です。
メルマガ配信システムを使う
ECサイトのメルマガ配信方法の中でも便利なのが「メルマガ配信システム」を利用する方法です。難しいプログラムの知識が基本的に必要なく、感覚的に操作できるメルマガ配信システムのサービスが多くあります。
メルマガ配信用の機能も多数あり、セグメントを分けた送信や時間の指定、ステップメールなど使いやすさが魅力です。
それらに加えて、配信効果の分析機能やフォーム作成機能も充実しています。ECサイトの運営でメルマガを効率的に配信したいときに導入するのがおすすめです。
ECサイトにおすすめのメルマガ配信システム
ここでは、ECサイトにおすすめのメルマガ配信システムを5つ紹介します。
配配メール
配配メールは、国内外で1万社以上の企業が利用するメルマガ配信システムです。
感覚的なメール作成で操作が簡単な上、セグメント配信や顧客情報のインポート、効果測定などの機能も充実しています。開封率やクリック率を計測し、トラブル時のエラー原因なども解析可能です。
コンサルの運用支援付きでサポート面も充実しています。セミナーや「ユーザー会」の実施で、メルマガ配信の活用方法を学べるのも魅力です。
費用は、初期費用と月額費用がメルマガ登録者数に応じて変動します。個人情報を扱う際のセキュリティも万全ですから、ECサイトのメルマガ配信におすすめです。
blastmail
blastmailは、1.8万社の企業が契約し、メルマガ業界で11年続けて顧客導入数1位を誇るメルマガ配信システムです。
初心者でも使いやすいエディタに、自動の宛名差し込み、効果測定など、便利な機能が満載です。CSVファイルによる顧客リストの読み込みやテンプレートを使った作成、ECサイトとの連携なども簡単です。
料金は3つのプランに分かれています。
- 「Lightプラン」月額3,000円〜(初期費用1万円)
- 「Standardプラン」月額6,000円〜(初期費用1万円)
- 「Proプラン」月額30,000円〜(初期費用5万円)
運用規模に応じてプランを変えられるためコスパが高く、無料トライアルで7日間利用できます。まずは自社のECサイトのメルマガで試してみるのがおすすめです。
Cuenote FC
Cuenote FCは、2,000社以上の導入実績があるメルマガ配信システムです。配信が遅れないようにリレーサーバーを採用して時間通りに配信できる特徴があります。
また、テンプレートによる作成やシナリオ配信機能、カゴ落ちを防ぐリマインドの送信など、ECサイトのメルマガ配信に向いています。
費用は以下の2パターンです。
- 2,000件まで:月額5,000円(初期費用3,000円)
- 5,000件まで:月額1万円(初期費用5万円)
MakeRepeater
MakeRepeaterは、顧客育成型メルマガをノーコードで作成・配信できるプラットフォームです。セグメントやデータ収集、連携などの機能が充実していて、直感的な操作エディタが魅力です。
また、AIで購買行動を察知し、クーポンを発行するなど、ECサイトのメルマガに適しています。
費用は以下の条件で3つがそれぞれ設定されています。
- メールアドレスが500件未満なら無料プラン
- 501件以上なら10日間の無料トライアルとなります。
- トライアル後の本格利用には、登録メールアドレス数に応じた月額料金(5,500円~55,000円)と初期費用(501~1,000件・11,000円、1,001件以上・33,000円)
Mailsales
Mailsalesは、HTMLメールを容易に配信できるメルマガ配信システムです。直感的な操作エディタを使用して作成し、デバイスに応じたデザインテンプレートを使用することができます。
また、画像のトリミング加工もMailsalesで可能です。新たに編集ソフトを入れる必要がありません。
加えて、ターゲットに合わせたセグメント配信の「グループ機能」や日付・時間の予約機能も使えます。クリック率や開封率など効果測定も機能にあり、ECサイトでの運用にもおすすめです。
費用は要問合せで、期限なしの無料トライアルを試せます。
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ECサイトのメルマガは配信システムの利用がおすすめ
ECサイトのメルマガは、顧客コミュニケーションや商品購買などさまざまな効果が期待できます。しかし、メルマガ配信を手動で行うのは大変な作業です。
そこで、メルマガ配信システムの利用がおすすめです。配信システムを利用することで、配信業務の手間が省け、さらに効果の計測や分析も行えます。
また、配信スケジュールや送信条件の設定が容易になり、効果的なメルマガ配信が可能です。配信システムにはセグメント機能があり、顧客データをもとにターゲットを絞り込んで配信することができます。
どの配信システムを選ぶかは、運営するECサイトの規模や必要な機能、自社ニーズに合わせて検討しましょう。
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まとめ
今回は、ECサイトの運営でメルマガ配信することの効果や配信時のポイント、おすすめのツールについて解説しました。
メルマガ配信は、さまざまな集客方法を可能にし、開封率やクリック率、コンバージョン率で効果測定ができます。
メルマガ初心者の方やコード・プログラムの専門知識がない方でもメルマガ配信システムなら簡単に作成できます。
おすすめの配信システムを参考にツールを選んで効率的にメルマガを配信しましょう。
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