ECショップの受注管理業務が大変なときに、導入したいのが受注管理システムです。受注管理システムはさまざまなベンダー企業から製品が登場していて、どれを選べばよいのかわからないこともあります。
そこで、ECショップに受注管理システムを導入するメリット・デメリットや導入前のチェックポイント、おすすめの受注管理システムについて紹介します。この記事を読めば、自社に合った受注管理システムを選べることでしょう。
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目次
ecショップでの受注管理とは
ECショップでは、購入があったときに初めて、ユーザーからの注文依頼を受けます。メールや管理システムで注文内容を把握し、在庫を確認、出荷指示を出す業務を総じて受注管理と呼びます。
受注管理はなぜ必要か
受注管理は、現場における業務の無駄をなくすために必要です。
- 業務の効率化
- 人的ミスを防ぐ
- 人件費の抑制
注文があったときに、受注管理をせず発送を進めた後、在庫が不足していることに気づいて出荷作業をキャンセルすると、それまで発生した労力と時間が無駄になります。
しかし、あらかじめ受注管理をして出荷指示を適切に行い、在庫が不足していれば事前にキャンセルを出すことによって、「業務の効率化」が可能です。
現場で起きやすい出荷ミスや在庫管理など、「人的ミスを防ぐ」ことにもつながります。また、現場が最小限の労力で効率的に出荷を進められるため、人員数の削減や労働時間を減らして、「人件費の抑制」にもなります。
ecショップにおける受注管理の業務内容
ECショップの受注管理は、注文を受けるところから一連の流れが始まります。受注管理の業務内容は6つに分類されます。そして、これらは手動でも可能です。しかし、人的ミスがどうしても発生するため、システム導入がおすすめです。
注文書の確認・入力
まずは注文書の確認・入力の業務です。ユーザーから注文が入った際に、注文内容の確認を最初に行います。注文を受ける方法は会社によって違いがあり、注文確認の手段も電話、メール、ファックスなど多様な形態があります。内容を確認してデータを入力するのも受注管理業務のうちです。
在庫確認
注文が入った後は、商品の在庫状況をチェックします。在庫があればそのまま出荷作業を指示します。しかし、在庫が不足しているときは、仕入先に追加の商品発注を実施します。
受注生産のケースでは、必要なパーツや材料を確認し、発注の可否を決めます。在庫確認は出荷作業の有無を決める重要な業務です。
納期の確認・連絡
在庫の確認後、納期がどれくらいになるのかを想定して連絡します。発送までに時間がかかる場合は、その旨を顧客に伝えるのが受注管理者の役目です。
相手が企業でBtoBの場合、納期の調整をして細かく対応する必要があるでしょう。
受注伝票の作成
在庫や納期連絡の業務を終えたら、受注したことを記録して「受注伝票」を作成する業務に移ります。
受注伝票とは、顧客から受けた注文の内容や顧客情報、注文日や納期などの情報を記録した文書です。
- 注文の内容:商品名、数量、価格など
- 顧客情報:名前、住所、電話番号など
受注伝票を記載・入力する方法は、手段やプロセスが会社ごとに決まっています。データで入力したり、紙に書いて保存することもあります。
注文請書の作成
受注管理業務では出荷前、最後のフェーズが注文請書の作成です。購入ユーザーに対して、注文請書を作成し、注文を確定します。
注文請書とは、注文内容や顧客情報、注文日や納期、支払い条件などの情報を加えた書類です。紙の形態や電子データで作成・管理されることが多く、企業によっては専用の受注管理システムを用いて効率的に運用されています。
また、発行の必要性は決まっているわけではなく、取引に関する誤解やトラブルを防ぐために、注文請書を発行して顧客との間で確認を行うことが一般的です。そのため、取引上のミスを防ぐ名目で注文請書の発行が推奨されます。
出荷の指示
受注が完了すると出荷の指示を出して、実際に発送準備を進めます。その号令を出すのが受注管理の出荷指示業務です。
出荷指示とは、倉庫や物流管理者に商品の発送準備を依頼することです。出荷指示には、商品情報、顧客情報、配送方法等が含まれます。支持を受けて、ピッキングや梱包作業が行われ、配送業者に荷物が受け渡されます。
ecショップで受注管理システムを導入するメリット
ECショップの運営にとって、受注管理システムを導入することで業務効率の向上や顧客満足度の向上など、多くのメリットがあります。そこで、以下に導入メリットを5つ挙げます。
人的ミスを削減できる
受注管理システムは、注文内容の確認や在庫管理、出荷指示などの作業を自動化できます。これにより、手作業による入力ミスや情報の漏れを大幅に削減し、人的労力を最小限にした業務処理を可能にするのです。
特に手書きで生じる管理者・現場間のミスをなくすことができます。また、誤出荷が減れば、それだけ顧客からのクレーム対応も減り、現場負担増大によるミスも防ぐことができます。
人件費を削減できる
受注管理システムは管理業務の自動化を実現し、業務効率が向上、従業員の作業時間が短かくて済みます。その結果、人件費の削減や人員の再配置が可能となり、企業全体の費用削減が期待されます。
また、受注管理の正しい入力や伝達が行われることで、現場の2度手間・3度手間度がなくなります。これにより、必要最小限の人員で現場の出荷作業を回すことが可能です。
つまり、受注管理にかかる業務だけでなく、出荷の現場にとっても人件費を削減できるメリットが受注管理システムにはあります。
他業務とシステムを連携できる
受注管理システムは、在庫管理や顧客管理、倉庫管理、販売管理などの他の業務システムと連携し、一元化された情報を共有できます。
特に、受注管理業務にかかるデータの共有は、出荷の決定を行う際に必要な情報が容易に把握できるため、出荷への迅速な対応がしやすくなります。
そのため、業務間の連携がスムーズになり、業務効率が向上します。
- オンライン注文
- 電話注文
- 実店舗注文
そして、上記のような複数チャネルにも一括管理で対応できるのです。
ペーパーレス化できる
受注管理システムは、ECの注文管理に使用することでFAXや電話による注文情報の聞き取りなど紙を使用する業務を削減できます。
ペーパーレス化により、環境負荷の軽減や紙・印刷費用の削減、書類管理の効率化が図られるのです。
また、電子化されたデータは、検索や整理が容易であり、営業時に顧客情報の共有やメルマガのリスト化なども効率的に行えます。
顧客満足度向上につながる
受注管理システムは、業務効率化や人件費コストの削減だけでなく、顧客満足度の向上にもなるというメリットがあります。
なぜなら、システムの自動化で人的ミスが減少し、スムーズな納品が実現するからです。迅速な対応や出荷の正確な情報提供は顧客満足度を高めます。
また、顧客満足度向上は、リピート顧客の増加や口コミによる新規顧客獲得が期待できます。
ecショップで受注管理システムを導入するデメリット
ECショップで受注管理システムを導入することはメリットだけでなく、デメリットもあります。ここでは、2つの主なデメリットを解説します。
コストがかかる
まず、受注管理システムは、導入時や運用時に料金が発生してコストがかかるというデメリットがあります。
例えば、クラウド型なら月額料金や受注規模に応じたプラン、オンプレミスならシステムの購入初期費用やカスタマイズ、定期的なメンテナンス費用などです。
また、従業員の教育やシステム運用サポートに関する研修費用や人件費なども最初はかかるでしょう。
自社に合ったシステムを選ぶのが難しい
受注管理システムは、ECサイトの規模や状況によって導入すべきシステムが変わってきます。そのため、多くの選択肢が存在し、自社に最適なシステムを見つけることが難しくなります。
システムを選定する際に必要な機能や拡張性を見落とすことで、後から追加コストが発生することもあります。以上のデメリットがあることを押さえて、導入前の慎重な検討が必要です。
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ecショップで受注管理システムを導入する際のチェックポイント
ECショップに受注管理システムを導入するとき、チェックしておきたい項目がいくつかあります。そこで、以下に重要な4つのチェックポイントを取り上げます。
コストはいくらかかるか
受注管理システムは有料で導入するのが基本です。そのため、事前に費用をチェックすることがポイントの1つ目です。
ECショップは運営している会社の予算に限度があり、選べるシステムは限られます。しかもコストがかかりすぎると利益が減って、利益と支出が逆転すると赤字になります。以下は、コストの内訳項目です。
- 初期費用
- 月額利用料
- カスタマイズ費用
- メンテナンス・保守費用
- 人件費・研修費
売上や受注規模なども踏まえて、上記の費用の見積もりを出します。総じてかかるコストを事前にチェックしておきましょう。
自社に必要な機能はあるか
次に、受注管理システムにはさまざまな機能があり、自社に必要な機能が備わっているかをチェックします。
特に、受注管理システムで求められる機能は、メール送信や発注者ログインなどの基本機能の他にも、代表的な機能が以下です。
- 受注データの一元管理
- 在庫管理との連動(リアルタイム把握)
- 出荷・発送の指示
- 顧客管理機能(CRM)
- 他システムの連携
- 複数のECサイト・モールとの連携
- 効果測定・レポート機能
これらの機能が必要に応じて利用できるかどうか見極めましょう。
セキュリティはどうか
受注管理システムではさまざまなデータを連携しており、その中には個人情報や決済情報など重要な情報も含まれています。そこで重要となるのが受注管理システムのセキュリティです。
例えば、次のような対策です。
- 定期的なアップデート
- メンテナンス
- セキュリティ対策(ファイアウォールやフィルタリングなどの多層防御)
- 不正乗っ取りに対するログイン管理権限による保護
チェックするときは、システムによってどのようなセキュリティ対策がされているかも見ておきましょう。
使いやすさや導入後のサポートはあるか
受注管理システムは使用者が簡単に操作できて、導入後すぐ使い続けられることが重要です。そこで、使いやすさ(操作性)や導入後のサポートの有無をチェックします。
受注管理システム導入後の失敗でよくあるのは、使いにくくて業務効率が逆に落ちることです。それから、社内になじまず、放置されて使われなくなることです。
便利なツールならどれでもよいのではなく、自社の社員が使いやすく、現場でも問題なく運用できることを確認しましょう。
また、導入後はサポートを受けられることも要チェックです。管理システムの導入が初めての企業では、問題が起きたときにできるだけサポートの手厚いシステムを採用することがポイントです。
おすすめのecショップ受注管理システム
ここまでECショップの受注管理システムについて説明しました。そこでおすすめのECショップ向け受注管理システムを以下に4つ紹介します。
アラジンEC
アラジンECは、電話やファックスからWEB注文に切り替えるときにおすすめのBtoB専用受注管理システムです。
システムを導入して基幹システムと連携することで、余計な業務やコストが発生するのを防ぎます。
また、その際に発生するミスなどを減らして、業務効率化するのです。導入後のサポートも充実しています。
そのうえで、アラジンECの主な機能は以下です。
- 得意先別商品表示
- 法人向けID構造・ログイン機能
- 見積機能
- 複数商品の一括投入
- 納期回答連携
- 出荷状況表示
- 代理注文機能
- 在庫表示
- 注文確認メールカタログ発注機能
さまざまなジャンルに対応しており、必要に応じたパッケージ機能のみを導入できるメリットがあります。
費用は「月額固定型」で300万円~2,000万円の事例があるなど、詳細は要問合せです。
助ネコ
助ネコは、ECショップの受注業務を一元管理できるクラウド型の受注管理システムです。国内でもトップクラスのレビューサイトで顧客満足度1位を獲得し、その中で選ばれる「Leader」の受賞を3年連続でしています。
Amazonや楽天などの大手モールとの連携機能もあり、実店舗なども合わせて一括管理できる機能があります。他の機能は以下です。
- 受発注機能
- 顧客個人の「マイページ」
- フォローメール一括送信
- 在庫管理
- リピート顧客の識別
- 出荷伝票発行
- 売上高集計
- 楽天スーパーロジ連携
また、サポートやさまざまなセキュリティ対策にも力を入れており、ISO/IEC 27001とISO/IEC27017の国際規格も取得しています。
費用は「Lite」「ベーシック版」「Plus」「Premium」の3つで、プランごとに2,000円~8万円の設定です。ちなみに、契約形態が月ごとや1年ごとに分かれています。
連携するモール数の制限によっても価格が変わるため、料金プランは要チェックです。まずは30日間無料お試し(機能制限なし)を利用してみると良いでしょう。
ネクストエンジン
ネクストエンジンは、5000社以上と契約している導入実績が業界トップのクラウド型の受注管理システムです。
ECの現場から生み出されたツールで、特にECショップ運営者にとって業務効率化に適しています。
カスタマイズも自在で、人件費やコスト削減も容易です。主な機能は、以下を加えた200以上です。
- 受注管理
- 在庫管理
- システム連携、基幹システム連携
- メール送信
- アプリによるカスタマイズ
- メールマーケティング
また、さまざまなシステムへ連携が可能です。具体的には、モールや倉庫、販売管理、顧客管理、越境管理など、ECショップに嬉しい連携先が用意されています。カスタム連携もできます。
費用は初期費用0円の月額基本料金3,000円+従量課金となります。受注件数に応じて料金シュミレーションがサイト内で可能です。
ZAC
ZACはカスタマイズ性に優れた機能やライセンスを選べるクラウド型のERPに付随した管理システムです。必要な機能だけを最小限のみ選択し、自社専用のシステムにライセンス増減が可能となります。
ZACで受注管理する場合は、販売管理の中の受注を管理する機能を利用します。
- 受注管理全般
- 伝票のペーパレス化
- アラート機能によるミス軽減
ZACを利用することで別々のシステムを使う必要がなくなり、基幹システムに必要なシステムを機能に応じて導入できるメリットがあります。
費用は要問合せですが、月額の場合は初期費用(10万円)+導入支援費用と月額費用(ライセンス費用・保守費用)が目安です。
ECショップの受注管理はシステム導入で効率化を
ECショップが事業拡大や売上増大などで成長するにつれて、人の手による管理にはいつか限界がくるものです。そのため、早い段階から受注管理システムの導入を検討することが重要です。
自社に最適なシステムを選択することで、効率的な受注・在庫・発送管理が可能になり、業務の効率化を実現できます。
導入を専門家に任せたいという場合は以下のサービス利用も検討しましょう。
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まとめ
今回は、ECショップの受注管理業務やシステム導入するメリット・デメリット、おすすめツールなどを紹介しました。受注管理の業務は多岐にわたり、人的ミスも発生しやすく、人手による作業は大変です。
そこで、受注管理システムを導入し、業務効率化することでミスを防ぐことが可能です。導入する際は、コストや機能、セキュリティなどのチェックポイントを確認します。
そのうえで、おすすめのシステムの中から自社にあったものを検討してみましょう。
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