2020年1月から発生したコロナウィルスは、どの業界にも多大な影響を与えました。特に物販、サービス業を中心としたクライアントは、外出自粛など経済活動を規制されましたので大打撃を受けております。その規制の中、対面から非対面でどのようにサービスを提供していけるのか、今までにないほどビジネスモデルの変化を強く求められました。
とはいえ、経済活動をしていかないと生活もできなくなりますので、非対面サービスの開発、拡充を手探りで進めていかなければならない状況でした。
目次
BtoC-EC市場の動向
2020年、日本国内におけるBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は19.3兆円で、これは前年の19.4兆円と比べて0.43%マイナスとほぼ横ばいでした。一方、個人消費に占める物販分野の2020年市場規模は12.2兆円で前年と比べてプラス21.71%と大きく伸長しています。
■BtoC-EC市場規模および各分野の構成比率
2019年 | 2020年 | 伸び率 | |
---|---|---|---|
総計 | 19兆3,609億円 | 19兆2,779億円 | ▲0.43% |
物販系分野 | 10兆515億円 ( EC化率 6.76% ) | 12兆2,333億円 ( EC化率 8.08% ) | 21.71% |
サービス系分野 | 7兆1,672億円 | 4兆5,832億円 | ▲36.05% |
デジタル系分野 | 2兆1,422億円 | 2兆4,614億円 | 14.90% |
コロナが広がる以前は物販やサービス系で、飲食サービスや旅行、チケット販売、理美容サービス、金融サービスなどがEC市場の成長をけん引してきましたが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で金融以外のサービス系分野が大きく落ち込みました。
弊社もこの難局を乗り越えるため、撮影所以外はすべてテレワークへ切り替え、今もテレワークを継続しています。継続の理由は、取り組みとして得たものは悪いことだけではなかったからです。
私自身感じていた通勤など時間の解放だけでなく、自分のために使える時間の確保ができるようになったと思っています。その反面失ったものは文鎮型で成り立っていた組織と対面コミュニケーションが減少し組織から疎外感を感じる人も幾人かいるように思います。
テレワーク導入で立ちはだかる壁
「今まで事務所、店舗でやっていた作業をどのようにしたらいいのか?」「世間で言う”テレワーク”を導入するにはどうしたらいいのか?」がわかる人材が主要なポジションにいないことではないでしょうか。
テレワークを今回下記の内容で定義しご説明します。
「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務(施設利用型勤務)」の3つの形態の総称がテレワークです。
テレワークは、所属するオフィスから離れて仕事を行うため、始業・終業時刻など労働時間の管理方法などについて、適正なルールづくりをすることが重要です。
適正なルールとは何か、具体的に当時の状況を振り返ってみます。
- 電話による問い合わせはどうしたらよいか
- 顧客との連絡関係をどうしたらいいか
- 業務を行うPCはどうしたらいいか
- 社内のミーティング、経費精算、出勤管理はどうしたらいいか
電話による問い合わせはどうしたらよいか
数名の規模であれば固定電話より携帯に転送するという方法もありますが、コールセンター等運営している企業様は難しいと思います。弊社では思い切ってクラウド型pbxビジネスフォンに切り替えました。その結果、工事無しでどこから発信しても会社と同じ電話番号を利用でき全国局番対応、さらにフリーダイヤル(0120/0800)でも発着信、内線転送等できるようになりました。
顧客との連絡関係をどうしたらいいか
弊社では、Googlepalce、zoom、chatwork、slack等のITツールを導入し、クライアントが望むコミュニケーションツールにすべて対応できるよう取り組みました。
業務を行うPCはどうしたらいいか
これが一番難しくまた不公平感が出る内容でした。例えば、自宅のPC利用及び貸与、インターネット回線の費用負担等です。会社として一番重要視したのが、会議をするための音声通話と相手の顔が見えるカメラです。そのためにインターネット回線及び会議をするための音声通話用のヘッドセット及び相手にこちらの顔を伝えるカメラを支給するようにしております。
社内のミーティング、経費精算、出勤管理はどうしたらいいか
社内のミーティング、経費精算、出勤管理等はITツールを使ってなんとか対応できるようになっていきました。
それでも長引くコロナ渦の中で問題は次々と発生しました。テレワーク導入後半年から1年の間に多かったのは、コミュニケーショントラブルです。実は内容自体は些細なことだったのですが、リモートで相手の顔がよく見えないなどの理由からコミュニケーションの溝ができ、不信感が自然に高まっていったのです。また仲のいい人同士でしかコミュニケーションを取らない傾向が出てきました。
テレワーク時において弊社は社内アンケートを積極的にとり、どのように取り組むべきか試行錯誤しました。
その時の社内アンケート結果ワースト3です。
- 返事がない、報告、共有がない
- 必要以上に会議があるので、電話で連絡が欲しい
- 本当に仕事しているの?
というケース。
アンケートの次に取り組んだのが、テレワーク運用のための社内ルール構築です。このルールを明確にしていくことによって、テレワークであっても元の会社運営と変わらなくなってきたように思います。
テレワーク化の具体的なルール作り
- 終業時、退勤時に必ず挨拶をすること
- 社内の定例会議には出席すること(事前に資料拝読)
- 自分で必要な情報は取りにいくように指導(資料保管場所含め)
- 必ず読んでほしい資料はタスク化すること
実はルールを作る前でも、うまくやっているマージャーがいました。もともと人望があり取りまとめがうまい縁の下の力持ちマネージャーでした。今振り返るとその人を中心にルールを構築していったのでうまくいったと思います。
当初弊社では、いつでもお互いの顔が見れるような仕組みを導入しましたが、その必要性を強く訴える人はテレワーク化の中でも必要以上にコミュニケーションを取りたい人のみでした。他の人はあまり重要性を感じていないことが社内アンケートでわかってきたので、この仕組みはやめました。
このように社内アンケートを活用しながら、会社としてテレワークで必要なツールはどんどん取り入れ、逆に必要ないと判断できるものはなくしていっています。
そういう過程を踏まえながら、現在弊社では今までにないくらいEC人材の募集、採用活動を行い、ECは未経験であっても優秀な人材を集めることができています。また、採用後は社内教育を徹底しお客様のお役に立てるよう努力しております。
常に変化をもとめられるEC人材育成に向けて
最近弊社のお客様、新規のお問合せフォームで、EC業務拡大をする為のパートナーを探していますというお問合せをよくいただきます。
お問合せの一例
□大手外食企業様より
外食に加えデリバリーやテイクアウト、デリカ、EC事業の拡大を検討している
□大手小売店様より
店頭のECの連携及びECの拡大を図りたい
□引越業者様より
広告に頼らない集客をしたい
□その他
- ECをはじめたい
- デジタルの責任者になるような人を採用したい
- 現場で人手が足りないと言っているのだが本当かわからないので相談にのってほしい
- モール出店についてメリット・デメリットをしりたい
相談の背景には、実際弊社がどのような事業領域でお役に立てるのか、またその為にどのような採用、教育をしているのかという期待や疑念があると思います。働き方が変化したコロナ状況下でどういうスタッフがライフエスコートで働き、いかに活躍できる人材として教育していくのかを包み隠さず、今回説明させていただきたいと思います。
□コロナ禍の株式会社ライフスコートの状況
集計期間:2021年4月~2022年3月末
- 離職者1名 離職率 2.5%
※コロナ化によるテレワークの変化についていけず1名が退職となりました。 - 新規採用人数 5名
〈働く職場環境〉
- 男女比 3:7
- 平均残業時間/日 平均38分/1日
- 有給消化率(5日以上)100%
- 平均勤務年数:7.6年(1年未満除く)
- 年代 20代 10%
30代 45%
40代 27%
50代 18% - 勤務地 東北、関東、関西、中部、中国、九州、カナダ、ミャンマー、ベトナム
事務所は渋谷のみで他テレワーク
※テレワーク推奨につき日本及び海外の拠点にて就業中 - 女性役員 1名
- EC運営未経験者比率 75%
※業界経験者5年以上及びカメラマン等専門職除く - 会社都合退職 0名
- 育休取得者 2名
男性1名、 女性1名 - 時短勤務(6時間未満)6名
- 介護及び長期療養者 2名
テレワーク禍の人材採用、教育方針について
弊社の募集採用は、紹介及びindeed等の一般募集です。
コロナ禍より通年採用に切り替え、採用率は1~3%と比較的狭き門にしております。
弊社のような無名の会社で、このような方針でやっていけるのかという疑問をいだかれるかもしれませんが、下記のような流れでミスマッチを起こすことなく優秀な方を採用できています。
【採用の流れ】
求人媒体への掲載→応募希望者による弊社指定フォーマットへの記入返送(10項目、長文)→社内精査→事前電話面談(10分)→1時間面談→1日体験入社→試用期間付き採用→正社員及びパートナー契約となります。
採用前のミスマッチが発生しないように、「会社に合わない人項目」を設定し、ひとつでも当てはまる方は採用しないという方針を徹底しております。
また、人柄及び仕事への取り組み姿勢を確認する為に、弊社指定の志望動機に記載頂きます。その内容である程度選別させて頂くことが可能になっております。
面談に入る前に代表の私から今回の募集内容の確認と弊社から貢献できるものを約10分ほどでお電話でお伝えし、次に進みたいと言って頂いた方のみ実務責任者の面談へ進まさせて頂きます。
最終の体験入社は基本代表の私が担当させていただきます。約6時間の体験入社は、片手間にならないように、休日など他の仕事がはいらないタイミングで実施させていただきます。その時の受け答えやコミュニケーションの取り方で合否を判断させて頂いております。
弊社では7割がEC未経験、もしくはECに少しかかわっていたという方がほとんどですが、その後十分な活躍をしてくれるスタッフが多いです。
【入社後の教育について】
初期教育を非常に大切にさせて頂いております、特に試用期間中に会社が期待する範囲、給与アップの評価ポイントをご説明します。そのカリキュラムにそって業務を覚えて頂くと給与があがります。
【継続的な教育として実践的に学び】
知識を実践的なものにするために、弊社では検証用としてD2Cサイトを立ち上げております。
こちらのサイトを使って、ECの仕組みの確認や、期待される効果などを自分自信で確認し、任される仕事の役割や目標を明確化にします。
ライフエスコート初の小型家電サイト:Smativ+
“ITCで生活をスマートにアクティブに’をテーマに小型家電を提案するD2Cサイトです。
■公式オンライン
https://smativ.tokyo/
■楽天市場店
https://www.rakuten.co.jp/smartiv/
■ヤフーショッピング店
https://shopping.geocities.jp/smativ/
■アマゾン店
https://www.amazon.co.jp/stores/Smativ/page/3AA3CC6F-91AD-49CE-8C4E-B0ED2097036D?ref_=ast_bln
■体験型ストア「b8ta Koshigaya Laketown」へ出店
b8ta Koshigaya Laketown越谷レイクタウン駅直結徒歩約1分
ライブキッチンを設置しカウンター越しに試飲や試食も可能に!
https://smativ.tokyo/blogs/news/news220601
現在色々なECモールサイトで提案される全てのD2C戦略のノウハウを、弊社スタッフは実践的に学べるようにしております。
〇配送について
365日当日、翌日出荷するには各種設定方法、各モールから発送設定(入荷まで)
〇お客様対応
365日電話、メール対応、店舗チェックシート、不具合率などの集計とフィードバック業務、レビュー集計対応
〇売れる商品企画調査
ジャンル順位の調査及び商品企画書作成社内プレゼン
〇仕入れ業務補助
日本国内、海外(中国)の貿易業務及び国内納品手順
〇新商品ページ作成
競合調査(家電量販店への聞き込み)、利用者のペルソナ設計、LPラフ、説明書作成、撮影、デザイン、社内納品、レビュー対策
〇商品登録
キーワードの調査、商品登録、推奨タグ設定、キーワード調査アクセス解析
〇販促活動
各モールのイベント及び広告、SNSインフルエンサースカウト
◯分析業務
エクセル、アナリティクス
最終課題:Smativの改善、収益もレポートしていただきます。
下記内容を把握し収益構造を理解します。
- 売上-(商品原価+貿易費用)=商品利益
- 売上×手数料(決済手数料+モール手数料)=手数料
- お客様からもらう配送費用ー(出荷費用+倉庫保管費用)=物流費
- 販促費用(ポイント、割引)
- 制作費用(商品ページ、撮影、設置)
- 運用費用(商品キーワード変更等)
- カスタマー費用(受注処理、お客様対応)
このように自分のやっていることの理解を深め、クライアントと同じ方向性をもつことを最重要マインドとし、今の自分のスキルの現状把握、必要なスキルのブラッシュアップをすべく準備しております。
まとめ
このように、ライフエスコートでは市場の変化への対応、人材採用及び教育についても座学、実地検証を繰り返しクライアント様の業務へ関われるよう日々研究をしております。
ライフエスコートでは、ECサイトの運営構築はもとより、ビジネスモデルからの提案及び通販における様々なサポートが可能ですので、今後、通販やWEBの開設を少しでもお考えの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
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