ECサイトで商品を売れるようにしたいが、自社にはノウハウがなく上手くいかないという悩みを抱えるショップは少なくありません。
特に、ネットショップだけに店舗を構える場合は、新規顧客の集客やリピーターの獲得など、ユーザーを囲い込むために必要な対策が不十分なために、売上に結びつかないことはよくあることです。
そこで本記事は、売れない原因を見つけて、売れるECサイトにする方法を具体的に紹介します。
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目次
売れないECサイトには共通する問題点がある
ECサイトで売れないときには、まず原因の解明をするのが最優先です。そこで、5つの共通する問題点について以下に取り上げます。
集客に失敗している
売れないECサイトの共通点として、まずは集客に失敗しているケースが挙げられます。集客方法は、チラシや広告、ネットショップなら検索サイトやLP(ランディングページ)などです。
集客に失敗するECサイトは、客のほとんどいない実店舗と同じです。人がいなければ商品は売れません。なかでも、独自ECで新規開店として立ち上げて、宣伝が不十分な場合は特にです。
また、ECで重要な検索エンジンの対策やリスティングなどの広告出稿などの対策が不十分な場合にも、上手く人が集まらないでしょう。どれだけ魅力的な商品をショップ内に置いて、売れやすいデザインや配置にしても、商品を買う人の数が圧倒的に少なければ、結果的に売れません。したがって、売れない状況を回避するためにも、ECサイトにおいて集客は優先的に対策が必要です。
ターゲットの設定が不適切
売れないECサイトの原因として、ターゲットの設定が不適切なことが挙げられます。集客は重要ですが、メインに集客する顧客層は誰でもよいというわけではなく、適切なターゲットの設定が必要です。
ターゲットとは、マーケティング用語で顧客層となる年齡や性別、仕事、趣味・趣向などから、自社のEC商品・サービスに合致した(よく売れる)顧客を狙うことを指します。つまり、ターゲットの設定が不適切で売れないときは、商品が顧客層に合っていないのです。
極端な例でいえば、男性向け商品のショップに女性を集客するなどです。年齡も重要で、高齢者向けの商品ラインナップで若年層を呼び込んでも売れないわけです。このように、ターゲットの選定は、不適切なままだと上手く売れず、アクセス後に購入まで至る割合のCVR(コンバージョン率)といった指標にもマイナスに影響するため、総じて売れない原因となります。
接客が不十分
ECサイトでは、カスタマーサービスの接客面が不十分な場合に、売れない原因となることがあります。返品や要望の受理、商品の不明点説明など、安心や信頼に繋がる部分が弱いなどです。接客の対応の悪さから売上に結びつかないことが十分にありえます。
特に、ショップに対しての不信感が強まると安さや商品ラインナップの良さだけでは売れず、大手ECサイトに顧客が流れてしまうため、中小規模のEC事業者であってもカスタマーサービスの質を支える接客面はしっかり充実させておくことです。
サイトが見にくい・使いにくい
ECサイトでは、デザインや機能を高めることはユーザビリティを高めて使いやすくします。しかし、サイト構築・デザインの予算に制約があるなどして、サイトが見にくい・使いにくいといったケースでは、売れないECサイトが出てきます。そこで、最低限の使いやすさは十分に費用を投入してでも確保しておくことです。
また、独自のボタン装飾や機能を搭載することで、逆にサイトが見にくい・使いにくくなるケースもあります。使いやすいECサイトは、オリジナルのデザインを入れてはいても、ボタンやサイトの階層などは他と似ていて、初めて使う人でもショップ内の買い物で問題なく使えます。それは他の共通した使いやすさを残して、誰でも使えるようにしているためです。普段利用してきたサイトとあまりにも違いが大きすぎて使いにくい場合は、たとえ機能性が高くてもサイトの離脱率が高まり、集客はできても肝心の商品が売れないのです。
商品の魅力が訴求できていない
ECサイトで商品が売れることは、顧客がその商品に魅力を感じて費用を払っても入手したいとさせることが必要です。しかし、商品の魅力を訴求できない説明文や画像、見出しタイトルしか用意していない場合は、商品の興味を顧客から失わせます。優れた商品を置いているにもかかわらず、売れないのは商品の魅力を顧客に伝えるための訴求に問題があるといえます。
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売れているショップがしていることとは?
次に、売れているショップが何をしているのかについて、違いを踏まえて7つの項目を説明します。
コンセプトが明確
売れているショップは、コンセプトが明確なため、ひと目で何を売っているかわかり、商品のポイントや魅力がはっきりしています。コンセプトが顧客と一致していればそのまま「自分が欲しい物がこのショップには売っている」と判断し、商品の購入に移ることができます。
ECサイトにアクセスしたとき、コンセプトが不明なサイトは、ページを閉じてしまうなど、離脱しやすいでしょう。ショップ内で何をメインに売っているのかわからないために、顧客が自分にあった商品があるのか疑問や不信感を持つためです。そのため、商品ラインナップやターゲットとなる客層からコンセプトを明確にすることが大切です。
サイトが魅力的
ECサイトは、見やすいことが大事な要素ですが、商品やデザインなどが魅力的に映ることも売れるショップには不可欠です。シンプルなだけのサイトは、使いやすくはあってもショップとしての魅力に欠けます。デザインや商品配置、バナーなどを工夫しているショップは売れることから、サイトの魅力を引き出すことで売れるのです。
商品ページの訴求力が高い
商品が売れるショップは、商品ページの訴求力が高いことで知られています。単純に同じものを販売しても、訴求力が高いほうが売れます。この訴求力を検討することは、ショップにとって必要なことです。
誰に向けた商品かを明確にし、いまある悩みや問題を解決できる商品として顧客が潜在的に欲する商品をアプローチして購入まで至ります。それに、メリットや優れた部分を押し出して買う気にさせることも求められます。要するに、商品ページの訴求力が高いほど、その商品が売れやすいのです。
商品レビューが多い
最近は、ショップのユーザーでも個々の商品レビューをチェックして買うケースが増えており、説明文やタイトルだけでは売れません。レビュー欄にたくさん評価投稿されていることで、「他の人も買っているから、この商品は大丈夫」という認識をもたらします。
特に効果や味、着心地など説明文や写真からではわからない商品内容の具体的な感想や口コミは、レビューが重視される大きな理由です。レビュー欄を見てからでないと買わないという顧客も中にはいます。レビューのまったくない商品や少ない商品を避ける顧客に対しては、レビューが単純に多いだけでも売れやすくなるのです。
リピーター対策ができている
ECサイトでは、新規顧客だけでなく、リピーターも商品を売る対象です。商品がよく売れるショップでは、リピーター対策がしっかりとできているため、一度きりの新規購入にならず、リピーターが商品を買いやすいアプローチをしています。
マーケティングではLTV(顧客生涯価値)が重視されており、繰り返し同じショップで購入することで一生の中で売上・利益に貢献する一人頭の単価が上昇します。LTVの向上は、新規顧客を1人増やすよりも1人のリピーターをつくるほうが、集客にかかる労力も低くなります。すでに購入経験があるということは、次の購入のハードルが下がっているためです。
実際に、新規顧客を集客する労力よりも簡単に商品が売れやすい状況を作り出せます。メルマガ配信やクーポンなどを組み合わせたサービスなどを加えて、リピーターに次の購入誘導を仕掛けます。このように商品を売れやすくするにはリピーター対策が必要不可欠です。
決済方法の選択肢が多い
売れるECサイトは、決済方法の選択肢が多いことも1つの要素として挙げられます。近年は、ペイやアプリ系の決済、電子マネー、プリペイドカードなど幅広い決済手段があり、クレジットカードがなければ買い物ができないというショップに比べて、多彩な決済手段がある方が選ばれやすい傾向にあります。
例えば、クレジットカードがない人はショップでの買い物ができず、他の決済方法の選択肢があるショップに流れます。また、ショップにカード情報の入力に不安があり、情報流出などのリスクを抑えるためにネットショップではクレジットカードを登録して使わないケースも増えています。
それ以外にも、後払いやコンビニ支払いなどが使えることを顧客が利用ショップに求めるケースもあり、決済方法の選択肢がそのまま売れる要素に繋がるのです。
信頼感を高める工夫
ECサイトを選ぶ基準は人それぞれですが、安さや欲しい商品があること以外にも信頼感を高める工夫をしているショップで売れやすくなります。具体的には、会社情報がしっかり掲載されている、問い合わせにコールセンターのフリーダイアルや窓口が用意してあるなどです。顧客の疑問をカバーするFAQの用意なども信頼感を高める工夫の1つです。
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売れないECサイトがするべき対策
原因と違いについて把握できたところで今度は、売れないECサイトがするべき対策について8つ紹介します。
集客力を強化
売れないECサイトが商品を売れるようにするには、集客力を強化することが必要です。まず宣伝のための広告を出し、ネット広告やアプリ広告などを展開してショップ名の露出を増やし、ECサイトの存在を周知します。
また、昨今はSNSマーケティングの手法活用も増えており、SNSサービスを通じてショップや商品の紹介をすることも集客力を強化する方法です。SNSの口コミで自然に増えていくだけでなく、インフルエンサーを活用した商品の宣伝なども有効です。そのため、TVCMのような大規模な宣伝費用をかけられない企業がネットショップのみのECサイトを運営する場合にも手軽に集客力を強化できます。
UXの改善
購入時に不明点を問い合わせる場合、コールセンターがないECサイトではメールや問い合わせフォームで一旦質問をするために時間がかかり、顧客がサイトから離脱しやすい状況が生まれます。そこで、UX(User Experience)を高めるような接客のためのツールを導入する方法が有効です。
UXとは、サービスを通じて得られる顧客体験のことで、UXが優れていると商品も売れやすくなります。例えば、自動応答のチャットやFAQを画面上に追加で表示するポップアップなどを活用するなどです。デザインや機能を追加することでもUXの改善は可能ですが、顧客がサービスから満足度を高めるようなものを検討します。
リピーターの獲得強化
新規顧客が多く、一度きりしか売れない状況になりやすいECサイトは多々あります。そこで、一度限りではなく、リピーターによる繰り返しの購入を目指すことが売れるポイントです。新規顧客を集客しなければ売れない状況から、一定のリピーターには普段から購入される状況を作ります。そうすることで新商品や入荷時に商品が売れやすくなるのです。
レビューを増やす
商品自体には問題がないのに売れないときは、レビューが少ないことが原因として挙げられます。そこで、レビューを増やして売れるようにします。例えば、レビューを増やすにはポイント付与や特典サービスなどを設けて、購入後のレビューを促す方法です。レビューを見て判断する顧客に対してはとても有効です。
競合他社との価格差
商品を売るには、安さの面で競合他社を上回ることが必要です。しかし、常時安くするのは、大手モールと比べて長期的には難しく、目玉商品などを一時的に下げるといった方法に限られます。価格差で勝負するタイミングを見極めて、そこからショップ利用に繋げてリピーターを生み出せれば十分です。
状況にあった戦略
ECサイトの戦略は、一概に決めることはできず、状況に応じた戦略を立てることが重要です。商品ラインナップや規模、予算範囲によって、できることが変わるだけでなく、シーズンや社会情勢等の変化なども戦略変更の大きな要因です。ここ2~3年では、コロナ禍で売れないもの、売れるものが大きく分かれているため、いま売れる商品を積極的にピックアップするなど、商品在庫選びや在庫数の確保など含めて戦略を立てましょう。
カゴ落ち対策
ECショップでアクセスを集められているにもかかわらず、購入まで結びつかないというケースでは、カゴ落ちによって売れる機会を逃していることが指摘できます。
例えば、送料や追加手数料が高い、購入までのプロセスが長い、会員登録が必要などがカゴ落ちしやすい要素です。これらのカゴ落ちが生まれやすい環境を減らして改善することは、ECサイトのカゴ落ち対策となります。
プロに相談も検討
売れるようにする対策を自社ECサイトに施すとき、普段のコア業務が逼迫してECサイトの運営に時間を割けられないことがあります。また、対策のイメージはあっても、具体的に方法として落とし込むことができない運営者も珍しくありません。
そこで、運営や対策が上手くいかないという場合には、プロに相談して売れるようにECサイトを改善することが有効な手段です。運営に手が回らないというときは専門的な対策のできるプロに相談することを検討しましょう。
まとめ
今回は、ECサイトの売れない原因や対策、売れるショップの特徴などについて取り上げました。
売れないECサイトには共通点があり、集客や適切なターゲットなどができていないケースでは売れず、逆に売れているショップはできているという違いがあります。そこで、するべき対策を見極めて集客の強化やサイト改善、リピーター対策などを施すことで売れるようにするのです。
また、対策がうまくいかないときや運営に手が回らないときは、プロに相談することも検討します。改善方法や対策のイメージはあってもそれを具体的に実現するノウハウや経験が足りない場合は特にプロの存在が重要です。以上を踏まえて売れるようなECサイトを運営しましょう。
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