新しくECサイト担当になった方や、これからネットショップを始めようとしている企業の担当の方にとって、最初のハードルが「専門用語のむずかしさ」でしょう。特にEC業界はアルファベット2~3文字で表す略字やカタカナ用語などが多く、打ち合わせ時に「あれ、この言葉ってなんだっけ??」と戸惑ったことがある方も少なくないと思います。
そこで今回は、業界にとってはよく聞くコトバ、しかし新米EC担当にとっては??な専門用語を取り上げて解説します。ランキング形式で紹介しているので上位にランクインしている用語はぜひチェックしてみてくださいね。
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2022年 EC業界ホットワードBEST15
まずは、2020年にEC業界でよく耳にした、または検索エンジン上でよく調べられたワード、用語について15位まで取り上げます。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、デジタル接客、チャット、LINE公式アカウント、スタッフスタートなど実店舗に変わってオンライン上で顧客とコミュニケーションを取る手段が多く見られました。
【第1位】デジタル接客
デジタル接客とは、従来の実店舗での接客に対して、オンライン上でスタッフさんが商品を紹介したり問合せに答えたりする接客方法を指します。具体的にはライブコマースと呼ばれる生放送で商品の魅力を伝えたり、専用サービスを導入してスタッフさんとZoomのようにオンライン上で会話して商品をおすすめしたりといった方法があります。ECサイト利用が拡大するに伴い増加傾向にありましたが、新型コロナウイルス感染症予防のため、実店舗での対面販売が減ったことから需要が急激に高まりました。今までは1対多で応対していたオンライン上の接客が1対1で応対できるようになったことで、新しい可能性が広がっています。
【第2位】デジタルプラットフォーム
デジタルプラットフォームは、主にインターネット上で場を提供する事業者を指します。ECモールや動画配信サービス、SNSなど提供するサービスはさまざまです。このようなデジタルプラットフォームを第三者に提供する事業者をデジタルプラットフォーム事業者(デジタルプラットフォーマー)と呼び、代表的なものにGoogleやAmazonがあります。
デジタルプラットフォーマーはビッグデータを蓄積し、消費者に大きな影響を与えています。それに対して政府は規制を強めており、2020年2月には「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」が閣議決定されました。これはGoogle・Apple・Facebook・Amazonのほか楽天やヤフーなどの大手EC企業も規制対象になると見られており、2021年春の法律施行によってEC業界にも影響が出ることが予測されます。
【第3位】デジタルアレルギー
アレルギー反応とは、ある物事に対して精神的な拒絶反応を示すことを指します。中でも、デジタルテクノロジーやオンラインでのコミュニケーションに対し、拒否感・苦手意識を感じることをデジタルアレルギーと呼びます。特に、新型コロナウィスルの影響により、在宅勤務、テレワークなどオンラインで業務を行うことが一般的になりつつあります。今後も注目されていくキーワードの一つとなるでしょう。
【第4位】オンライン
オンラインとはインターネットにつながっている状態を指し、逆にインターネットにつながっていない状態をオフラインと呼びます。今までこの2つは全く別のものとして扱われていましたが、近年技術革新によって両者の距離が非常に近づいています。
その代表的なものがOMO(Online Merges with Offline)です。これはオンラインとオフラインを融合するという意味で、オンライン上での行動データとリアルの行動データを統合することで新たな価値を生み出すことを指します。レジに並ばず商品が購入できる無人スーパーのAmazon Goが代表例で、ECサイトと実店舗の境界がなくなりつつあるなど、OMOによってこれからの買い物体験が大きく変わる可能性があります。
【第5位】見える化
見える化とは、今まで見えなかった状態や問題を可視化することです。EC業界でもシステム化によって配送の見える化や在庫の見える化を進め、業務効率化を進めています。業務の現状やフロー、進捗状況や実績などを、グラフ・図表・数値などをわかりやすい形にすることで、担当者以外の誰にでも俯瞰的に状況を理解しやすいように提示することができます。
【第6位】eコマース
eコマースとはElectronic Commerceの略で、電子商取引とも呼ばれます。インターネットなどを通じて契約や決済などを行う取引形態のことです。一般的にはネットショッピングのことを指します。
【第7位】チャット
チャット(chat)とは、インターネットを介して複数のユーザーがリアルタイムにメッセージを送信するためのシステムを指します。個人向けにはLINEやSkype、ビジネス向けにはChatworkやSlackといったサービスが知られており、メールに代わるコミュニケーション手段として利用が広がっています。
ECサイトにおいては、顧客からの問合せを受ける手段としてチャットが活躍しています。AIが自動で準備された回答を返すチャットボットが代表的なもので、現在では多くのECサイトで導入されています。また最近では差別化のためにあえて有人の問合せチャットを設置するECサイトも出てきています。
【第8位】UGC
UGCとはUser Generated Contentの略で、企業ではなくユーザーによって作れられたコンテンツを指します。具体的にはSNSの投稿や写真、口コミやブログなどが該当します。
SNSによって情報を探し、また企業の宣伝よりも身近な投稿のほうを信頼する今の消費者にとって、UGCのコンテンツは「身近で信頼できる正直な情報」と認識されています。それを踏まえて自社ブランディングや商品プロモーションなどにUGCコンテンツを活用する企業が増えています。
【第9位】LINE公式アカウント(旧LINE@)
LINEでは、企業や店舗が消費者とコミュニケーションを取るための手段としてビジネス向けの「LINE公式アカウント」を提供しています。かつて公式アカウントは大企業向けの高額なもので、店舗や中小企業向けには別途LINE@(ラインアット)と呼ばれる専用アカウントを提供していました。しかし現在では両者は統合されひとつになっています。
LINE公式アカウントでは、友だち登録した相手にクーポンの配信やタイムライン投稿、メッセージ配信などを行うことができ、特に実店舗を持つ企業にとって重要な販促手段となっています。
【第10位】ブログ
ブログとはWebLogが由来とされ、文章や画像などを時系列で公開するWebサイトの種類です。個人だけでなく企業でもブランディングや認知度向上といった目的でブログを活用しています。ECサイトではSEO目的でブログを運営する手法が広く行われています。ECサイト単体で検索エンジン上位を目指すのは難しいため、関連する情報をブログとして発信して見込み客を集めます。
【第11位】スタッフスタート
スタッフスタートは、今回ひとつだけ固有名詞(サービス名)としてランクインしました。
1位のデジタル接客を行うためのサービスで、スタッフのデジタル接客や業務をアプリで可視化します。
【第12位】MD
MDとは、マーチャンダイザー(merchandiser)の略で、商品仕入れなどの業務を行う人を指します。それだけでなく市場調査や商品企画、プロモーション業務など幅広く携わる業務です。
【第13位】在庫管理数
在庫とは、販売目的で仕入れた商品のうち、ストックとして倉庫などに保管している商品を指します。この在庫を管理することを在庫管理と呼びます。
【第14位】ウォンツ
ウォンツは、ニーズに対する具体的な欲望を指す言葉です。
【第15位】ニーズ
ニーズとは、人が生きていく上で感じる理想と現実のギャップを指す言葉です。前項のウォンツとセットで使われる言葉です。
覚えておきたい Web業界BEST15
続いては、Web業界でよく使われる用語で覚えておきたい業界用語を20位まで取り上げました。アルファベットの略字とカタカナばかりなので頭に入らない、という方もいるかと思いますが、覚えておいて損はありませんのでぜひ目を通しておいてくださいね。
【第1位】SEO
SEOとは(Search Engine Optimization)の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれます。これはGoogleなどの検索エンジン経由でのサイト訪問者を増やすための施策を行うことを指し、具体的には特定のキーワードの検索結果上で、自分のWebサイトがページの上位に表示させるようにすることです。
【第2位】LP
LPとはランディングページ(Landing Page)の略で、インターネット広告や検索エンジンを経由してユーザーがいちばんはじめにアクセスするページを指します。ECサイト運営では、特定の商品を購入してもらう目的で用意する縦長の1ページ仕立てのWebページを指すこともあります。
【第3位】PV
PVとはページビュー(page view)の略で、Webページが閲覧された回数を指します。PV数が多いと多くの人の目に触れているということになります。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使って確認することが可能です。
【第4位】BtoB・
BtoBとはBusiness to Businessの略で、企業が企業に対して商品・サービスを販売するビジネスモデルを指します。
【第5位】BtoC
BtoCとはBusiness to Consumerの略で、企業が企業に対して商品・サービスを販売するビジネスモデルを指します。前項のBtoBと対になる言葉です。
【第6位】KPI
KPI(Key Performance Indicator)とは、日本語に訳すと「重要経営指標」という、なんともいかつい言葉になりますが、EC業界では、ゴールに設定した行動に対する達成状況を把握するための指標としてko目標値に対する状況を示す指標としてよく使う言葉です。
【第7位】CPA
CPA(Cost per Acquisition)とは、新規に顧客を獲得するために費用が何円かかったかを示す指標です。
【第8位】CV
CVとは、コンバージョン(conversion)の略で、何らかの成果を表す言葉です。そのときどきで何を指すのかが変わる言葉なので注意が必要です。WebサイトでCVと言った際には、「商品を購入する」「ユーザー登録する」などが該当することが多いです。
【第9位】CPC
CPCとは、Cost Per Clickの略で、インターネット広告で広告を見たユーザーが1回クリックするごとに費用が何円かかったのかを示す指標です。
【第10位】リソース
リソースとは資源や資産を意味する言葉で、ビジネスでは経営に必要なヒト・モノ・カネを指します。ECサイトの場合は、必要なスタッフや費用を指すことが多いです。
【第11位】アライアンス
アライアンスとは、異業種の企業が業務拡大や利益向上などの目的で業務提携を行うことを指します。
【第12位】ランニングコスト
ランニングコスト(running cost)とは、システムやサービスの維持・運用にかかる費用のことです。ECサイト運営では、サーバーレンタル費用や人件費、クラウドサービスの利用料など、毎月かかる費用が該当します。
【第13位】エンドユーザー
エンドユーザーとは、実際に商品・サービスを利用する人を指す言葉です。ECサイトでエンドユーザーと言った場合には、商品を購入して利用してくれる顧客を指します。
【第14位】アウトソーシング
アウトソーシングは、今まで内製していた業務の一部を他社に任せる経営手法のことです。日本語では外部委託と言います。開発・人事経理・広報・コールセンターなどアウトソーシングする業務範囲は幅広く、ECサイトであれば梱包・配送などの物流部分、受注管理などをアウトソーシングする企業が増えています。
【第15位】イニシャルコスト
イニシャルコスト(initial cost)とは、システムやコンピューターを新規に導入する際に必要となる費用一式のことです。イニシャルとは英語で「はじめの、初期の」という意味なので、初期費用と言い換えることができます。ECサイト構築であれば開発外注費やサーバー購入費、システム契約時にかかる費用などが該当します。
2021年のEC・Web業界を振り返る
EC業界、Web業界でよく使われる専門用語を合計30個取り上げました。全てを覚えなくても良いので、なんとなく「こんな意味だったなあ」と頭の片隅に置いておくと会話に用語が出てきたときになんとなく反応できるようになります。何度も耳にするうちに自然と意味も覚えていくので大丈夫です。2021年に好スタートがきれるよう、今年のうちに用語の整理をしておくことをおすすめします!
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