年末が近づくとネットショッピングの年末商戦が活発になります。特に各モールで実施されるサイバーマンデーのイベントセールは、中小のEC事業者にとって集客する大きなチャンスです。
しかし、他のセールイベントとの違いがわからず、サイバーマンデー独自の対策の仕方がわからないという担当者の方もいるでしょう。
そこで、サイバーマンデーにおけるセールの特徴やセール前の対策について紹介します。
目次
サイバーマンデーとは?
サイバーマンデーは、アメリカで実施されている感謝祭の日から次週の月曜日に開催されるネットショッピングの大きなセールイベントを指します。もとは2005年に全米小売業協会(National Retail Federation)が開始したイベントです。
ショッピングを勧める目的でインターネット上を意味する「サイバー」から「サイバーマンデー」と名付けられます。2022年の現時点では、ブラックフライデーに匹敵する大きなセールとして、サイバーマンデーの期間にさまざまな事業者がECモールがイベントを開催しています。具体的には、Amazonを始めとして楽天や他のモールなど実施するモールは多彩です。
ブラックフライデーとの違い
ブラックフライデーは、サイバーマンデーと開催時期の異なるセールイベントです。サイバーマンデーは、次週の月曜日から始まるのに対して、ブラックフライデーは、次の日(金曜日)から開催されるセールイベントです。年末に向けてのセールを実施することから、小売の実店舗での売上が伸びることで知られています。
また、サイバーマンデーはネットショッピングのセールが好調になることに対して、ブラックフライデーは実店舗での売上が増すという特徴的な違いがあります。本来であれば両者を比べて対照的なイベントとするところですが、Amazonのように実店舗のないネットショッピング主体の事業者では、サイバーマンデーとブラックフライデーの両方を同じようなセールイベントとして開催するケースもあります。そのため、上記のようなネットオンリーの事業者では、両者に大した違いはないでしょう。
サイバーマンデーの特徴
サイバーマンデーには、以下の4つの特徴があります。
値が張らない小口商品が多い
サイバーマンデーは、小口商品が多い傾向にあります。そのため、セール期間中に小口商品の値段を下げて販売することから、サイバーマンデーを狙ってちょっとした買い物をするユーザーが増えるのです。
実際に、多くのモールでは、値の張る商品よりも日用品などを含む少額の商品を求めて訪れます。小口商品が多い理由としては、感謝祭の後に実店舗での買い物を控えて、日用品をネットショッピングで購入するためです。
もちろん、Amazonを始めとした一部のモールでは、サイバーの名前に由来して、電化製品や家電のセールを行うケースもあります。
旧型の商品の値引き率が高くなる傾向
電化製品や家電が安くなることに関連して、旧型商品の値引き率が高くなる傾向があるのもサイバーマンデーにおける特徴の1つです。
旧型の商品で需要が増えるものとして、中型から大型の家電である電子レンジや冷蔵庫などが挙げられます。さらに、パソコンやテレビ、オーディオ、デバイス機器の買い替え購入が起こりやすい品も旧型商品で値引き率が高くなるでしょう。
年末年始を見据えた商品が増える
サイバーマンデーが12月を目安に開催されるセールイベントという点から、年末年始を見据えた商品が増えます。例えば、冬物家電のストーブやファンヒーター、こたつが代表的です。
それ以外にも、年末年始前に買い物でそろえておきたい商品に、お年玉の袋や末に向けたおせちの注文含む食品、冬物の衣服や着物などが挙げられます。
ブラックフライデーより売上規模は下がる
サイバーマンデーは、感謝祭の直後ではなく、翌週の月曜日という少し時間が空くこともあり、翌日開催のブラックフライデーに比べて売上の規模が上がるという特徴があります。
加えて、新しい商品や大型商品は、ブラックフライデーのほうが値引きされるため、総合的に見るとサイバーマンデーよりブラックフライデーのほうが売上規模が高くなるでしょう。
サイバーマンデーへの対策
サイバーマンデーのセールイベントを迎えるにあたって、集客や売上アップのために事前対策しておきたい事柄を7つ紹介します。
画像やバナーをサイバーマンデー仕様に変更
サイバーマンデー対策としてはまず、画像やバナーを「サイバーマンデー仕様」に変えてセールイベント感を出すことです。
ユーザーは視覚により多くの情報を得ており、セールの到来や割安感を画像やバナーで判断することも少なくありません。そのためのサイバーマンデー仕様に変更です。そして、他の競合事業者との差別化を画像やバナーで行います。
ポイントアップ設定をする
独自のポイント設定ができるECモールに出店している場合は、サイバーマンデーのセール期間中にポイントアップ設定をすることも対策の1つです。例えば、楽天では全体のポイント設定に加えて、ポイントアップ設定をすることによりポイントを独自に上乗せすることができます。
普段はユーザーの目にあまりつかないショップであっても、セール期間とポイントアップ設定の組み合わせでショップブランドの認知を広めたり、集客力を高めたりすることが十分に可能です。特にポイント狙いでセール期間に買い物をするユーザーは多いため、ポイントを目玉としたショップ設定がおすすめです。
在庫切れしないように商品管理
サイバーマンデーのセール中は、通常よりも商品がよく売れるため、在庫切れしないように商品管理することも対策の一環です。売上を伸ばせる絶好の機会に、在庫切れで販売機会の損失をするのはもったいないといえます。
また、FBAで商品出荷しているEC事業者の場合、セール中の受付の遅れにより在庫反映されないケースを考えて、数週間前から在庫補充や増加の対応をしておくことが必要です。
商品ページ内の情報を充実
ページアクセス数が増えてショップ来店者が増えるのもサイバーマンデーの特徴です。これまで以上に売上を伸ばし、コンバージョンを高めるためには、商品ページ内の情報を充実することです。
不足のない商品情報や説明、スペック表示をしているか確認します。不足があれば追加して、商品画像やSEO対策のキーワードに関しても見直しをするのです。そのうえで、サイバーマンデーに対応するショップであることをアピールします。
また、商品ページ内の情報としても重要なレビューをあらかじめ充実させましょう。
送料設定を下げる
サイバーマンデーは、小口商品が増えることもあり、商品単価に対してショップの送料がユーザーの負担になって売上を抑制することがあります。その対策として、送料設定を下げる方法があります。
送料設定には、一律無料にする場合と一定金額に達した場合に送料無料になる2種類があり、可能であれば一律無料、それが難しい場合は、無料の設定金額基準を下げる(1万円を3,000円にするなど)の方策が有効です。
ぽっきり商品を作る
サイバーマンデーのセールイベントと楽天のお買い物マラソンの日程がぶつかる場合は、「ぽっきり商品」(500円や1,000円の価格に端数のない商品)を作ることで買い回りを誘導するような価格設定の商品にすることが対策となります。お買い物マラソンでは、端数にして安くするよりも、商品をぽっきり価格にして他の複数ショップでも買い回れることのほうが大事だからです。
クーポンを発行する
サイバーマンデーの機会にクーポンを発行して、新規ユーザーに自社ショップのリピーターにするという方法が対策としてあります。自社がショップを通じてLTV(顧客生涯価値=顧客による一生の総額売上)を高めるには、新規だけでなくリピーターを増やすことが不可欠です。
クーポンをきっかけにショップの新規利用者を増やして、その中からリピーターを得られれば、イベント期間中だけでなく、将来的な売上も高まります。クーポンでいくら割引するかはショップが独自に決められるため、できるだけユーザーの目につく、もしくは惹かれる設定にしましょう。
サイバーマンデーでしっかり集客
多くのEC事業者が運営するショップにとって、サイバーマンデーは年末商戦を意識した大事なセールイベントです。イベント前に必ず対策をしておきたいところでしょう。イベント期間中にしっかり集客することで売上を高めることができます。
また、サイバーマンデーのイベント時だけでなく、通常時や年間のセールイベントを踏まえた連続性も意識して対策を施すことが重要です。イベントで売上を高めて、そのうえで普段の売上にもつなげられるショップにしましょう。
まとめ
今回は、サイバーマンデーの概要や集客に向けたセール前の対策について取り上げました。サイバーマンデーは年末商戦につながる大きなイベントとして、セールの特徴を抑えたうえで、しっかり対策を施すことが大事です。
特に、サイバーマンデーとブラックフライデーそれぞれの特徴を把握して、サイバーマンデーに必要な小口商品のセール対策や事前にできる対策事項を把握して準備しましょう。
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