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ポートレート撮影のコツとは?通販の人物撮影で重要なテクニックや小技を紹介

ECサイト、モールなどの通販撮影を行っている際、次のように感じたことはないでしょうか?

✔思ったようなポートレート写真が撮影できない…
✔写したいコーディネートがあるのに上手に撮影できない…
✔想定していたコーディネートと違う…

弊社では、これまで通販用のポートレート(人物を主な被写体とした写真)撮影を数多く行ってきました。
今回はそのノウハウを活かし、通販に特化したポートレート撮影のコツやテクニック、役立つ小技をお伝えします。ちょっとした工夫で仕上がりが良くなるので、ぜひ今後のポートレート撮影時に活用してみてください。

ポートレート撮影とは

ポートレート撮影とは
具体的なコツやテクニックの説明に入る前に、ポートレートについて少し触れておきたいと思います。ポートレートは日本語で「肖像写真」を指し、一般的に人物を主とした写真を表します。ポートレートは、撮影スタジオなど屋内で撮影するポートレートを「屋内ポートレート」「スタジオポートレート」と言い、街中など屋外で撮影する「屋外ポートレート」に分類されます。この記事では、屋外ポートレート、屋内ポートレートどちらにも触れて説明していきます。

ポートレートのコンセプトを明確にする

ポートレートのコンセプトを明確にする
ポートレート撮影前の準備として大切なのは、コンセプトを決めることです。まずは、以下2点を考えてみてはいかがでしょうか。

ターゲットとなる消費者を考える

さて、皆さんは、自社商品やショップのターゲットを聞かれた時、すぐに答えられるでしょうか?

「40代の女性」「30代の男性」など大まかな属性を決めている人は多いと思いますが、同じ性別・年代でも人によって求めるものは異なります。より具体的に、家族構成・ライフスタイル・趣味嗜好といった人物像を深掘りしてみましょう。ポートレート撮影は、自社の商品を「どんな人に使ってほしいか」という視点から考えるといいかもしれません。

また、このターゲットを決めることは、ポートレート撮影は勿論、サイト全体のデザイン性にも大きくかかわってきます。ECサイトは、色やフォント1つとっても与える印象が異なります。これから通販サイトを運営する方、今、売上に伸び悩んでいる方、まずは、ターゲットの選定を明確化してみましょう。

伝えたいイメージを考える

次に、写真で伝えたいイメージを考えましょう。通販サイトのポートレートと言えば、スタイルの良い、綺麗なモデルさんを想像しがちです。しかし、通販撮影で重要なのは、いかに購入者が「実際に使うシーンを想像できるか」です。

特に、アパレル商品などは、自分の体型で着こなせるのか、今、手元にある服とのコーディネイトなどが重要になります。そのため、商品をどんなシーンで使ってほしいかを考え、見た人がそのイメージを想起できる写真を撮る必要があります。

このように商品のターゲットや伝えたいイメージを明確にすることで、自ずとポートレート写真の撮影方法やコーディネートの方向性も決めやすくなります。また、撮影自体もスムーズに進んでいきます。

ポートレートに最適な撮影場所とは

ポートレートに最適な撮影場所とは
コンセプトやターゲットが明確になりましたら、次は、ポートレートの撮影場所を考える必要があります。実は、撮影場所によりメリット・デメリットがあります。次項で詳しく説明していきます。

スタジオ撮影

スタジオ撮影は、天候や気温に左右されることがないため、常に安定した状況で撮影を進行できるのが最大のメリットです。

特に、アパレル商品を扱っている場合、シーズンを考えなければならないため、撮影は、販売よりもずっと前に行う必要があります。一方、ロケ撮影の場合、冬場に春夏物の衣装の撮影をすることになるため、モデルさんは勿論、現場スタッフの負担がかかることになります。また、景色季節感がちぐはぐになってしまうというリスクもあります。

また、スタジオ撮影であれば衣装や小物のバリエーションを豊富に準備できます。仮に、コーディネートが思うようにいかない時も臨機応変に対応できることもメリットの一つになるでしょう。

一方、デメリットとしては、スタジオ撮影は、レンタルするための費用がかかります。また、ロケ撮影に比べるとやや堅く、形式的な雰囲気になりやすいため、撮りたい写真のコンセプトによっては不自然な雰囲気にならないよう注意が必要となります。

ロケ撮影

ロケ撮影のメリットは、自然光の下で撮影するため、ナチュラルな雰囲気や季節感を出しやすいことにあります。また、屋外での写真は、実際に商品を使っているシーンを想起しやすいのもポイントの一つと言えます。商品紹介の説明だけでなく、写真でイメージを伝えることでユーザーの購買意欲を高めることができます。

一方、ロケ撮影における最大のデメリットは、天候や気温に左右されてしまうことです。撮影スケジュールに余裕がない場合は、特に不向きと言えます。
また、通行人や看板の写り込みなどにも注意が必要です。商品を目立たせる上では、背景に余計な情報を入れないことが重要です。商品やモデルさん以外に目を引いてしまいそうなものが写り込まないように撮影するようにしなければなりません。

ポートレート撮影で背景を印象付ける方法

ポートレイト撮影において、商品を引き立てる上で背景はとても重要な存在です。商品の見やすさやイメージなども背景により大きく左右されるため、考えて撮影しなければなりません。

背景のイメージ

次の二つの写真を見比べてみてください。

上記とは反対に、ナチュラルな背景の場合はあたたかい印象を与えることができます。



背景の選び方は、どういった層(=最初に決めたターゲット)に向けて伝えたいか、着用する衣装に合うかなどを基準に決定していくと良いでしょう。

背景の色

背景の色から得る印象も大きいため、積極的に活用しましょう。
ただし、色や光の加減の好みは見る人によって異なります。どのような相手に発信するかも踏まえて考えてみてください。次に主な色が与える印象について説明していきますので、参考にしてみてください。

・白
通販撮影において定番の白背景。対象物がわかりやすく、商品をすっきりと見せることができます。背景によって余計な印象を与えたくない、商品だけをフィーチャーしたい場合などにおすすめです。

カラーの背景は反射によって商品の色味が実物と異なって見えることがあるため、色や素材感をより正確に伝えたい場合は白を選ぶといいでしょう。

真っ白の背景だとコントラストが強いと感じた場合は、ベージュやアイボリーなどを使うと柔らかい雰囲気になります。

・暖色系(赤、オレンジ、ピンクなど)
暖色はあたたかい印象を与えることができます。その中でも活発な印象を与える赤やオレンジは子供服やカジュアルな服に、女性らしいイメージのピンクはガーリーな女性服にうってつけです。

・寒色(青、緑など)
寒色はクールで爽やかな印象を与えることができます。ただし、寒色の中でも自然の木々を連想させる緑はナチュラルでリラックスしたイメージも与えてくれます。
柔らかい雰囲気を出したい場合は、パステルブルーやミントグリーンなどの淡い色合いを使ってみましょう。

ただし、同じ色味でも明度によって印象は異なります。シックな印象を与えたい場合や高価格な商品の場合は、ネイビーやモスグリーンといった明度の低い色を使って重厚感や高級感を演出するといいかもしれません。

ポートレート撮影で重要なライティングとは

ポートレート撮影で重要なライティングとは
同じ場所で同じものを撮影しても、ライティングによって印象は大きく変わります。基本のライティングや撮影場所ごとの注意点を見ていきましょう。

基本のライティング

本格的に撮影を行う場合は、やはりストロボ(光源)を用意するのがおすすめです。ストロボを使うことで「光」と「影」が生まれ、印象的でメリハリのある写真に仕上がります。

ライティングの基本として、「太陽は一つ」という言葉があるのをご存知でしょうか?
まずは、自然界と同じように光源(=太陽)は一つと考え、目立たせたい部分に光を当てるところから始めてみてください。

ストロボを増やすことで表現の幅は広がりますが、あちこちから光を当てると結局どこを目立たせたいのかが分からなくなってしまいます。多灯で撮影する場合も基本的には一つのストロボをメインに定め、他はあくまでフォローとして使いましょう。

屋内撮影の場合

撮影場所や状況によってライティングの方法も変える必要があります。
屋内撮影でのありがちな失敗としては、モデルさんの背景(壁)に大きな影ができてしまうこと。この場合、モデルさんに少し前に出てもらって壁との距離を調節しましょう。

モデルさんの顔や衣装に影ができてしまう場合は、もう一つのストロボで別の角度から光を当てる、あるいはレフ板を使って光を返してみてください。そうすることで明るさのバランスが取れ、被写体を綺麗に見せることができます。

屋外撮影の場合

屋外の場合は、自然光(太陽の光)をどう扱うかがポイントです。晴天や曇天、雲の流れなど、さまざまな条件によって光の強さや角度が変わるため、常に天候に気を配ってライティングを設定しなければなりません。
基本的には太陽の光をメインのライトに見立て、それを補う形でストロボを活用しましょう。

日差しが強い場合、順光(正面)で撮影するとモデルさんの顔にくっきりとした影ができてしまったり、まぶしそうな表情になりやすいため注意が必要です。

一般的なスナップ写真では逆光を避けることが多いと思いますが、ストロボやレフ板があれば問題ありません。逆光で顔が暗くなっても前や横からストロボを当てることで解決します。
逆光であればまぶしい表情にもならず、輪郭を美しく見せる効果もあるのでおすすめです。

ポートレート撮影時に気を付けたいポイント

背景やライティングが決まったら、いよいよポートレートの撮影を開始します。撮影時に気を付けたいポイントを押さえておきましょう。

アングル

ポートレート撮影時のアングル、つまりカメラの角度にも注意が必要です。特にカメラマンが男性の場合、普通にカメラを構えると女性モデルの目線よりも少し高い位置から撮ることになります。

上から撮ると頭でっかちでバランスが悪い印象を与えるため、やや低めにカメラを構えることを意識し、モデルさんや商品が綺麗に見える角度を探してみましょう。

被写体との距離

被写体との距離が近すぎると、高い位置でカメラを構えた時と同様にアンバランスな印象を与えてしまいます。適度な距離がある方がモデルさんの緊張も解れるため、より自然な表情を引き出しやすくなるかもしれません。

モデルさんへの指示の出し方

ポートレート撮影は、人物を撮る撮影です。そのため、モデルさんをリラックスさせた状態で撮るためには「コミュニケーション」も大切です。

特にナチュラルな雰囲気や明るいイメージの写真を撮りたい場合、撮影前から日常会話などでコミュニケーションを取っておくと場の雰囲気も良くなり、モデルさんの柔らかい表情を引き出すことができるでしょう。
より自然な表情を撮りたい時は、モデルさんにあえて目線を外してもらうのもおすすめです。

服の素材を生かすポートレート撮影のコツ

ポートレート撮影は、撮影方法を少し工夫することで、商品のディテールをより正確に伝えることができます。

柔らかい素材

女性服の場合、シフォンスカートやシャツワンピースなど、ひらひらとした素材のものがたくさんあります。そういった素材の時は、スカートがペタッとならないようにモデルさんに動いてもらいましょう。

動いているだけで裾がひらひらとして、スカートの見栄えや女性らしさがアップします。

上記の画像は、左が動いていない時、右が動いている時の比較です。右の方がスカートの裾に動きがあり、シルエットもふんわりとして見えますね。

透け感のある素材

女性服のブラウスなど、透け感のある素材の撮影に苦労している人も多いかもしれません。背景色が影響しないように白背景で撮ると、全体が光で白く飛んでしまって服の輪郭が分かりづらくなってしまうことも。

白背景で透け感をうまく表現したい場合は、正面からではなく後ろから光を当てましょう。後ろから光を当てることで服の輪郭が分かりやすくなります。逆光で正面が暗くなってしまう時は、さらに横から別のストロボで光を当ててみてください。

コーディネートがうまくいかない時のコツ

ポートレート撮影を行っている途中、想定と違ってどうしても似合わない・サイズが合わないといったトラブルは出てくると思います。そんな時も少しの工夫で見栄えを良くすることができます。

髪型や小物の組み合わせを変える

コーディネートがしっくりこない場合、髪型や小物の組み合わせを変更してみるのも一つの手です。

ロケ撮影で変更できる小物がない場合、着ている服や見せたいイメージにもよりますが、袖をまくる・トップスをボトムスにインもしくはアウトする・襟を抜く・襟を立てる等の工夫で「こなれ感」を演出すると、抜け感が出て見栄えが良くなるかもしれません。

ポージングと洋服のディテールにも注意

モデルさんのポージングに関しては、姿勢が悪くならないように気を付けた上で、服のイメージに合ったポージングを指示しましょう。かわいいシフォンスカートなのにあぐらをかいて座る、等はNGです。

撮影が終わったら写真をチェックし、洋服に目立ったシワがないか(特に気を付けたいのは座った時にできるシワです)、毛玉や汚れがないか等を確認してください。

クライアントがいる場合の注意点

クライアントさんがいる場合は、ファッション誌やWebサイトを参考にして、あらかじめ希望のコーディネートについて擦り合わせしておくことをおすすめします。
イメージをしっかり共有しておくことで、コーディネートがうまくいかない時でもスムーズに代替案を提示でき、相手にも受け入れてもらうことができると思います。

クライアントさんがいる場合、事前に商材を合わせて違和感がないかを確認しておくのは大事な作業です。確認後に必要な物の買い出しに行くことを想定し、撮影の約1週間前には確認作業を終えるといいでしょう。

これが何らかの事情で撮影直前の打ち合わせになり、いざ商材を見てみたら「組み合わせる洋服がない!」となった場合は大変です。そこから新たに手配することもできず、コーディネートの提案が難しい…というトラブルに発展しかねません。

そうならないためにも、やはりクライアントさんの協力が必要になります。撮影する絵型やサンプルを早めに送付してもらい、情報共有を図ることが重要です。

通販のポートレート撮影のコツまとめ

大まかではありますが、今回は通販に特化したポートレート撮影についてお話をさせていただきました。より良いポートレートを撮影するためには、見る側のことを意識するのはもちろん、モデルさんやクライアントさんとの意思疎通も必要になります。

ライフエスコートでは、どういった撮影を行いたいか、どういったコーディネートにしたいか等、お客様の希望を叶える豊富な知識を持ったスタッフが制作をサポートいたします。
その他にも各サイトの特色に精通した専門のスタッフがおりますので、ご興味を持った方はぜひお気軽にご相談ください。

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ABOUT US
多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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