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物撮りは難しい?ライティングや背景、商品撮影に必要な機材を解説します

カメラで物撮りをしたことはありますか?物撮りはECサイト運営者にとって必要な出品準備の1つです。物撮りの撮影方法には何があるのか、どんな機材を使って撮影すると写真(商品)の魅力を引き出せるかなど知りたい人も多いでしょう。

一例として、一眼レフやデジカメのレンズや画素の知識、ライティングのようにライトを使ったスタジオ(セット)設置での撮影、三脚やミラーなどの機材を活用した被写体を生かすテクニックなど、静止した物を撮影するだけでも知るべきことがたくさんあるでしょう。

今回は、初心者が知っておくべき基本的な撮影手法やカメラの機能、モデルや商品が映える構図にするための撮影時の工夫の仕方を紹介します。また、プロのカメラマンに依頼することで物撮りがさらによくなる理由についても解説します。

物撮りとは

物撮りとは
物撮りとは、食べ物や草花、楽器、陶器、家具・家電などの静物を写真におさめることです。一般的に、通販ショッピングやオークションへの出品、自社販売サイトの販売に使われる商品写真を撮影することを総じて「物撮り」と呼びます。近年は、ブログに掲載するために見た感じよい印象を与える写真を撮ったり、SNSでインスタ映えする画像をアップロードしたりするために、物撮りを積極的に行っているでしょう。

物撮りをする人が増えている背景としては、個人で手軽にカメラを使って撮影できるスマホや個人撮影用のデジタルカメラの普及が挙げられます。しっかりとした設備がなくても最低限の物撮りをするだけなら、見栄えが多少落ちても撮影はできます。そのため、上記のように業界以上に個人での需要が高まっているのです。

ちなみに、物撮りのことをカタカナで「ブツ撮り」、英語で「Still life photography」などと表記します。

イメージカットとプロダクトカットの違い

イメージカットとプロダクトカットの違い
物撮りによく使われる写真には、「イメージカット」と「プロダクトカット」の2種類があります。どちらが商品写真としてよいのではなく、状況や必要に応じて両方、あるいは片方を撮影すること。基本は両方を撮影し、商品の魅力を最大限伝える努力をするのです。ここでは、イメージカットとプロダクトカット特徴と重要性、それぞれの使い分けについて説明します。

イメージカット

イメージカットの特徴は、写真にその商品をイメージする重要な物を写します。

具体的には、

・商品の使い方や大きさがわかる
・どんなシチュエーションに関係するかがわかる
・それを使うことでどんな結果になるかがわかる など

写真を見ただけで「どんなシーンで必要かイメージできる」ことがわかるカットです。

例えば、櫛の商品は、一般的にまずセット内容を写真に撮りますが、それとは別にイメージカットとして、モデル(人間)が髪を梳く写真を撮影しておくことです。櫛のなめらかさや繊細さなどをイメージカットで表現することができます。撮影アングルや背景などとあわせて見せ方を工夫することで、イメージカットが出来上がります。

プロダクトカット

プロダクトカットとは、商品の色や形状、質感などを伝える写真のことです。

具体的には

・その商品が何かがわかる
・その商品の大きさやカラー・質感などがわかる
・パッケージのデザインや内容がわかる など

イメージカットとは異なり、商品の全体像(セット内容)を被写体として、ボリュームやスケールが分かるように撮影した写真のことです。プロダクトカットには、「切り抜き」と「角版」の2つがあり、商品画像としてどのように使うかで加工方法も変わります。

切り抜き

「切り抜き」では、プロダクトカットとして撮影する商品写真の被写体の輪郭を切り抜いて(トリミングして)背景の余白を使わない手法です。商品にピントを合わせて、余白のことはあまり考えずに撮影します。例えば、櫛を撮影すると持つ手や商品を置いたテーブルなども一緒に写真に写るでしょう。そこで、背景だけ輪郭にそってカットします。後は、写真を「切り抜き」として加工し、画像をショップやサイトにアップします。これが「切り抜き」です。

角版

「角版」は、商品本体と背景を撮影し、商品の中の一部だけ切り取って同じ写真の一部を別に表示する手法です。具体的には、櫛とヘアケアセットの箱に入った商品全体を撮影した後、櫛だけ切り抜いて正方形や長方形にし、それをプロダクトカットとします。角版に関連して、「丸版」と呼ばれる手法で丸い形状にくり抜いてプロダクトカットとする方法もあります。

物撮りに必要なアイテムや機材

物撮りに必要なアイテムや機材
ショップ運営者が自分で物撮りをするには、最低限、必要な機材を用意しなければなりません。そこで、物撮りに必要なアイテムや準備について紹介します。

カメラ・レンズ

ショップ運営者が自分で物撮りするとき、手軽なスマホやデジカメを使う人もいます。ところが、本格的な撮影で商品の魅力を引き出すには、多彩な撮影のできるレンズ交換可能なカメラ(ミラーレス一眼カメラ・デジタル一眼レフなど)を使用します。ズームレンズでピントをしっかり合わせて、ホワイトバランスなど光や色の加減を調整します。プロのカメラマンがいる撮影スタジオでは、撮影専用のカメラやレンズを用意してから物撮りを行います。

ズームレンズ

「ズームレンズ」は、一眼レフなどのカメラについているレンズのことです。ズームすることで撮影する被写体をよりくっきりと捉えて撮影できるメリットがあります。

単焦点レンズ

一方で、ズームできないレンズのことを「単焦点レンズ」と呼びます。自然にボヤケた感じを出せる、薄暗い場所などでもしっかりと撮影ができるなどのメリットがあります。

フラッシュ

物撮りをする時に大切なことは、光を全体に均等にまわして撮ることです。フラッシュはシャッターを切ったときに出る光のことです。のためには、ライティングが欠かせません。内臓カメラでも光は出せますが、角度の調整や光の量などを大きくするためには外付けのフラッシュを使用します。

内蔵フラッシュ

カメラに始めからついているフラッシュのことです。デジカメなどでは光を出す四角いものがカメラの端についていることがあり、そこから光が出ています。光の調節はカメラの中で行い、自動調節が可能です。ただし、光の量が少なく、本格的な撮影では不足します。

外付けのフラッシュ

外付けのフラッシュは、カメラ本体に追加する形で設置するフラッシュのことです。例として、一眼レフの上部に大きめのフラッシュ装置を取り付けるなどです。フラッシュ装置がカメラ本体ほどの大きさがあるケースも。首を回すことで外付けは角度を調整できるのが特徴です。撮影場所が外の場合、逆光に対しても被写体を鮮明にするために有効。初心者の場合、光の量を自動調節できる外付けのフラッシュを用意すると使いやすいでしょう。

三脚

三脚はカメラの位置や高さを固定するための撮影器具です。通常は、人物を写す時にカメラの撮影者がいなくても時間で自動撮影するために使います。最近のカメラはブレ防止機能が優秀なので、あまり手振れを気にすることはないと思いますが三脚で固定して撮影すると、手振れによる失敗が起こりにくくなります。

物撮りの場合は、主にブレを防いで、撮影ごとに高さや位置が変化しないようにする目的が大きいでしょう。スムーズな高さ調節のできるものがおすすめです。また、デジタル一眼レフのように重いカメラを固定しておくことで、持ったままよりも撮りやすくなります。三脚で固定することで水平を保つことができるので、傾きがないように撮る場合は使った方が良いでしょう。

ライトスタンド

ライトスタンドは撮影器具の1つです。外付けのフラッシュとは別にライトを取り付けるのに便利なスタンドのことです。ライティングのときに複数のライトスタンドの設置場所でカメラを使い分けて撮影するなど三脚は必ずといってよいほど必要になるとても有用な機材です。

レフ板・天板

レフ版は横や斜めから光を被写体に当てる役目のある機材です。ドラマの撮影などでもよくこのレフ版が使われているのでも知られる大きな反射用機材でしょう。また、天バン(天井バウンス)は、天井に白いレフ板のようなものを取り付けて、上に向けた光を対象に反射して明るくする機材のことです。

撮影小物

特に、イメージカット場合、その商品の魅力を引き立てたり使い道がひとめでわかるように、小物を使って撮影します。例えば、バッグの撮影でモデルを使った場合、バッグに合わせた洋服やアクセサリー・靴など、バッグのイメージに合うチョイスが必要です。
夏のかごバッグと冬のファーバッグでは季節もスタイルも違うように、商品によって多様なアイテムを用意するとよいでしょう。

物撮りで重要な5つのポイント

物撮りで重要な5つのポイント
物撮りには、撮影前に知っておくべきことがいくつかあります。撮影時には、何に気を配って、どんなことに注意して撮影を進めればよいのかなど、知っているのと知らないのでは天と地ほどの差があるでしょう。そこで、物撮り撮影で気をつける3つのポイントについて紹介します。

イメージカットとプロダクトカットを意識して撮る

撮影をする時は、前章でふれた「イメージカット」と「プロダクトカット」を意識して撮ることが大切です。ネットショップの場合、まずは商品そのものが写しだされている写真「プロダクトカット」が必要です。パッと見た瞬間は綺麗なカットでも、実際のカラーや質感が損なわれているものはプロダクトカットとはいえません。撮影でうまくカラーや質感などが出ない場合は、画像加工ソフトで実物に近づけていきましょう。そのあと、よりその商品の使い方や使っている様子が浮かぶイメージカットを撮るとよいでしょう。

見た人に商品全体と商品イメージをしっかり伝えられる

まずは、撮影に必要な場所や環境を用意しましょう。それには、商品サイズにあった撮影用の簡易スタジオを用意します。通販ショップで売るような商品の大きさなら、1辺0.5~1.5m程度のスタジオあれば十分です。

スタジオセットは通販やカメラ機材のお店でも売られています。しかし、そこまで費用をかけられないときは、壁際にテーブルや台を設置して、カラーシート(白・グレー)やカーテンなどをつかって背景をセットアップしましょう。基本はしろ一食で撮影するのが初心者の方にはおすすめです。撮影時はイメージカットとプロダクトカットを使い分けて物撮りを行います。

フラッシュやライティングを駆使する

撮影場所の明るさは、商品の印象にも影響を与えます。そこで、ライティングは「レフ版」や「天バン(天井バウンス)」を使い、光を反射させて商品をくっきりと見せるための工夫をしましょう。

明るい環境を用意したら、次にフラッシュを使い周囲の明かりで商品がぼやけないように、天バンとフラッシュの光を当てて撮影します。これだけで撮影した被写体が優しい光に包まれたような印象を与えて、写真でただ撮ったような不自然さがなくなります。ただし、雑貨などは太陽光で撮影したレフ版のみの方がよい味を出すこともあるので、天バンの利用は場合によりけりです。

ボケのない十分なピント調節

ピント調整は物撮りにとって欠かせない技術の1つです。感度がよいと質感や本物らしさが高まりますが、一方でピンと調節が大変になり、感度を下げたほうが初心者は上手く撮影できることもあります。大きな写真として撮影クオリティや画質にこだわる場合を除けば、高感度のカメラで撮影するよりもピントを重視したほうが上手く撮影できるのです。

アングルを変えるときに角度によってはピント調節が不十分となります。写真のゆがみが出ないようにするためには、三脚を使用して撮影位置を固定し、ピントが手の動きでずれないようにしましょう。

カメラの機能を使う

カメラにはたくさん機能がついているので全ての機能を使いこなすのは難しいのですが、撮影をする際に最低限使った方がいい機能とコツをご紹介します。

・オート設定で使わず、マニュアル設定にする
・商品によって、絞り・シャッタースピード・露出を変えてピントを合わす
・色味の調整にホワイトバランスをオートや蛍光灯など状況に応じて変える
・正確な形を撮るには、商品から離れてズームで撮影すること(近くで撮ると商品の形が歪みやすい)

物撮りはプロのカメラマンに依頼しよう

物撮りはプロのカメラマンに依頼しよう
これまで初心者向けの物撮りについて解説してきました。しかし、物撮りをプロのカメラマンにお願いすることで、写真の魅力が増し、売上げのアップやショップ経営の改善などが見込めます。そこで、プロのカメラマンに依頼するメリットについてまとめます。

仕上がりの違い

プロのカメラマンは素人が撮影するのとは違い、根本的にカメラの写し方が違います。例えば、基礎的な部分でパース感の違い、質感の表現(光質の使い分け)などが最も違ったりします。これにより、必然的に仕上がりに大きな違いが出ます。どれだけ、プロの写真に似せようとしても明確なプロのカメラマンの撮影技術には勝てないでしょう。イメージはできても想像した構図で上手く撮れない人も多いのです。以上、仕上がりに違いが出れば、当然ながら商品の売上げやアクセスにも差が出ます。長い目で見れば一時的に費用がかかってもプロのカメラマンに頼んだほうがメリットが大きいのです。

機材の準備

初心者が1から機材を準備するには、時間も知識も足りないことが多いでしょう。撮影機材を用意するために情報を集めて用意したにもかかわらず、上手く撮影できない、撮影がおざなりになって時間を無駄にした、なんてことも十分にありえます。そこで、機材をスタジオに準備してもらい、撮影に必要な物・機材をプロのカメラマン視点の話を聞いて用意するのです。撮影依頼には相談や見積もり時に具体的なことを決めるため、そこで希望する案を出していけば、必要な機材も自動的に決まります。

撮影を時間指定で頼める

撮影する商品が多い場合は、プロのカメラマンに依頼して時間単位で契約し、時間内で撮影を進める方法がよく使われます。この方法のメリットは、撮影商品単価では料金が厳しい場合でもたくさんの商品を一度の機会に撮影できるという点です。

レタッチを頼める

写真には、レタッチ(画像補正)のように後から修正や加工(トリミングなど)を加える場合があります。影を入れたり、逆に明るい色を足したりなど使い方はさまざまです。そこで、プロのカメラマンに撮影を依頼すると、専用のソフトなどで画像を加工できるレタッチを依頼できることがあるのです。必要に応じて、修正を加えたり、カラーのバランスを調整したり、トリミングしたりすれば、商品の見栄えもよくなるでしょう。

ネット通販の物撮り。ライフエスコートにご相談ください

今回は、ECサイト運営者向けの物撮り初心者に必要な商品撮影の機材について基本的な撮影技術や方法について説明しました。プロダクトカットとイメージカットの違いなど、意識的に使い分けることによって撮影の幅が広がります。

上記を理解していれば、自分で撮影をこなせます。たしかに、スマホ等のカメラが普及する中で、初心者でも簡単な物撮りで商品を撮影することは簡単です。

しかし、写真の世界は奥が深く、鮮明で綺麗な写真を撮影するには、プロのカメラマンが撮影するほうが上手に撮れます。撮影機材の準備やその手間を必要としないなど多くのメリットがあるのです。ネット通販の物撮りをどうしようか迷っている人は、株式会社ライフエスコートまでお気軽にお問い合わせください。

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ABOUT US
多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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