VMDの業務内容とは?アパレル系ECで必要なスキルVMDについて解説します

VMDの業務内容とは?アパレル系ECで必要なスキルVMDについて解説します

アパレル業界をはじめ、さまざまな業界で注目されているVMD。商品を見やすく、スムーズに購入できるような店舗を作ることが主なVMDの内容です。視覚的にアピールすることで消費者の購買を促し、売り上げ増加が期待できます。

しかし、「VMDという言葉はよく耳にするけど、詳しい内容分からない」という人も多いのでは?この記事では、アパレル業界などで人気のVMDの内容やメリット、ECサイトにおける効果をはじめ、VMDに効果的な資格などを総合的に解説してきます。

VMDとは?

VMDとは?

‟ビジュアルマーチャンダイジング(visual merchandising)“という言葉の略語である「VMD」。つまり視覚的にマーチャンダイジングを行うことを意味しています。

VMDの概念は1970年代にアメリカで誕生し、日本にも浸透していきました。VMDの意義とは、商品や店舗といった視覚的なファクターを、企業理念により演出することで、企業や店舗の独自性や他企業との違いをアピールすることです。

つまり、顧客目線で商品を見やすく、選びやすく、買いやすい売り場づくりをする仕組みや方法がVMDであり、企業やブランドの販売戦略やマーケティングの一環として行われます。特に、アパレル業界では多くの企業やブランドがVMDを取り入れています。

近年は、インターネットやスマートフォンなどの普及により、実店舗のみならずECサイトにおいても、VMDは重要化しています。ECサイトにおいてもVMDを取り入れることで視覚的演出や、視覚的に購入しやすくなり、収益増加を期待できます。

VMDのメリット

VMDのメリット

それでは、具体的なVMDのメリットをご紹介していきましょう。まず、VMDを理解することで、自社や自ブランドにおける競争力の強みが分かります。次に、売り場や陳列により、商品を視覚的にアピールすることで、商品知識を得るきっかけを作れます。

また、スタッフ全員が情報を共有することが可能となり、オペレーションにおいて無駄がなくなることもメリットです。

そのため、店舗運営や販売手法の構築に加えブランディングが可能となり、他企業、他ブランドとの差別化を図れます。さらに、販売の仕組みが構築され、売り場づくりの管理、改善を継続的に行えます。

VMDはECサイトにも有効

VMDを取り入れることは実店舗だけでなく、ECサイトにも有効です。まず、視覚に訴えるデザインや、フレーズなどをトップページに取り入れることで、顧客に関心を持たせます。

たとえば、企画・特集記事で、さらに顧客の興味を掻き立てることも重要です。企画・特集記事を読むことで商品購入を検討したり、リンクが貼られた他の記事を読んだりすることで、最終的に顧客のサイト滞在時間が長くなります。

また、商品を視覚的にカテゴライズすることも重要です。例えば、半袖Tシャツなら、トップス→半袖→Tシャツといった具合です。一目で分かりやすくカテゴリー分けしておけば、他の商品とも比較しやすいうえ、欲しい商品がすぐに見つかり、販売につながります。

VMDの3つの要素とは?

VMDの3つの要素とは?

VMDは主にVP、PP、IPの3つの要素で構成されています。ディスプレイや商品配置により顧客に購入を視覚的に促し、見やすく買いやすい売り場づくりには欠かせない手法です。

ここでは、VMDにおけるVP(ビジュアルプレゼンテーション)、PP(ポイントプレゼンテーション)、IP(アイテムプレゼンテーション)の役割について詳しく説明していきます。

VP<Visual Presentation>ビジュアルプレゼンテーション

VPは、ビジュアルプレゼンテーションの略語で、ブランドや店舗のコンセプトイメージ、ブランド全体のイメージのほか、季節ごとのイメージを顧客の視覚に訴えることが役割です。

VPでは、特にショーウインドウや店舗の入り口周辺のディスプレイに加え、配置による集客を意識します。顧客はVPを一目見て、店舗に立ち寄るかを判断するため、引き込まれるような演出が重要です。

そのため、アパレル業界では、最もブランドイメージやシーズンイメージを伝えやすいアイテムをショーウインドウのほか、店舗の入り口付近にレイアウトし、顧客の来店を促します。

ECサイトでは、LPといった顧客が最初に目にするページでVPが肝要となります。目に留まりやすいデザインや、視覚的にインパクトのある言葉で、顧客の関心を高めます。

PP<Point of Sales Presentation>ポイントオブセールスプレゼンテーション

PPはポイントオブセールスプレゼンテーションの略で、アイテムの中でも特におすすめの商品や、人気商品をピックアップして顧客の視覚に訴えることを示します。

入口のほかレジ周辺、陳列棚のサイド、店舗の四隅や中央といった顧客の目に留まりやすい場所におすすめ商品、ピックアップアイテムをディスプレイし、商品のプレゼンテーションを行います。

アイテムの着こなし並びに、コーディネイトなど、商品の特徴を視覚的にアピールします。具体的な例は、マネキンや売り場のシンボルとなるディスプレイです。PPによりVPをきっかけに店舗に訪れた顧客の回遊性を高め、滞在時間を延ばす効果も見込めます。

それぞれ売り場ごとのアイコンとなる商品ディスプレイがPPで、VPをタイトルとするならPPは見出し的な役割を担います。

また、ECサイトでは、LPを見た顧客がさらにアイテムに興味を持つような企画ページやコラムなどがPPに当たります。

IP<Item Presentation>アイテムプレゼンテーション

アイテムプレゼンテーションの略語がIPです。商品を手に見つけやすいだけでなく、手に取りやすくするためのディスプレイや陳列を行います。

似ている商品や同じカテゴリーのアイテムを集めることで、商品の分類を行い整理してレイアウトします。顧客が商品を比較しやすく、同時に欲しいアイテムを手に取りやすくする演出で、顧客の購買意欲を掻き立てることが目的です。

店舗内の最も広い範囲でIPは展開し、ほとんどの場合、棚やガラスケース、ハンガーラックなど什器を使用します。IPに成功することで、購入率の増加につながります。

なお、ECサイトにおいては、商品のカテゴリー分けがIPと言えます。具体的な例をあげると、ワンピースを購入したいときに、ワンピースのカテゴリーを表示するとさまざまなワンピースが表示されるといった具合です。

アイテムの検索を行うとき、カテゴリーを選択すると同じカテゴリー内のさまざまな商品が表示されれば、顧客は商品の比較や選択が簡単に行えます。

VMDとディスプレイの違い

VMDとディスプレイの違い

VMDとディスプレイは大まかにいえば、どちらも商品を陳列することで、違いがいまいちわからないという人も多いと思います。

VMDの考え方は、顧客の来店と購買を視覚的に促す手法です。一方、ディスプレイはVMDの考え方に基づいた方法で商品を並べることと言えます。つまり、VMDで顧客を呼び込み商品を買ってもらう方法を考え、その実際の考えをディスプレイによって具現化します。

単に商品を並べるディスプレイに対して、VMDでは顧客の動線や、視覚的に見やすさを意識し、ショップ全体を大きく捉えた演出を行います。

VMDを行う職種

VMDを行う職種

VMDを行う職種であるビジュアルマーチャンダイザーのことをVMDと呼ぶこともあります。ビジュアルマーチャンダイザーの仕事内容は、前述のVP・PP・IPなどにより、ショップ全体をプロデュースし、デザインする魅力的な店舗づくりを行います。

ショップやブランド全体のイメージを視覚的に演出し、購買率がアップにつながるディスプレイや商品レイアウトを考えるためには、ブランドや商品に対する深い知識と理解が必要です。

また、アパレル業界全体の流行や、時代のトレンドを把握することも欠かせません。さらに、什器やライティングなどの演出も必要となるため高い専門知識も求められます。

そのため、多くのアパレル系企業やファッションブランドで、VMD専任スタッフやVMDチームを組織的に取り入れています。 ビジュアルマーチャンダイザーのほかにも、ショップスタイリスト、ビジュアルコーディネイター、ディスプレイデコレーター、VMDディレクターといった職業もVMDを担う職種です。

VMDに適した人とは?

VMDに適した人とは?

それでは、どんな人がVMDに適しているのでしょうか。VMDに求められる人材や、VMDに適している人の特徴を詳しくお伝えしてきます。

特徴1.ブランドの強みや魅力を把握している

VMDは顧客にブランドの強みや魅力を視覚的に伝える仕事です。ショップに初めて訪れた人は視覚的にそのショップやブランドの世界観を目で見て感じ取るため、VMDはブランドやショップの魅力やイメージを正確に把握していることが重要です。

VMDを行うブランドや店舗に愛着があれば、自然とそのブランドの世界観を深く理解できるはずです。ブランディングや差別化を行うための、特徴や魅力を十分、意識して理解しておきましょう。

特徴2.コーディネイトが得意

アパレルショップや、アパレル系ECサイトで特に重要となるのが、コーディネイトのセンスです。どんなに魅力的なアイテムでも、センスが感じられないコーディネイトでは、PPを効果的に行うことはできません。

「この服装をしてみたい!」と思わせるようなコーディネイトをアピールすることがポイントです。そのため、コーディネイトの知識や、ファッションセンスを日ごろから身に着けるための情報や勉強が必要となります。

特徴3.ディスプレイやショップの内装に興味がある

デザインやディスプレイに興味があることも重要です。VMDはファッションコーディネイトを手掛けるだけではなく、店全体のデザインやディスプレイを行います。足を停めたくなるような美しく魅力的な店舗を作るためには、デザインの知識や美的センスが不可欠です。

また、店頭に置く商品の選定から配置、店舗の雰囲気づくりまで、総合的にショップを構築していくため、インテリアなどの知識がある人もVMDで活躍できるでしょう。

特徴4.流行に敏感

トレンドや流行に敏感なこともVMDに求められる要素のひとつです。ファッション業界では特に、流行やトレンドは目まぐるしく変化しています。また、近年ではSNSやさまざまなメディアにより、トレンドの情報をいち早く捉えている消費者も多い状況です。

流行遅れなVMDを行わないためにも、どんなアイテムが流行っているのか、時代の傾向をいち早く察知するなど、トレンドや流行には敏感になり、情報を常に更新していく努力が求められます。

特徴5.消費者目線で見られる

企業やブランド側がどんなにいい商品だと考えていても、消費者のニーズに合わなければ売れません。消費者目線で魅力的かどうかを冷静に判断することが重要です。

特にIPを行う際は、実際にショッピングする顧客の目線や動線を意識し、気持ちを理解することがポイントとなります。また、顧客のニーズや、マーケットの需要などに対する知識も必要です。

VMDになるには?

VMDになるには?

VMDは専門的な知識とセンスが必要となるやりがいのある仕事なので、VMDを目指したいという人も多いと思います。

第一に、VMDを目指すステップとして、実際にショップの販売員として働いてみるという方法があります。実際の店舗で、ディスプレイを並べたり、マネキンに服を着せたりといった作業を行うことでVMDとしてのセンスを磨けます。

VMDは実務経験が必要な職業なので、店舗でブランドや商品に対する知識やノウハウを身に着けることは、いい経験となります。

第二に、転職してVMDを目指す、という方法もあります。しかし、VMDに対する知識や経験が少ない場合や、ブランドやショップへの理解が足りない場合は、転職でVMDを目指すのは難しいかもしれません。

特別な資格がなくてもVMDになることは可能ですが、次の項でお伝えする「商品装飾展示技能検定」という資格を持っているとVMDで役立ちます。VMDを目指す転職にも有利となる資格です。

商品装飾展示技能検定とは

「商品装飾展示技能検定」はVMDに有効な国家資格検定です。VMDの考え方を基本として商品を視覚的にプレゼンテーションする専門家としての技能や知識を得られます。

この検定に合格すると、商品装飾展示技能士として認められます。知識や技能のレベルによって、1級・2級・3級と区分され、合格証書と技能者章が交付されます。

商品装飾展示技能検定で必要な知識

「商品装飾展示技能検定」ではVMDを行うための総合的な知識が求められます。内容はデザイン、什器、照明、色彩、ライフスタイル、安全衛生、関係する法規、商業施設など多岐に渡ります。

また、最も高度な知識とレベルが求められる1級商品装飾展示技能検定では、実技試験ではビジュアルプレゼンテーションのデザインや、一点透視図のイメージスケッチのスキルも必要です

効果的なVMDで売り上げアップを実現しましょう

VMDを取り入れれば、視覚的に商品や店舗の魅力をアピールするだけでなく、顧客の動線をコントロールすることも可能となり、売り上げアップにつながります。また、VMDは実店舗だけでなく、ECサイトにおいても有効な手法です。

消費者目線を意識したVMDの考え方を取り入れることで、より魅力的な店舗づくりも実現します。VP、PP、IPといった手法をECサイトにもぜひ取り入れて、顧客の目に留まるサイト作りの参考にしてみてください。

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