日本で最も認知度の高いインターネット・ショッピングモールの一つとして、楽天があります。
圧倒的な会員数を誇り、集客力も国内随一のECサイトと言えるでしょう。
しかし実際に楽天へ出店してみて、赤字となり退店するケースなど出店を後悔するショップも少なくありません。
そこで今回の記事では、楽天への出店を検討している方に向けて、出店のメリット・デメリットや注意点などを詳しくご紹介します。
目次
楽天への出店はいいことばかりではない?
楽天市場には約5万6千の様々なネットショップが出店しています。(※2022年3月時点)
この数字を見ると日本最大級のネットショップというだけあって、かなりの人気が伺えます。
しかし実際のところ、基本プランの1年契約で売り上げが伸びず、そのまま更新せずに退店してしまうショップも多いと言われています。
売り上げが伸びない要因は様々ですが、次にどのような要因が考えられるか、出店のメリット・デメリットを確認してみましょう。
参考:Rakuten.Today「数字で見る「楽天市場」25年の歩み」
https://rakuten.today/blog-ja/rakuten-ichiba-25years-2022-j.html?lang=ja
楽天に出店するメリット
まず始めに、楽天に出店する際のメリットについてご紹介します。
配送作業がかんたん
一つ目のメリットは、配送作業が簡単という点です。
楽天は他のECモールと比較して、配送作業が圧倒的に楽に行えます。
配送する際の送り状は、日付や時間指定を入力するなどの簡単なボタン操作で出すことができます。
送り状はプリンターを使って出しますが、その際自動的に送り状番号が登録されるため、例えば配送メールを送る際、番号を手打ちする手間が省け、配送作業が格段に効率よくなります。
電話サポートが充実
二つ目のメリットは、電話サポートが充実している点です。
他サイトだとサポート対応時間が短かったり、そもそもメールでの問い合わせがメインだったりしますが、楽天はどの時間帯にもカバーしています。
平日9時〜23時、土日祝日9時半〜18時半と休日でもサポート体制が整っていて、出店者が時間帯によらずいつでも電話で相談することができます。
このようなサービスの充実によって、作業が滞ることなくスムーズに進みやすくなると言えます。
専属アドバイザーがつく
三つ目のメリットは、専属アドバイザーがつくという点です。
楽天に出店すると、専任のECコンサルタントがつくため、ネットショップ施策に関する相談や、何かトラブルが起きた際のサポートなどを得ることができます。
多くのECサイトでは開設までのサポートのみで、いざ開設すると全くサポートがないという場合もあります。
しかし楽天であれば、例えば売れるページ作りのコツや商品の売り方など、出店後も色々なアドバイスをもらうことができます。
特にECサイト初出店の事業者にとってはとても心強いため、他にはない大きなメリットと言えるでしょう。
楽天大学で学べる
四つ目のメリットは、楽天大学で学べるという点です。
楽天大学とは、「売上げUPのコツ」が学べる動画講座のことで、集客・撮影・配送・メルマガなどのカテゴリ別に動画を通して学ぶことができます。
また、楽天では出店者向けの勉強会なども定期的に開かれており、多店舗との交流によって情報交換する機会も設けられています。
他業種の方との接点が普段ない方でも、楽天の勉強会によってコミュニケーションを取ることができ、参考になること間違いなしです。
このような無料で利用できるサービスが充実している点も、楽天の強みと言えるでしょう。
海外にも販売できる
五つ目のメリットは、海外にも販売できるという点です。
実は楽天では、追加費用なしで海外ユーザーにもアプローチすることができます。
例えば商品ページは自動で英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語の4カ国語に変換することができ、さらには送り状の作成にも対応可能となっています。
国内では少子高齢化が進み、消費量は減っていくことが予想されます。
またグローバル化が進んでいく中で、海外では人口増加によって消費量の拡大が見込まれる国も多くあります。
そのため、EC販売においても海外販売を視野に入れると売上向上に繋がるでしょう。
もちろん商材によっては海外ユーザーのニーズが少ないなど、ミスマッチがあるかもしれませんが、ぜひ楽天のシステムを利用し海外販売専用サイトを作成してみてください。
楽天に出店するデメリット
次に楽天に出店するデメリットについてご紹介します。
利益率が低くなる
一つ目のデメリットは、利益率が低くなるという点です。
楽天に出店すると、出店料などの月額固定費やロイヤリティー、送料などによってある程度利益は削られてしまいます。
例えば月額固定費はプランによって出店料が異なりますが、1番値段の低いプランであっても月々1万9500円かかります。
それに加えて、初回出店時には登録費用として6万円の経費がかかるなど、固定費に関しては予め考慮する必要があります。
ただし、楽天は売れば売るほどロイヤリティーは低くなります。
また経費以上の充実したサポートのようなメリットがあることも多いため、諸経費のみで出店先を検討することはお勧めしません。
競合が多く上位表示されない
二つ目のデメリットは、競合が多く上位表示されないという点です。
先述の通り、楽天には約5万6千ものショップが出店していて、その分ライバルショップも多いと言えます。
そして競合が多いと、楽天サイト内の検索サーチが埋め尽くされてしまい、自社の商品が上位表示されないケースも多くあります。
そのため、出店を検討している段階で事前に自社の扱う商材が、楽天内にどれだけあるのかを確認し、競合を調査しておくことが重要です。
事前調査を行う際には、他社が商品をどのくらいの価格設定で販売しているか等も確認できると良いでしょう。
万一自社では到底太刀打ちできないような価格で販売していたら、売上向上は見込めないため、他のショップを検討するのが良いでしょう。
ただし、安価で販売している際、ショップへのアクセスを集めるための集客目的でその商品を値引きしているというケースもあります。
ぜひ1つの商品のみならず、競合を見つけたらショップ全体の傾向や価格設定を見てみるようにしましょう。
楽天の指示に従わなくてはならない
三つ目のデメリットは、楽天の指示に従わなくてはならないという点です。
これは他のECモールにも同じようなことが言えますが、独自のルールに縛られ融通が効かないということがあります。
例えば、システム料の変更・銀行振り込みの受け取り口座が楽天銀行以外使用不可などが挙げられ、デメリットの一つと言えます。
データをすべて見ることができない
四つ目のデメリットはデータをすべて見ることができないという点です。
マーケティングにおいて例えばコンバージョン率を測定・分析し、売上アップのための施策を考えるなど、データ活用が重要視されてきています。
楽天ではアクセス解析や流入キーワードを調べることはできますが、コンバージョンまでは測定することができません。
そのため徹底的にデータ分析をしてマーケティングに力を入れたいという方には、やや物足りないかもしれません。
客単価や客層が低くなる傾向
五つ目のデメリットは、客単価や客層が低くなる傾向があるという点です。
楽天のような大手ECモールは若い世代のユーザーも多く、商品の質よりも値段の安い商品を求める傾向にあります。
そのため、値段を下げないと上手く売れなかったり、また商品価格を下げることで客単価が下がってしまう可能性があります。
楽天アドバイザーが営業をかけてくる
六つ目のデメリットは、楽天アドバイザーが営業をかけてくるということです。
先述の通り、楽天では出店すると各店舗にアドバイザーがつきますが、中には巧みな話術で営業をかけてくる担当者もいます。
全てのアドバイスを鵜呑みにして、広告をたくさん出したけれど全く売上が伸びなかったというケースも実際にあります。
そのため、一概にデメリットとは言えませんが、アドバイザーからの提案は一旦落ち着いてから検討するようにしてみましょう。
楽天に出店して後悔しないためにできること
最後に、楽天に出店して後悔しないためにできることを3つご紹介します。
広告を上手に使う
一つ目は、広告を上手に使うということです。
楽天には様々な種類の広告が用意されています。
代表的な広告の一つに、イベント広告があります。
「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」のようなキャンペーンが開催される際に、楽天サイト内に自社商品の広告を掲載するものです。
確かに広告出稿費は高く、売上があまり伸びないと赤字になってしまうケースもあります。
しかし、広告は即効性があるとは言い切れず、そのまま実績に反映するとも限りません。
一回目の広告で赤字になったとしても、何度か繰り返し広告を出すことで徐々に売り上げを拡大できるのが楽天の仕組みです。
また広告はブランドの知名度アップに繋がる重要な機会であるため、ぜひ積極的に広告を活用するようにしましょう。
モバイル対策をする
二つ目は、モバイル対策をするということです。
近年 PCなどの電子機器よりもモバイルでインターネットを利用するユーザーが多くいます。
そしてECモールの利用においても、スマートフォンなどから商品購入するユーザーが多いため、ページをモバイル画面を優先して作成することをおすすめします。
例えば、PCで商品紹介文を打ち込んでいるとどうしても長文で、改行の多い文章となってしまいます。
すると、モバイルユーザーが一目でどんな情報が書かれているのか把握しにくく、見た目も良くないページとなります。
楽天に出店する際は、多くのユーザーがスマートフォン利用であることを念頭に置き、モバイル用画面作成の管理画面からページ作成するようにしましょう。
競合に勝つには送料を安くする
三つ目は、競合に勝つには送料を安くするということです。
やはり楽天に訪れる客層は、価格を最も重視する傾向にあります。
さらに買う側にとって、1番の決め手となるポイントが「送料の安さ」です。
商品内容や価格などの条件が一致している場合、最後に考慮されるのは送料です。
そのため競合に勝って売上を伸ばしていくには、送料をできる限り安くすることが必要です。
具体的な方法としては、契約する運送会社と交渉することや、ユーザーにとってメリットのあるサービスを提示することなどが挙げられます。
しかし運送会社との交渉で送料を下げることは中々難しく現実的ではないため、いかにお客様に「お手頃感」を感じてもらえるかが大切です。
例えば「1万円以上で送料無料」のようなサービスはどの店舗においても効果的であり、送料無料のためにわざわざ多めに購入するユーザーもいます。
このように送料はお客様にとって非常に重要なポイントであるため、戦略的に送料を決めるようにしましょう。
ライフエスコートの「楽天コンサル&運用サービス」とは
株式会社ライフエスコートでは、「楽天コンサル&運用サービス」を展開しています。楽天運用担当者が抱える課題、問題を洗い出し、具体的に解決していきます。
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22年間コンサルティングをしてきた中で実際にこういったお悩みを毎日のように聞いてきました。売上総流通金額累計1,000億円以上を作ってきた私たちの22年蓄積したノウハウを最大限活かし、EC運営担当者の悩みを具体的に解消しています。
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まとめ
今回の記事では、楽天への出店におけるメリット・デメリットや、後悔しないための重要なポイントについて解説しました。
他のECモールよりも圧倒的に集客力があり、売れやすく感じる楽天ですが、実際出店するとデメリットに感じることも多くあります。
ぜひ今回の記事を参考にしながら、どのECサイトに出店するか慎重に検討してみてください。
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