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SKUプロジェクトはいつから始まる?変更ポイントや注意点について解説

楽天ではユーザーのさらなる利便性の向上を目的に「SKUプロジェクト」というものが始まります。

SKUプロジェクトは、楽天で商品を出品する多くのEC事業者に対応が求められる変更の1つです。そのため、事前にどういった特徴があって、どのような対応が必要かについて知っておくことが大切です。

本記事では、SKUプロジェクトの概要や変更のポイント、対応する際の注意点などについて解説します。

SKUプロジェクトとは

楽天のSKUプロジェクトは、楽天市場が商品の単位を「SKU」に変更することを指します。SKUとは、一般的に倉庫管理などで使用されている在庫商品(ロット)の最小単位です。例えば、カラーが白と黒だった場合、2SKUという単位が採用されます。これを楽天の商品登録に適用し、顧客の利便性を高めるのが目的です。

そこで、SKU対応をベースにした商品登録が必要となります。これまでは、単位が「SKU」ではなかったため、商品名とバリエーションの登録が別々にする必要があったのです。価格が違えばそれぞれで登録して商品を販売していたのです。

しかし、SKUプロジェクトに移行することで、「SKU」を単位に同じページ内にまとめて別のバリエーションの商品を登録することが今後は可能です。

▼そもそもSKUとは何かを知りたい方はこちら!

SKUプロジェクトは2023年4月よりスタート

SKUプロジェクトは、2023年4月より全店舗を対象にして順次スタートすることが決まっています。全体のスケジュールとしては、2022年の12月までに移行時期を2ヶ月幅で決定し、翌年の2023年1~3月に移行時期・移行日を決定、2023年4月から移行が始まります。

現在、2023年の5月ですから、すでに2023年3月までに移行日が決定し、事業者(出店店舗)へはRMSの通知によって知らされているのです。今後、出品するEC事業者はSKUプロジェクトに対応するかを決める必要があります。

SKUプロジェクトで変わるポイント

SKUプロジェクトでは、以下の3つのポイントが変更となります。

商品を選ぶ際に価格や色の比較が容易になる

まず、SKUプロジェクトに移行することで、楽天市場のユーザーは商品を選ぶ際に価格や色の比較が容易になります。

以前は、価格が異なっていた場合、同じ商品でもページが別(商品番号を変えて登録する)という商品登録の方法が採用されていたのです。これにより、色違いを比べるときにページを何度も行き来する必要がありました。

しかし、価格が異なっていてもSKUプロジェクトでは同じページに掲載できます。そのため、色違いやサイズの違いで価格の異なる商品でも、同じ商品としてユーザーが手間なく見比べられるのです。

検索結果が見やすくなる

楽天市場の検索機能は、以前まで商品の単位(重量・容量・サイズ)によってページが分かれており、ページごとに表示されていました。つまり、同じ商品ラベルであっても異なる商品として検索で表示されていたのです。そのため、出品元が同じにもかかわらず、サイズ違いが検索欄を埋め尽くして、他の商品を探しにくいという状態が続いていたのです。

しかし、SKUプロジェクトに移行することで、検索結果がコンパクトになり、同じ商品で重量・容量・サイズが異なっていても単位がSKUに統一されます。例えば、炭酸飲料の1L商品なら、500mlや2Lのバリエーションを含めた検索結果が並び、商品詳細のクリックから別サイズを選べるようになるのです。これにより、目当ての商品アイテムが探しやすくなるのです。

売上や商品レビューが集約する

以上の2点は主にユーザー満足度を高める点を挙げていますが、事業者にとっても満足度以外の大きな利点があります。それは、売上や商品レビューが1つのページに集約することです。

これまでは商品ページごとにレビューが蓄積していても商品によってはレビューにばらつきがあったのです。しかし、SKUプロジェクトに移行して商品のページがSKU単位で管理するようになれば、異なるサイズ・価格の別ページだった商品が、1つに集約され、売上や商品レビューをまとめることができます。

SKUプロジェクトに移行すると管理方法はどう変わる?

SKUプロジェクトに移行した後は、商品の管理方法が以下の3つの視点から変更となります。

商品登録ページ

SKUプロジェクトでは、商品登録ページに次の追加項目が新たに実装されます。

  • SKU管理番号
  • SKU倉庫指定
  • システム連携用SKU番号
  • 商品属性

これにより、管理番号や倉庫番号も設定できます。そして、基本は商品登録の管理番号があり、そこに「バリエーション設定」する項目が下部に表示されます。画像に関しても「SKU画像」の設定が必要です。

商品を1つに集約することになるため、ページは1つを残して他のページは削除するか倉庫指定となります。これについては、出店しているEC事業者が各自で判断し、独自に決めることが求められるのです。

ランキング

楽天市場の中には商品のランキングが存在しており、集客においてランキングは大きな意味をもちます。それがSKUプロジェクトの移行で変化するため、管理する側もランキングの変化について事前に押さえておくことが大事です。

まず、ランキングはページ数でそれぞれに順位がついているため、間違いなくSKUプロジェクトの移行で影響を受けます。例えば、ランキング上位の商品をSKU単位でページをまとめていた場合、元のページが上位ならそのままランキングを引き継ぎます。逆に、上位ではないページの引き継ぎは不明となっています。

ここで重要となるのが、1ページに集約した際に、その順位が今後も続けられるのかどうかです。特に売上実績は引き継がないケースもあるため、今後の順位に大きな動きがあることも考えられます。

レビュー

楽天市場では、商品を購入する際にレビューをチェックして参考にするユーザーが多くいます。SKUプロジェクトに移行することで、レビューはSKU対応するように表示が変化します。

具体的には、過去のレビューは失われず、引き続きレビューとして1つのページで表示されることです。ようするに、異なるサイズやカラーでも、同じ商品に関するレビューは1商品でまとめられます。

ただし、全てがまぜこぜになるのではなく、閲覧時に特定のSKU(サイズやカラー)に関するレビューであることが明示される仕組みが用意されています。ちなみに、レビューを移すには、「レビュー移管の申請マニュアル」に基づいてRMSから申請することが必須です。移管する場合の条件もすでに決まっているため、事前に問い合わせをして疑問点などを解消しておきましょう。

SKUプロジェクトへの対応でショップがするべきこと

SKUプロジェクトが移行を開始した場合、出店しているECの事業者は、対応を迫られます。すべきことの具体的な事柄については、以下の3つがショップ対応の基本となります。

SKU画像を登録する

まずは、SKU画像を改めて登録する作業を行うことです。SKUプロジェクトでは、商品のアイキャッチ画像がSKU単位で検索結果に載るため、画像にもSKU画像を使用する必要があります。

特に最初に登録する画像はガイドラインに沿ったものを準備することが不可欠です。SKUプロジェクトの移行でガイドライン自体は変更していませんが、SKU画像として適合するものを新たに用意する必要もでてくるでしょう。

また、画像撮影はこれまでと同様に商品の魅力を引き出すだけでなく、返品などのトラブルが起きないように商品の実物を十分にイメージできるものを選ぶことが大切です。

タグIDと商品属性を見直す

SKUプロジェクトに移行した場合、属性番号(タグID)ではなく、カラーやブランド名での「商品属性」を設定して表示するようにする形に変わります。そのため、タグIDから商品属性を改めて設定する必要があります。

タグIDは9桁の番号で、商品ディレクトリとは別に設定することができたものです。しかし、このタグIDは必須ではなかったため、商品属性の必須入力項目ができたことで、改めて変更するケースもでてくるでしょう。

もちろん、タグIDはそれぞれ必須と任意のケースがあるため、事前に確認が必要です。

ツールの導入も検討を

SKUプロジェクトへの対応をする場合、商品管理が複雑化することも想定されます。そこで、ツールの導入を検討することも1つの方法です。

手動でタグを管理していたショップがツールを使うことで、効率的に商品単位やタグを管理ができるようになります。SKU単位にも対応しやすくなるでしょう。

SKUプロジェクトへの移行で注意したいこと

SKUプロジェクトへの移行は、最終的に顧客満足度を高めて、商品出品の運用効率も向上します。しかし、移行期間の際は以下の点に注意が必要です。

問い合わせが増える可能性

SKUプロジェクトへの移行は、EC事業者が手探りで変更するケースもあるため、ページの表示結果が変わることもあります。また、SKUプロジェクトと一口にいっても事業者ごとに管理方法が違う場合では、起きるトラブルも変わってくることが想定できるのです。

したがって、SKUプロジェクトへの移行時にトラブル対応するための対策をいくつか用意してから取り組むのが最善でしょう。

SKU管理にリソースが必要に

SKUプロジェクトへの移行は、楽天側の表示システム変更というだけでなく、これまで説明したようにEC事業者側の作業も発生します。SKUによる商品管理に変更するための画像の用意や再登録作業、商品情報の変更などです。

これには作業者側のリソースが必要になり、対応にはそれなりの費用や人員を動かすことが求められます。SKU管理に変更する場合は、対応するのにかかるリソースの用意もしておきましょう。

楽天SEOのアルゴリズムが変わる可能性

楽天SKUは多くの商品ページが変更になるため、商品検索した際の楽天SEOのアルゴリズムにも変化が生じる可能性があります。アルゴリズムは、少し変化するだけで、これまでの上位を維持できなくなったり、意外な商品が上位になったりすることがありえます。

これに対して楽天がどのような対応をするのかはまだ不明な段階のため、今後の情報を注視しておきましょう。

強制ではないが対応したほうがいい

楽天としては、SKUプロジェクトが強制でなくても、顧客の利便性を高めるためにSKUプロジェクトに参加してほしいと考えています。

実際、楽天側は今回の移行で、SKUを単位にしていることが配送品質を示す優良な事業者である条件となります。優良マーク「楽天配送認定ラベル(仮称)」を取得したい場合、検索や表示で有利になることからも、集客にこだわりたいならSKU移行への対応は必須です。

また、検索アルゴリズムが変化し、いま上位表示の状態にある商品が急に表示されないといったリスクもあるので要注意です。

まとめ

今回は、楽天のSKUプロジェクトについて開始時期や変更ポイント、注意点などについて取り上げました。

SKUプロジェクトへの移行は、商品管理やランキング、レビューなど楽天のシステムのさまざまな部分に変更が加わります。出品管理者はSKU画像や商品属性に対応して、リソースを確保しながら計画的に移行を進める必要があります。

自社だけで対応できないという場合は、プロに依頼することも検討しましょう。

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ABOUT US
多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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