ネットショップを運営するにあたり、取り扱う商品数が気になるという声をよく聞きます。特にショップ運営を始めて間もないころは、売り上げアップのために商品数を増やすべきか迷ってしまう方も少なくないでしょう。
では実際のところ、取り扱い商品数は増やすべきなのでしょうか?
本記事では、ECサイトで売上を上げるために商品数は重要な要因なのかどうか、そして無理なく商品ラインアップを増やす秘訣について、わかりやすく解説します。商品数についてお悩みの方はぜひ参考にしてください!
目次
ECサイトの商品数は多い方が良いのか
ECサイトの商品数は多い方が良いのかどうかという疑問についてですが、結論から言ってしまうと、「全てのショップが商品数を増やせばよいわけではない」ということになります。
夢がない答えですが、ECサイトでは商品数が多いほうが有利な点もありますし、不利な点もあります。メリット、デメリットを踏まえた上で、自社でどちらの戦略を取るかを選択するのが確実な方法です。
具体的に、商品数を増やすと有利な点、不利な点をそれぞれ挙げてみます。
【有利な点】商品を購入してもらえるチャンスが増える
商品数が増えれば、それだけユーザーのほしいものに該当する確率が上がります。スニーカーを探しているユーザーにとって、商品数が10点しかないショップよりも、100点の商品を揃えるショップのほうが自分のほしい商品を見つける可能性が高くなります。
【不利な点】特徴を出しにくい/在庫リスクが増える
商品を100点揃えているショップは、あれもこれも取り扱っているぶん、ショップとしての特徴を前面に打ち出しにくくなります。品揃えが多いことは強みですが、他に同じ商品を安く販売している競合店があれば、ユーザーはそちらに流れていってしまうでしょう。
一方、商品数10点のスニーカーショップが、「スニーカーの専門家が厳選した10足だけを扱うショップ」や「大きいサイズ専門のスニーカーショップ」「左右で違うサイズの商品を購入できるショップ」だとしたらどうでしょうか?
ニッチ商品を扱うショップは商品数が少なかったとしてもファンを獲得しやすく、「スニーカーを買うならこのショップで!」と感じてもらいやすくなります。
また、商品数が多いショップは、在庫数が増えてしまうことも不利な点です。ショップの売上の80%は商品全体の20%から上げられると言われています。
つまり残りの80%の商品はロングテール商品となり、うまく販売できないと在庫として残ってしまう可能性が高くなります。そのため、取り扱い商品数を増やせば万事OKとは言い切れません。
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なぜ、品揃えや商品ラインアップが多い方が良いのか
前項で商品数を増やすメリット、デメリットを挙げたとおり、いたずらに商品数を増やすのは、在庫管理の問題から小規模なショップにはおすすめできません。
しかし、第三の選択肢として「商品数は増やさずに、品揃えを増やす」方法があります。品揃えとは、商品を用意することで、ラインアップもほぼ同義です。品揃え=商品ページと言い換えることもできるでしょう。
ECサイトの場合は、同一商品であっても、セット商品にする、期間限定で特典をつけるなどの方法で見た目の品揃えを増やすことが可能です。このように品揃えを増やすことで、商品数を増やすのと同じような恩恵を受けることができます。
ここでは、なぜ品揃えが多いと良いのか、3つの理由を紹介します。
ユーザーが欲しい商品を見つけられる可能性が高い
前項で商品数を増やすと良い点を挙げましたが、同じ理由です。商品の品揃えが豊富だと、Webサイトを訪問したユーザーが自分の気に入った商品を見つけられる確率が高くなります。
SEO的に有利
品揃えが多いと、それだけWebページの数(=コンテンツ数)が増えます。コンテンツ数が多いと、2つの面でSEO的に有利です。
まず、ページ数が多いサイトほどGoogleのクローラーに評価されやすくなります。「スニーカー 疲れない」をキーワードにSEO対策を行う場合、キーワードに合致した商品ページが多いほうが、コンテンツが豊富だと認識されるためです。
ただ注意したいのは、コンテンツの質が低いと、逆にSEO的にマイナスになる場合がある点です。たとえば品名だけが違って中身がほとんど同じようなページを大量生産すると、低品質なページだと判断され評価が下がる可能性があります。
低品質なページが含まれるサイトのランクを下げる処理はパンダアップデートと呼ばれ、Googleのアルゴリズムの中に組み込まれて定期的に実施されています。
次に、ページ数が多いと、それだけ検索エンジン経由の流入数が増えます。そのため品揃えを増やしてページ数を増やすことはSEO対策としても重要です。ただこちらもコンテンツの質が低いとせっかくページ数を増やしても逆効果になる場合があります。
同じような説明をコピーしたページを量産するのではなく、それぞれの商品をきちんと説明する「中身のある」ページを作るよう心がけましょう。
クロスセル・アップセルが期待できる
ECサイトでは、多くの商品ページで、「よく一緒に購入されている商品」や「気に入るかもしれないおすすめのアイテム」が表示されています。Amazonでレコメンド商品を目にした人も多いかと思います。これは購入商品と一緒に別の商品も買ってもらうことを期待した施策です。
クロスセルとは、ユーザーが本来購入しようと考えている商品とは別の商品を提案して、一緒に購入してもらうことです。アップセルとは、ユーザーが本来購入しようと考えている商品と同じカテゴリで、より高価なものを提案して購入してもらうことを指します。いわゆる「合わせ買い」のことです。
品揃えが多いと、それだけユーザーの選択肢が増え、クロスセル、アップセルが起こりやすくなります。ECサイトの場合は送料が発生するため、ユーザー側でもある程度まとめ買いをしたいというニーズがあります。
「〇円以上であれば送料無料」のような送料無料ラインを設定しておくと、単価が安い商品を選んだユーザーは、送料無料ラインを超えるために他の商品を選ぼうとする気持ちが強くなるため、品揃えが多いと有利になります。
ECサイトで品揃えを増やす工夫
それでは、ECサイトで品揃えを増やすためには、どのような取り組みをすればよいでしょうか。ここでは、商品を増やす方法のほか、工夫して商品数は増やさず品揃えを増やす方法を紹介します。
「ついで買い」「あわせ買い」になる商品を作る
目的の商品と関連性が高い商品は購入されやすいものです。そのためクロスセル・アップセルを誘発しやすい商品を用意するのは良い方法です。
コスメであれば、マニュキュアとリムーバー、口紅とリップブラシ、ポイントメイク落としなど、「あ、これも一緒に買っておくと便利だな」と思ってもらえそうな商品を用意するのがポイントです。
商品のセット数を変える
同じ商品であっても、別の商品と組み合わせたセット商品にすることで品揃えを増やすことができます。見た目の品揃えを増やす方法として有効な方法です。
また2個セット、5個セットなど複数個をセットにして割り引くことで、品揃えを増やしながらユーザーにお得感をアピールすることも可能です。
実店舗の実績を活かす
ECサイトを開設して間もない場合は、なかなか売上分析などもできずに販売傾向を掴めないものです。もしリアル店舗を持つECサイトであれば、店舗で売れ筋の商品をECサイトで取り扱うのがおすすめです。
いくら品揃えを増やしても、売れれなくては意味がありません。売れ筋商品を揃えることで、在庫リスクを減らすことができます。
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ECサイトで品揃えを増やす注意点
ここでは、ECサイトで品ぞろえを増やす際に気を付けたい点を紹介します。
在庫管理が大変になる
取り扱う商品数を増やすと、在庫数も増えます。売れ筋商品ばかりではないため、在庫数が増えると管理の手間や倉庫の管理が大変になります。倉庫管理を外注している場合には、在庫が増えるとそれだけコストが余分にかかります。
商品登録の手間がかかる
品揃えを増やすと、それだけ商品ページを作成する手間がかかります。写真や説明文などは使いまわさないようにするのが望ましいため、スタッフの作業負担が増えることを考慮する必要があります。
なお、既存ページをコピーして商品ページを用意することも可能ですが、前述のとおり質が低いコンテンツだとGoogleから判断された場合、Webサイト全体が低評価を受けるリスクがあります。
商品数が少なくても売上アップするコツ
商品数、品揃えを増やすのはメリットとデメリットの両方があることを紹介しました。では、あえて商品数を少なくする選択をした場合、どのように売上アップを目指せばよいのでしょうか。ここでは、取り扱う商品数が少なくても売上を伸ばすためのポイントを3つ紹介します。
【ポイント①】ある商品ページの作り込みをする
ECサイトにとって商品ページは、訪問者に対して商品の魅力をアピールする非常に重要な手段です。特に商品数が少ないショップの場合は、ひとつひとつの商品ページを作りこむことで売上アップが期待できます。
方法としては、商品名を目につきやすい位置に配置する、スペックを細かく掲載する、配送・返品・決済情報を記載する、といった基本的な対策のほか、商品写真を充実させる、利用者の声を掲載する、といった対策が考えられます。ユーザーがほしい情報は何かを意識しながら、丁寧にページを作りこむのがよいでしょう。
【ポイント②】入口商品を明確にする
ECサイトでは、入口商品(フロントエンド商品)と呼ばれる商品が存在します。これは、ショップを訪問したユーザーの目を惹きやすく、もっともおすすめする商品を指します。目玉商品という言い方もできます。利益率を低くしてお得感を出した商品などが該当します。
健康食品やコスメなど、初回限定で大幅な割引がされた商品は、入口商品の代表例です。ショップにとって入口商品は、ユーザーを獲得するための大事な手段です。たとえそこからの利益が少なくても、多くの顧客を獲得することでリピーターになってもらったり、他の商品をついで買いしてもらったりして利益を得るしくみです。
商品数が少ない場合は、入口商品を明確にして効率よく顧客を増やし、そのほかの商品(ロングテール商品)へと誘導するような流れを作り出すようにします。つまり、コンテンツ数で不足している流入分を、入口商品ページへの流入で補うかたちです。
ポイントは、入口商品と同時にロングテール商品もきちんとアピールすることです。入口商品に購入が偏ってしまうと、利益が少ないため赤字になりやすくなるためです。
【ポイント③】ブログやメディアなどで商品を紹介する(紹介してもらう)
商品ページを増やさなくても、コンテンツ数を増やす方法はあります。コンテンツマーケティングの手法に通じるものがありますが、自社ブログで商品の使い方や特徴などを説明することで、商品ページを増やすのと同様の効果が得られます。
商品ページを増やすよりも、ブログやメディアで商品を紹介するほうが内容を充実させやすく、また上手に作ることで商品購入目的でないユーザーの目に触れる可能性も高まるため、おすすめの方法です。
手軽に始めたい場合は、InstagramなどのSNSでの情報発信やnoteへ投稿するのもよいでしょう。少し制作ハードルは上がりますが、YouTubeに動画を投稿すると集客に効果がある上、ショップの商品紹介ページに載せることもできるので一石二鳥です。
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ECの商品に関するご相談承ります
商品の品揃えが多いショップは、それだけで「このショップであればほしい商品がみつかるかも」というユーザーからの期待を得られ、SEO的にも効果が見込めます。商品そのものを増やすことは難しくても、工夫しだいで品揃えを増やすことが可能なため、悪くない方法です。
ポイントは、「ユーザーから見て品揃えが多く見えること」と「クローラーから見て、コンテンツが多く見えること」です。上手に見せることで、流入数増加や売上アップが期待できますが、やみくもに似た商品ページを量産すると逆効果になる可能性があるため注意しましょう。
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