EC需要の高まりに伴い、日常的にオンラインショップを利用するユーザーは増加傾向にあります。以前よりも新規顧客の獲得や売上を増やしていく機会に恵まれるようになりましたが、さらにチャンスをものにする上で大切なのが、ブラックフライデーのようなイベントセールの活用です。
ブラックフライデーは年に1回しか開催されない貴重なイベントですが、その分買い手と売り手の両方の熱量が高く、無視できないイベントと言えます。
この記事では、そんなブラックフライデーというイベントの特徴や、ECビジネスに有効活用するための対策方法、集客の工夫のアプローチについて、紹介します。
目次
ブラックフライデーとは?
ブラックフライデーは、アメリカの祝日である感謝祭(11月の第4金曜日)の翌日の金曜日を指す言葉です。元々は感謝祭に送るプレゼントの残り物や、それに合わせた店舗在庫の処分セールが開催されていたことに由来するイベントですが、今では年に一度の大安売りが開催される、国民行事となっています。
ブラックフライデーの文化は日本にも浸透しており、11月下旬に差し掛かると、各店舗で大安売りが開催されます。アメリカほどではないものの、各店で値下げセールが行われている様子がうかがえます。
最近では各ECサイトでもブラックフライデーが広く開催されており、特にAmazonや楽天といったECモールでは、各事業者を巻き込んだ一大セールイベントとして行われます。EC利用者もブラックフライデーに合わせて多くの買い物をしてくれるので、事業者にとっては年に一度のかき入れ時です。
ブラックフライデーの特徴
この記事では、ECモールで行われるブラックフライデーの特徴を確認します。ブラックフライデーの具体的な実施内容は様々ですが、いずれのモールでも以下のような取り組みが行われているのが特徴です。
黒いアイテムが目玉商品に
ブラックフライデーは、各モールで黒を基調としたアイテムが目玉商品となる傾向にあります。
元々ブラックフライデーは、黒い商品に限ったセールイベントではありません。しかしその名前に「ブラック」がついていることから、消費者に対してわかりやすくセール対象商品をアピールしやすいためにこのようなトレンドが見られます。
黒いアイテムであればなんでも安くなるので、そのジャンルは非常に幅広いのが特徴です。ヘルスケアアイテムやアパレル、食品、スポーツ用品など、黒をテーマカラーにする商品はあらゆる領域に存在するので、事業者としても参入しやすいイベントであることがわかります。
家電やゲームなどが安くなる
家電やゲームといった、単価が高かったり値引きがされづらい商品もセール対象になるのが、ブラックフライデーの特徴です。
特に型落ち家電などは、ブラックフライデー前後に大幅に値下げされる傾向にあるため、積極的にお得な価格を提案し、消費者の購入意欲を刺激する取り組みが重要です。
また、こういった商品はクリスマスや年末年始の需要を取り込む上でも注目度が高いです。クリスマスプレゼントをブラックフライデーで購入してしまったり、年末年始の特番や正月イベントに備えてテレビを新調したりする人が増えるので、ブラックフライデー期間を有効活用して、その需要を先にカバーしてしまうのが理想です。
ポイントアップ
ブラックフライデーは元々、商品の値引率が高いことが注目されてきたイベントです。しかし、ECモールにおいては値引きだけでなく、ポイント倍率を高めることでお得感を創出するケースも増えています。
通常であれば1%の還元率が、ブラックフライデー期間中は2倍になったり、条件を満たすと10%の還元率に大幅アップしたりすることで、購買意欲を高めるのが特徴です。
Amazonや楽天といったECモールは幅広いジャンルの商品を扱っているので、高い買い物はもちろん、日用品の購入などに活用している人は少なくありません。高い還元率で商品を購入できれば、例え商品購入価格は高くとも、還元したポイントで他の買い物に充当できるため、セールの恩恵を十分に受けられます。
具体的にどれくらいのポイント還元を実施するかは、モールやショップによって異なります。競合事業者の還元率やセール価格を見極めながら、適正なポイント還元率を設定しましょう。
ブラックフライデーへの対策
ブラックフライデー需要をうまくカバーするためには、以下の対策をできる範囲で進めておくことが大切です。
黒い商品を充実させる
まず、現在取り扱っている商品を確認し、黒い商品が揃っているか、在庫は確保できているかを調べておきましょう。黒い商品はブラックフライデー期間中、特集ページで紹介されたり、特別オファーの対象となったりするため、必然的に売れ行きが伸びやすいジャンルです。
現在取り扱いがない、あるいは在庫が心許ない場合、優先的に拡充を進めることをおすすめします。
画像やバナーをブラックフライデー仕様に変更
ブラックフライデー期間に備えて、画像やバナーを専用のものに切り替えておくことも忘れてはいけません。特に楽天市場では事業者ごとにデザインを変更できるので、わかりやすくブラックフライデーセール期間中であることを伝える努力が大切です。
お店によってはブラックフライデーに参加しない、というところもあるので、セール需要を取り込みたい場合はそういったお店との差別化が大切です。
ポイントアップ設定をする
ECモールでブラックフライデーセールに参加するユーザーは、ポイント狙いのユーザーが多い傾向にあります。
値引き額よりもむしろ、どれくらいポイントアップが行われているか、というところでお得感を感じる人が増えているので、ポイントを目玉としたセール企画を検討すると良いでしょう。
在庫切れしないように商品管理
ブラックフライデー期間中は、セール商品はもちろんのこと、セール対象外の商品も売れやすくなります。通常よりも売上や注文数は必然的に増えるので、あらかじめ在庫切れがないよう、正しく商品管理を行う必要があるでしょう。
いつブラックフライデーが開催されるのかを把握し、それに合わせて在庫を増やしておくだけでも対策として有効です。
商品ページ内の情報を充実
商品ページを充実させ、購買のハードルを下げることは売上の向上に役立ちます。ブラックフライデーセール開催中のショップであることをアピールしたり、レビューを充実させたりすることは、販売促進に効果的です。
特にレビューの充実はブラックフライデー期間が終了しても、顧客満足度や生の使用感を見込み客に伝えられるので、積極的に進めておきたい施策と言えます。
レビューを書いてくれた購入者にはクーポンを配布するなどして、コンテンツの充実を図りましょう。
送料設定を下げる
ブラックフライデー期間中は、送料設定を下げることでより販売促進を強化することができます。EC利用のハードルとなるのが送料の問題で、特に新規購入者の登場を妨げる課題となりやすい傾向です。
販売意欲が高いユーザーが集まるブラックフライデー期間中は、気軽に購入してもらえるよう送料負担も小さくすることで、多くの商品を購入してもらいやすくなります。
ぽっきり商品を作る
ECモールでのブラックフライデー中、ユーザーは一つの事業者だけでなく、複数の事業者の商品をまとめて購入する傾向にあります。ぽっきり価格の商品を多数揃えることで、ECモールでの買い周りを促進できる仕組みを整えておくと良いでしょう。
クーポンを発行する
ブラックフライデー期間にせっかく獲得した新規購入者ですが、セール期間が終わると関係が断たれてしまうというのは勿体無いケースです。新規利用者にリピーターとなってもらうための施策にも注目し、セール期間終了後の売上にも繋げられるよう備えましょう。
例えば購入者向けにクーポンを発行するなどして、購入機会の創出を進める施策は有効です。セール終了後もお得に利用してもらえる仕組みを用意しておけば、継続利用のきっかけを提供できます。
ブラックフライデーでしっかり集客
この記事では、ブラックフライデーセールの特徴や傾向、そしてECモールにおいて有効な対策を紹介しました。
ブラックフライデーは年末商戦に臨む上でのきっかけにもなる、売上拡大と顧客獲得を促進する重要なイベントです。EC事業者であればなんらかの形で対策しておきたいタイミングであるため、必要な施策を検討しておきましょう。
また、ブラックフライデーで有効な対策はこの期間のみならず、年間を通した販売や、他のセール期間においても有効なものが揃います。ブラックフライデー対策を通じて、より事業を成長させるための施策につなげていきましょう。
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