オンラインショッピングを利用する人が増加し、販売チャネルとしてECサイトの重要性がより高まっています。新規参入する企業も多く、数ある競合に負けずにユーザーを集めるためにはSEO対策が欠かせません。検索エンジンの順位が上位であればあるほど多くの集客が期待でき、売り上げへの直接的な貢献が期待できるからです。
ECサイトがSEO対策を行う際には、一般的なWebサイトと同様の施策に加えてECサイトの特性に合わせた施策を行うと効果的です。そこで本記事では、ECサイト運営者にぜひ知ってもらいたいSEO対策についてわかりやすく解説します。
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目次
ECサイトの重要性について
インターネット経由で商品・サービスを売買するECサイトは、ここ数年で利用が拡大しています。2020年7月に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査報告書」によると、消費者向け(BtoC)EC市場はここ10年あまりで右肩上がりに増加しており2019年では前年比8%増のおよそ19.4兆円でした。特に小売、建設・不動産、食品分野で規模が拡大しています。
(出典:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/200722_new_hokokusho.pdf)
さらに2020年には新型コロナウイルス感染症予防の観点から実店舗での買い物よりもオンラインショッピングが推奨され、利用者が増加しました。それに伴い商品を販売する側もオンライン対応が進み、2019年度時点で約7%だったEC化率は2020年にはより大きく伸びると予測されています。このショッピングにおけるオンライン化の流れはアフターコロナ時代でも元には戻らないと考えられています。
ECサイトはSEO対策が難しい
ECサイトでは、一般的なWebサイトとは異なる特徴があることからSEO対策が難しいと言われています。以下の2つが主な理由です。
巨大ECモールのパワーが強い
一つ目は、楽天、Amazon、ヤフーショッピングなどの大手ECモールの存在です。検索エンジン上の表示ではWebサイトそのもののパワーが大きく影響するため自社の扱う商材でSEO対策を行ったとしても上位表示されるのはより難しくなります。
コンテンツの差別化が難しい
ECサイトとは商品を販売するために作られたWebサイトのため、メインのコンテンツは商品スペックや価格といった情報になります。同じ商品を扱っている競合も同じ内容を掲載している可能性が高く、コンテンツによって独自性を出すことが難しくなります。
またGoogleでは質の高いコンテンツやユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを高く評価しますが、商品情報中心のECサイトではそのようなコンテンツを掲載することは難しく後述するようなサテライトサイトの活用が必要になります。
ECサイトのSEO対策ポイント
このようなECサイト特有の事情があるなかで、運営者側はどのようなSEO対策を行うと良いのでしょうか。SEO対策は大きく分けて第三者サイトからのリンクを増やす外部対策と自社サイト内のタグやリンクを最適化する内部対策があります。ECサイトが主に行うのは内部対策になります。
今回はGoogleが公開している「Search Engine Optimization (SEO) Starter Guide」を参考にしながらECサイト運営者が気を付けたいポイントを紹介します。
(参考)Search Engine Optimization (SEO) Starter Guide
https://developers.google.com/search/docs/beginner/seo-starter-guide?hl=ja
サイト構造を整理する
Googleでは、クローラーが構造化データを使用してコンテンツの内容を認識します。そのためきちんとしたサイトの情報を提供することでクローラーが認識しやすくなりインデックスされやすくなります。また評価の★マークやクチコミ情報などを検索結果に表示することも可能です。
サイト構造を整理するためには、クローラーの回遊性を考えて以下の取り組みを行うことが有効です。
【その1】URLを正規化します。URLの正規化とは、「・・・.jp/」「・・・.jp/index.html」など同じものにもかかわらず別のURLになっているページに対してURLを統一することです。URLが分かれると検索エンジンの評価も分かれるため、100ある評価が50、50になってしまい損をします。
【その2】パンくずリストを追加します。パンくずリストとはそのページがサイトのどの階層にいるのか位置関係を表したものです。パンくずリストの表示には構造化データを使用することでクローラーに位置関係を伝えることができます。
またサイト構造を整理すると、クローラーにとって理解しやすくなるだけでなく、ユーザーに対しても使い勝手の良いサイトになります。
モバイル対応を完璧にする
現在は、インターネットはスマホで利用するのが主流です。ビジネス向けのサイトであればまだPCからのアクセスも多いですが、個人向けのサイトであればスマホ・タブレットが主流です。その状況に対応してGoogleでもモバイルサイトを基準でサイト評価行うモバイルファーストインデックスを採用しています。
主要CMSではレスポンシブWebデザインに対応できることもあり、まったくモバイル対応できていないサイトは少数かと思います。しかし古いWebページをアーカイブしているサイトなどで、万が一「ビューポートが設定されていません」といったエラーがサーチコンソール上で表示された場合には、早急に対応することが必要です。
Googleが提供しているモバイル フレンドリー テストを活用して、自社サイトがモバイル対応できているかを確認してみるとよいでしょう。
(参考)モバイルフレンドリーテスト
https://search.google.com/test/mobile-friendly?hl=ja
画像情報を最適化する
楽天などの大手ECモールの存在があり、ECサイトがキーワードで検索結果の上位表示を獲得することが難しいことは先にお伝えしました。しかし画像検索であれば、テキストよりも上位表示の可能性が高くなります。
画像検索で上位表示させるには、Googleに画像の情報を伝え、最適化することが有効です。
【その1】 imgタグまたはpictureタグで画像を指定します。pictureタグを使うと、HTMLだけで画像をレスポンシブ対応することができます。
【その2】 alt属性を使用します。その画像が何を表しているのかを示すalt(代替)属性を指定することで、画像を読み込めない状況下で内容を表示することができます。また画像をリンクとして使用する際にはaltテキストがアンカーテキストになります。
【その3】ファイル名は適切な内容を短く付けます。pic01.jpgのようなファイル名だとクローラーが理解しにくくなります。
画像ファイル名やaltテキストを適切な文言にすると画像検索でヒットしやすくなります。また画像サイトマップを作成すると画像検索結果で画像が見つかる可能性が高くなります。WordPressであればプラグインもあるので検討するとよいでしょう。
適切なキーワードを設定する
ユーザーがコンテンツを探す際に検索しそうなもので、かつその検索結果で自社が上位に表示したいキーワードを選びます。SEO対策の基本となる作業です。一般的には検索される数(検索ボリューム)の多さを考慮して選びます。Googleのキーワードプランナーなどのツールを使ってキーワードの人気度を確認していきます。
「リップクリーム」「チョコレート」など単一のキーワードではなく、「リップクリーム オーガニック 安全」など組み合わせるキーワード数を増やすほど、ユーザーのニーズがはっきりとして購入意図を持ったユーザーを呼び込みやすくなります。このようなキーワードの組み合わせはロングテールと呼ばれ、検索ボリュームは少ないながら、一定の検索が見込め、競合が少なく上位表示を狙いやすいメリットがあります。ロングテールキーワードはキーワード対策で上位を狙うのが難しいECサイトであっても上位が狙えるのでおすすめです。
ページの表示速度を改善する
SEOスタートガイドには掲載されていませんが、SEO対策として重要視されているのがページ表示速度の改善です。ページの表示速度が遅いとユーザーの離脱率が高くなるばかりか、Googleの評価にも影響します。ページの読み込み速度は検索結果表示の評価要素として用いられているため、表示速度の改善は欠かせません。
ページの読み込み速度を評価し改善案を提案するPageSpeed Insightsなどを使って表示速度の改善を行いましょう。
サテライトサイトで流入を増やす
EC運営者が実施するSEO対策として、メインのECサイト以外に別のサイトを用意して情報発信を行い、ユーザーを獲得する施策を実施するところが増えています。このような別サイトをサテライトサイトと呼び、メインのサイトとは別とメインやサブドメインで運用します。
ECサイトでサテライトサイトを運用するメリットは、コンテンツマーケティングを行えることです。ECサイトのターゲット層に対して価値があるコンテンツを提供することで集客し、商品ニーズを醸成しながら最終的に購入に繋げる手法をコンテンツマーケティングと呼びます。
爪を傷めないマニュキュアを販売しているECサイトであれば、ネイルデザインや上手なマニュキュアの塗り方、手先のお手入れのコツといった情報サイトが考えられます。情報サイト側からECサイトへリンクを送ることで、ECサイトへのアクセス数を増加させます。
【事例:石鹸百科(石けん百貨株式会社)】
国内外の石けんおよび化粧品等の商品を販売している石けん百貨では、メインのECサイトである石けん百貨(https://www.live-science.co.jp/store/php/shop/)のほか、総合情報サイトとして石鹸百科(https://www.live-science.com/)を運営しています。
石鹸百科では石けんの基礎知識や使い方など石けんに関する様々な情報を掲載し、コンテンツの下にはECサイトで取り扱っている商品へのリンクをはり送客しています。石けんを専門に取り扱っている企業だからこそ発信できる質が高いコンテンツで多くのユーザーを獲得している例です。
オフラインメディアとSNSを活用する
自社ECサイトの存在を知ってもらう方法として、印刷物などのオフラインメディアやSNSを活用する方法も見逃せません。取り扱いを始めた新商品やセールのおすすめなどを掲載したURLをSNS上にリンクと共に投稿することで、商品に興味があるユーザーにシェアしてもらえる可能性があります。サテライトサイトのコンテンツなど、場合によっては第三者サイトからリンクしてもらえることも期待できます。
またSEO対策とは少し離れますが、名刺、メールの署名にURLを記載するのもよいでしょう。商品を購入した顧客宛の段ボール箱の中に、おすすめ商品のURLをQRコードで印刷したチラシを入れる施策は多くのECサイトで行われています。確実に購入者の目に触れるため、リピート購入を促すには最適です。また実店舗がある場合には店頭のPOPにURLを記載するのも良いでしょう。
ECサイトのSEOを駆使して集客UP!
SEO対策の基本は、Googleのガイドラインに沿って対策を行っていくことです。全てを網羅することが理想ですが、全ての人がそこまで手をかけられるわけではないため今回はECサイト運営者にとって特に注意すべきポイントをまとめました。効率を考えるとキーワード選定や内部対策だけで上位表示を狙うのではなく、必要に応じてサテライトサイトの運営なども検討するのがおすすめです。
手間はかかりますが、SEO対策をきちんと行うと長期的な効果が見込めます。またクローラーにとって親切なサイトにする取り組みは、そのままユーザーに対しても使いやすいサイトになるため行って損はありません。まだ行っていない施策があれば、ぜひ取り組んでみていただければと思います。
株式会社ライフエスコートには、ECサイト集客の専門家がいます。SEOだけでなくどういったマーケティングをしていければ良いのか分からない、課題を共に解決してほしいという方はお気軽にご連絡ください。
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