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動画広告は効果大!拡散される企画・コンテンツづくりのポイント

商品やサービスの販促・プロモーション手段として、動画広告は非常に良い選択肢のひとつです。ユーザーの印象に残りやすい、情報量が多いなどの特徴があり、自社のターゲット層へ向けて広告を配信できます。費用も手ごろで幅広く媒体を選べるので、多くのECサイトでも商品購入に繋げるために取り組み始めています。

上手に動画広告を活用するためには、目的に合わせたコンテンツを企画・制作することが重要です。そこでこの記事では、動画広告の効果を高めるために知っておきたい制作のポイントと事例をわかりやすく紹介します。

3000億円市場、ネット広告分野でも注目の動画広告とは

3000億円市場、ネット広告分野でも注目の動画広告とは
動画広告とは、動画形式のフォーマットで表示する広告のことです。従来の広告は静止画またはテキストで表示されるのが一般的でしたが、パソコンやスマホなどデバイスの性能向上や動画視聴の一般化を背景に動画広告を利用する企業が増加しています。

電通が2020年3月に発表した「2019年 日本の広告費」ではインターネット広告媒体費は1 兆 6630億円。うち動画広告の割合は3184億円(前年比157.1%)と約2割を占めるまでに成長し、2020年にはさらに増加すると予測されています。規模感で言うと雑誌広告やフリーペーパーよりも大きく、折り込み広告に迫る勢いです。
参考:
2019年 日本の広告費 https://www.dentsu.co.jp/news/release/pd-cms/2020014-0311.pdf
2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析 https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0317-010029.html

企業にとってはコストを抑えて制作・出稿できる点も大きな魅力で、広告出稿を考える際には「動画広告をやらない理由がない」と言っても言い過ぎではないでしょう。

テレビCMとの違い

テレビCMはマス(集団・大衆)広告と呼ばれるように、同じ広告を一度に多くの人へ向けて配信できるのが特徴です。細かい絞り込みは苦手で、例えばスポットCMであれば季節、期間、ゾーン(曜日・時間帯)などで絞りこみができますが、〇〇が好きな人、といった嗜好や性別といったセグメントに分けて配信はできません。

一方動画広告は、さまざまな属性で絞り込んで「広告を見てほしい層」に近いユーザーだけに配信できるのが特徴です。例えばFacebook広告であれば、ユーザーの性別、年代、居住地、興味分野などで絞りこんだ相手にだけ配信することができます。

どちらが優れているというわけではなく、それぞれ得意分野が異なるため、目的に合わせて使い分けることが重要です。

スマホゲームやニュース配信アプリのテレビCMを目にしたことがある人も多いと思います。これはできるだけ多くの人に認知してもらい、ダウンロードしてもらうことを目的に広告を配信しています。スマホユーザーがターゲットなので動画広告のほうが適しているようにも見えますが、一気に認知度を高めたい場合にはテレビのほうが適しています。

また今はテレビCMを視聴したと推定されるユーザーに対して関連の広告を配信することも可能で、テレビ広告と動画広告の使い分け、または組み合わせによりより効果を高めることができるようになっています。

動画広告の種類

動画広告は、配信する場所の違いによって大きく3種類に分けられます。すべて「イン+〇〇(〇〇の中)」という名称ですが、これは広告が表示される場所を表しています。

①インストリーム動画広告
動画コンテンツ(ストリーミングコンテンツ)の中で再生される動画広告です。再生される位置によってプレロール(動画再生前に表示される)広告、ミッドロール(動画再生中に表示される)広告、ポストロール(動画再生後に表示される)広告に分かれますYouTubeで動画再生前(または中・最後)に表示される広告がインストリーム広告に該当します。

②インバナー(インディスプレイ)動画広告
バナー広告(ディスプレイ広告)枠内で再生される動画広告です。YouTubeなどの動画サイトやTwitterなどのSNSを利用しない層にも配信できるメリットがあります。ヤフーやGoogleなどのアドネットワーク経由で配信されます。インストリーム広告の反対でアウトストリーム広告と呼ばれることもあります。

③インフィード(インリード)動画広告
Webサイトのメインコンテンツ内やSNSのフィード内で、ユーザーがスクロールすると自動再生する動画広告です。ヤフージャパンのトップページのニュースに混じって表示されているものや、Twitterのタイムライン上に表示されるプロモツイートがインフィード広告に該当します。

動画広告の媒体

動画広告が配信される媒体としては、YouTubeやTikTokのような動画サイトのほか、Twitter、Facebook、InstagramのようなSNSがあります。そのほかにヤフーやGoogleが運営するアドネットワーク経由でWebサイトへ配信する方法もあります。

動画広告の効果・メリット

動画広告の効果・メリット
動画広告を出稿するメリットとしては以下の3点が挙げられます。

コンテンツ力が絶大で目を惹きやすい

動画は、テキストや静止画と比較して情報量が多いのが特徴です。そのため商品情報なども短い時間で伝えることができます。また音や動きがあるため静止画やテキストよりもユーザーの目を惹きやすくなります。

テレビCMよりも費用を抑えられる

テレビCMと比較すると動画広告のほうが制作や配信のコストを抑えることができます。撮影用の専門機材がなくてもスマホで撮影したり、静止画を組み合わせて動画にしたりすることも可能です。配信でも一定時間視聴した場合にのみ料金を支払う方式にすれば無駄なく広告を配信できます。

広告ではなくコンテンツとしてシェアしてもらえる

たとえ広告であっても、魅力的な動画であればSNSでシェアしてもらえる可能性があります。シェアしてもらうと多額の費用をかけなくても多くの人に見てもらえます。

動画広告の企画の作り方と5つのポイント

動画広告の企画の作り方と5つのポイント
動画広告は、以下のような流れで制作されます。

①動画広告を出す目的を決める
②ストーリー、動画構成を決める
③撮影・編集
④BGM、音声を加える
⑤動画広告の遷移先を用意する(必要があれば)

【例】
機能性食品のOEMを手掛けているA社は、新規事業として「チョコレート味で飲みやすい、カロリーオフのプロテイン飲料」を開発・発売することになりました。そのため多くの人に商品を知ってもらいたいと考え、動画広告を出稿することにしました。

企画・制作のポイントは、以下の5つです。

広告の目的を明確にする

まず、「何のために動画広告をだすのか」という目的を明確にします。自社サイトの集客する目的なのか、商品の認知度アップなのか、自社のイメージ向上なのか。目的が明確になると、そのあとの流れが掴みやすくなります。逆に目的がぼんやりしてしまうと、メッセージが伝わりにくく効果が上がりにくくなります。

【A社の場合】
A社では、自社の知名度を上げるよりも、まずは商品を知ってもらいたいと考えたため、目的を「商品の認知度アップ」に設定しました。

ターゲット・ペルソナを決める

クリエイティブを制作する前には、必ずターゲットを明確にします。、ターゲットによって目指すクリエイティブが変わるため、企画段階でターゲットは明確にしておくことが重要です。またターゲットの姿に肉付けするためにペルソナを設定することも有効です。

【A社の場合】
ターゲットを「ボディメイクに関心がある30代女性」と設定、ペルソナとして「都内のIT企業で営業職として働く独身34歳。スタイル維持、美容のため週3でスポーツジムに通いボディメイクに取り組んでいる。」と設定しました。

同じプロテイン飲料でも、筋トレ好きの男性をターゲットに設定した場合はクリエイティブが変わります。ターゲットを明確にすることは次のステップにおいても大切です。

伝えたいメッセージを明確にする

ただ漠然とした内容では視聴者の心に残りません。「何を伝えたいか」を明確にすることで、スキップされずに見てもらいやすくなります。さらにストーリー性がある広告だとコンテンツとして見てもらえ、シェアしてもらえる可能性も高まります。

【A社の場合】
商品特徴である「カロリーオフで飲みやすい味」を押し出して「チョコレート味で飲みやすいので毎日続けられる+カロリーオフなのでダイエットにもオススメ」というメッセージを動画で訴求することにしました。

視聴者に最後まで見てもらう工夫をする

言いたいことを詰め込みたくなりますが、一般的に動画広告はあまり長い時間だと離脱率が上がるため、30秒~2分以内に収めると良いといわれています。またスマホ視聴を前提とした場合は、動画の最初の 5 秒間で、店舗名やサービス名などの情報や、アピールしたいビジュアルなど、一番伝えたい情報を入れるようにします。

【A社の場合】
女性モデルが商品を毎日飲んでトレーニングすることで引き締まったスタイルになっていく様子を紙芝居風の動画にしました。冒頭に商品パッケージを表示、15秒でテンポよくメッセージを伝えるように心がけました。ターゲット層と親和性が高いInstagramで広告配信を予定しています。

適切なLPを用意する

商品購入を目的とした動画広告を運用するにあたっては、広告をクリックした先のランディングページ(LP)を用意する必要があります。

LPは動画広告の内容とマッチした内容で動画を視聴したユーザーの期待を裏切らないようにすることが大切です。例えば期間限定の送料無料キャンペーンを告知する動画広告を配信した場合、クリックした先にキャンペーン内容がきちんと記載されていないとユーザーが離脱してしまう可能性があります。また動画広告を見たユーザーが検索経由でトップページへたどり着く可能性もあるため、トップページに目立つバナーを設置する等してユーザーをLPへ誘導するようにするとよいでしょう。

企画づくりが成功している動画広告の紹介

企画づくりが成功している動画広告の紹介
ここでは企画の素晴らしさで成功している動画広告の事例を3つ紹介します。

紹介①Z会:『クロスロード』 コラボ動画

中高生向け通信教育事業を行うZ会が新海誠監督とコラボして制作した動画広告です。映画のキャラクターがZ会の教材で受験勉強をするという仕立てで受験生を応援するというメッセージを伝えています。CM自体にはZ会はほとんど登場しておらず自社サービスの紹介は全くしていませんが、ストーリーを通じて受験生に寄り添い応援する企業であるというイメージを印象づけています。

動画自体は2014年に制作したものですが、2018年に同監督作『君の名は』のテレビ放送に合わせてテレビCMとして放送、SNS等で拡散されるなど話題になりました。動画広告でブランディングに成功している事例です。

★企画のポイント★
・アニメ映画とコラボして、話題性を高める
・自社を前面に押し出さず、受験生を応援するコンテンツに仕立てる
・ストーリー性を持たせ最後まで視聴してもらいやすくする

紹介②宮崎県小林市:移住促進PRムービー “ンダモシタン小林”

自治体でもPR動画を盛んに制作しています。中でも成功したと言われるのが、宮崎県小林市が制作した動画広告です。市に住むフランス人が主人公で小林市の魅力をセリフと字幕で伝えています。実はフランス人が話していたのはフランス語ではなく地元の西諸弁だったというオチですが、多くの人にシェアされ280万回も再生されました。

200万円の制作費に対して広告効果は10億円。市の認知度アップによりふるさと納税額増加や移住問合せ数の増加など、さまざまな効果が出ています。有名タレントを起用しなくても企画の素晴らしさで認知度アップに成功した事例です。

★企画のポイント★
・フランス語を話しているかのように見せて実は西諸弁だったという意外性
・地元の特産や魅力を盛り込みPR

紹介③ディライトクリエイション:犬用靴下

同社が運営する犬用ブランド「docdog(ドックドッグ)」が販売する犬用靴下をPRする動画広告です。
犬用の靴下という馴染みが薄い商品を紹介する意図で制作され、肉球の保護につながるという利点を訴求しています。(商品販売は2020年で終了)

タイムラインで読み飛ばされないよう冒頭にインパクトがある構成にする、無音でも理解できるように字幕を入れるなどSNSを意識した作りになっています。ECサイトで動画広告を制作する場合に参考になる事例です。

★企画のポイント★
・SNSでの視聴を前提にして構成(冒頭のカットに工夫、無音視聴前提で字幕)
・30秒の枠内であれこれ詰め込まず、機能とメリットに絞って訴求

拡散してもらえる動画コンテンツを作ろう

動画広告はテキストや静止画よりも情報量が多くユーザーの目を惹くことから効果的なPR手段として活用が拡がっています。制作面では高価な機器や専用ソフトがなくてもスマホで代用するほか半自動で制作できるクラウドツールなどもあり、かなりハードルが下がっている状況です。それだからこそ、動画広告においては企画をきちんと立て、ユーザーに最後まで視聴してもらえる内容にすることが重要です。

これから動画広告に取り組む方は、本記事で紹介したポイントや事例を参考にしていただければと思います。

株式会社ライフエスコートでは、動画広告の企画→撮影→編集までワンストップで行っております。EC業界でも動画広告で消費者にアプローチすることが主流となりました。現在、EC担当者になり、動画広告をご検討中の方。また、ネット通販で動画広告をどのように活用していったら良いか分からない方はお気軽にご相談ください。専門スタッフが皆様のお悩みにお答えいたします。

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多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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