UGCへの注目は、企業の間でますます高まっています。できればUGCの施策に取り組んで集客や売上の向上を目指したいところです。
しかし、UGCを上手く活用したいけどできていない企業も決して珍しくありません。そこで、UGCの収集や活用、管理、分析までを一手に担えるUGCツールを導入するのがおすすめです。
本記事では、UGCツールの機能や増加の理由、おすすめのツール7選、活用事例を解説します。
目次
UGCツールとは?UGCツールでできること
UGCツールは、SNSの投稿やレビューなどを収集して自社サイトに掲載、許諾管理、分析を行えるプラットフォームのことです。
UGCとは、ユーザーが自ら投稿したレビューや作った画像・動画などのコンテンツを指します。企業が営利目的で広告や動画、ステルスマーケティングのレビューなどを生み出すのとは異なり、純粋に一般顧客のユーザーから生み出されている点です。
これらのコンテンツに対して、UGCツールは適切な運用ができるように工夫されています。以下に、UGCツールでできることを6つ紹介します。
①自社商品の投稿レビューを自動収集する
1つ目は、UGCとして代表的な自社商品の投稿を自動で集められることです。
例えば、SNSで投稿を収集する際に、自社商品の感想や意見に対して投稿をしていることがわかる「ハッシュタグ(#)」や「メンション(@)」を関連投稿と判断して、収集を開始します。
機能次第では、ツール内でグループ分けまで行い、集めた投稿を専用画面で管理することが可能です。
なかには、Instagramの画像やTikTokの動画など、文章コンテンツだけに限らず、自社ホームページやECサイトの投稿に使える機能を有しているUGCツールもあります。
②レビューの投稿を促す
UGCツールの中には、商品を購入した顧客に対して、レビュー投稿を促すメッセージを送信する機能があります。ツールによっては、特典付きのインセンティブありでレビュー促進する場合にも対応しています。
この機能はUGCを積極的に生み出すことが目的です。外部のユーザーによるSNS投稿だけを収集するのではなく、新規顧客やリピーターに対して協力を求める形でレビューやSNSでの発信を増やしていきます。
③購買促進に繋げる
UGCツールには、SNS投稿・レビューの掲載や動画コマース、広告施策など、CVRの向上を促す機能もあります。
レビューは顧客からの評価を知ること以外にも、投稿のレビューを通じて新たに購入を促す材料としても役立ちます。集客効果を高めたい企業にはおすすめの機能です。特に、ECサイトの新規立ち上げで「レビュー数が少ない」場合に有効です。
また、LP(ランディングページ)に、SNS投稿のレビューを組み合わせることで、口コミ関連の情報を厚くしたページができ上がります。購入を後押しするLP作成にとっては、ユーザーレビューは手軽に入手できるコンテンツです。
広告施策と併せて集客や売上、CVRを高めるための機能として大いに役立ちます。
④投稿のサイト内表示
UGCツールは、SNSの投稿はタグなどを設置してサイト内に組み込むことが可能です。
例えば、レビューを載せるホームページやブログ、ECサイト、LP(ランディングページ)などに、SNSの投稿を取り込むことが可能で、特にノーコードでの設置作業ができるツールは便利です。
HTML/CSSといったコードまわりの専門知識やスキルを運営者が持っていなくてもツールを上手く活用し広告媒体の中に取り込むことができます。
そのため、SNS投稿のサイト内表示は、外部の声を自社の集客にも使える大事な機能の1つです。
⑤二次許諾の申請管理
UGCツールは、一般ユーザーの投稿やレビューを集めるという性質上、自社で使う際は二次許諾を得る必要があります。
そこで多くのツールには、機能として二次許諾の申請管理ができるようなプラットフォーム画面を用意しています。
自社商品に対する感想を書いたレビューであっても許諾は必要となります。許諾なしに勝手に使うと問題となるため、たとえ本人から後で許可を取り付けられるとしても、炎上対策には不可欠な事前手続きの機能です。
当然ながら、二次許諾の申請管理が簡単に行えれば、それだけ許諾を取らないミスが減ります。
⑥効果測定
UGCツールには、得られた成果を検証し、次に繋げるため効果測定の機能も搭載しています。
ECサイトならアクセスしたユーザー数や滞在時間、CVRなどさまざまな指標が効果測定として利用されています。
施策の結果分析を踏まえて、集客やコンバージョンに有効なUGCを特定する高度な分析機能を備えているツールも中にはあるほどです。
UGCツールを活用する企業が増えている理由と導入するメリットは?
ここでは、UGCツール活用が増えている理由やUGCツールを活用する3つのメリットを説明します。
UGC活用を意識した企業の増加背景
UGCを活用する企業は近年増えています。理由は、以下の3つが挙げられます。
- 国内の広告費が上がっている
- SNSの集客比重が増えている
- 一方的な企業広告での集客が難しくなっている
まずは、広告費の負担を避けることが大きな理由になっています。最近では、テレビや新聞などの広告は費用が下がっているにもかかわらず、費用水準が高く、最低でも数万円から数十万円の費用、加えて広告制作費が別途かかります。
インターネット広告に関しても費用の増大が指摘されており、企業がネット集客を重視し始めて広告費が以前よりも高くなっているのです。
2つ目の理由は、SNSからユーザーを集めることが増えており、企業が集客チャネルとして重視せざるを得なくなったことです。顧客の中にはSNSの投稿を見て実店舗やECサイトを訪れるケースも少なくありません。
3つ目は、一般消費者が広告だけを見て来店・問い合わせするケースが減り、インフルエンサーや個人の口コミ・レビューを重視する人が増えたことです。2,000円前後までは広告を出せばとにかく買ってくれるという状況が一変し、消費者が自分で商品を選択する時代になったことも影響しています。
UGCツールの活用が増えた理由
UGCツールの使用が増えた理由は、UGCを活用し始めた企業の動きと連動して、より効率的に活用できるツールの必要性が高まったことです。
企業が効果的な施策を実施するため、競合企業もUGCを活用できるツールの導入を積極的に行うことが求められています。
特に、UGCのワンストップツールはマーケティングの総合的な運用も可能です。
UGCツールを活用する3つのメリット
UGCツールには、具体的に以下の3つのメリットがあります。
- メリット1.UGCの自動検索・収集機能を扱える
- メリット2.UGCの掲載が楽になる
- メリット3.費用削減・コストパフォーマンスの増加が見込める
まず、UGCツールはSNSの投稿・レビューを手間なく自動で集められることがメリットです。
例えば、飲食店なら食べログなどの口コミサイト、宿泊やホテル業なら予約サイト、ECサイトならSNSやクチコミ掲示板、写真の「映え」を意識したサービスならInstagramの写真・動画収集といった具合です。
必要に応じてUGCを獲得し、自社で活用したいものを後から選定することができます。掲載のために必要な許諾申請やタグ設置の簡易化も機能として採用しているツールも珍しくありません。
広告費を削減して、その代わりにUGCツールを使えば、費用削減やコストパフォーマンスの向上にも直結します。
UGCツールの選び方と注意点
UGCツールの概要や使うメリットを押さえたら、今度は選び方や注意点を取り上げます。
①機能で選ぶ
まず何より重要なのは、「機能」をじっくり見て選ぶことです。
UGCツールの種類には、機能ごとに「SNS連携に特化したもの」や「レビューを集めることを重視したもの」、「実店舗向けのもの」などがあります。
ECサイトの運用者が実店舗向けのツールを選んでも効果が薄いでしょう。SNS重視の運用者ならSNS連携に特化したツール、レビューを集めて掲載・管理したいならレビュー収集に力を入れたツールを導入します。
ただし、機能が充実したツールやプランは費用が高くなりがちです。そのため、重きをおきたい機能を優先的に選択をすることが大切です。
②費用から選ぶ
UGCツールの選び方の2つ目は、「費用」をチェックすることです。
基本的に有料ツールが多いUGCツールの場合、無料版のことは基本的に考慮せず、有料版の中で費用と機能(サービス)が釣り合ったものを選択します。
月額課金を基本とし、費用が5,000円から10万円を超えるものまであります。例えば、コンテンツの収集はUGCツールの場合備わっていても、使える機能が同一ツール内のプランやツールごとに違うなどです。
SNS連携を目的としていたのに、低価格のプランを選んでしまい目的を果たせなければ意味がありません。企業によっては使用目的と費用・プランを合わせる必要があります。
③サポートから選ぶ
最後はサポートの手厚さや内容から選びます。UGCツールを初めて使う運用者は、収集したコンテンツをどう活用すべきかわからないケースも多いですし、ツールの運用でわからないことが出たときに、説明を受けられるかどうかも大きなポイントになります。
サポートが不十分だと機能が優れていても使いこなせず、宝の持ち腐れとなるため、サポート内容の事前チェックが必須です。
2024年最新!おすすめUGCツール7選
ここからは、2024年の最新情報としておすすめのUGCツールを7つ紹介します。
ツール名 | 機能の特徴 | 費用感 |
YOTPO(ヨットポ) | クチコミ・レビューの収集・サイト設置、 効果測定 | 無料版と有料版あり |
OWNLY(オウンリー) | 15種類以上ものSNSキャンペーン実施、 クチコミ・レビューの収集 | 10万~30万円 |
Letro | Instagramの投稿レビューの収集、 動画コンテンツの生成 | 5万円~ |
LEEP | Instagramライブやリールにも対応。高画質な動画コマースを実現。 | 5万円〜10万円 |
visumo(ビジュモ) | 画像・動画の収集、商品リンク作成、 タグ簡易設置、効果測定 | 1万円~ |
UGCクリエイティブ | Instagramや動画コマースの UGC情報収集・活用 | 要問合せ |
U-KOMI | 各種UGC情報の収集 | 33,000円~ |
①YOTPO(ヨットポ)
YOTPO(ヨットポ)は、株式会社ギャプライズが運営しているワールドワイドなUGCツールです。世界で20万以上のサイトに利用されており、ホームページやECサイトなど、さまざまな形態で活用が広がっています。
機能の特徴は、InstagramなどのSNSから情報の収集や管理、効果の検証です。
集客するだけでなく、購入時の後押しをすることにも効果があります。そのため、実績として10%を超える収集率、ユーザーとの接触率85%、コンバージョン向上(従来の270%)の実績を誇ります。
費用は無料版と有料版があり、有料版の詳しい価格は取り入れたい機能とすり合わせが必要です。
②OWNLY(オウンリー)
OWNLY(オウンリー)は、スマートシェア株式会社が運営するUGCマーケティングのサービスです。UGCの中でも特にSNSの活用に力を入れており、「投稿キャンペーン」「投稿・総選挙」「TikTok投稿インスタントウィン」など15種類以上ものSNSキャンペーンを実施できます。
ツールの機能は、SNSの情報収集から活用まで対応しています。
例えば、ハッシュタグやメンションの投稿を自動で収集し、SNSのレビュー投稿を埋め込み用HTMLタグとして生成できます。また、SNS上の投稿管理も同時に可能です。
そして、「Findry」機能では、Instagramを直接経由しての集客を促します。その上で、サポート体制が充実しており、企画から広告の運用最適化までトータルで支援します。
費用は10万~30万円で、詳しくは資料請求が必要です。
③Letro
Letroは、アライドアーキテクツ株式会社が運営するUGCツールです。累計導入ブランド数がトップで、導入ページ数は15万を超えるなど、優れた実績があります。
特にInstagramの投稿・レビューや動画コンテンツの生成などに機能の重点があり、CVRの向上を目指すことが可能です。
その上で、制作から効果測定まで管理画面を通じて一気貫通の総合運用が特徴です。動画コンテンツを大量作成したり、ノーコードで実装したり、A/Bテストの実施をしたり、各種機能を1つのツールで賄うことができます。
費用は5万円からでプランや施策範囲で月額料金が変わります。月額に応じて初期費用も決まるため詳しくは要問合せです。
④LEEEP
LEEEPは、株式会社REGALIが運営するUGC活用のサービスです。ECサイト向けのUGCツールを750を超えるサイトに提供しています。
特にSNSではInstagramから情報を収集してECサイトやLP(ランディングページ)に掲載、管理できる特徴があります。
例えば、ハッシュタグを活用して収集する情報に当たりをつけ、口コミとして載せたり、投稿別分析に活用したりといった使い方ができます。
他にも機能として「動画コマース」「分析ダッシュボード」「インフルエンサーPR」「スタッフ投稿」「カスタムデザイン」「API提供」などがあります。
もちろん、動画コマースをタグのみで設置することも可能です。カスタムやAPI利用など専門の知識やスキルのない運用者でも手軽にサイトの独自デザインを実装できます。そのため、ECサイト構築にも使える幅広い機能が便利です。
費用は5万~10万円となっており、詳しくは要問合せです。
⑤visumo(ビジュモ)
visumo(ビジュモ)は、株式会社visumoが運営する国内シェアトップのInstagram連携でUGC活用のできるツールです。サービス導入会社は700社以上で、ECサイトの成果向上をサポートしています。
ブランディングやUGCを活用した売上向上を目指せることが特徴です。
主な機能は、UGCの中でも画像や動画の収集、商品リンク作成、タグによる簡易設置、効果測定などです。特に動画コマースに注力しているのがわかります。
そして、KOSEや吉野家など国内の有名企業のいくつかはvisumo(ビジュモ)を利用しています。
費用は1万円からとなり、価格の詳細は要問合せです。
⑥UGCクリエイティブ
UGCクリエイティブは、株式会社ディールの提供するECサイトのD2Cに特化したUGCツールです。全体で300社以上の支援実績があり、主にレビュー収集に力を入れたツールとして情報収集と活用に向いています。
機能はInstagramのUGC情報の収集・活用を通じた売上の向上、レビュー収集・活用、TikTokのUGCや動画コマースの収集~分析・改善です。動画コマースツールとしては、ECサイトの顧客体験の向上を狙うことができます。
運用実績は、CVRの倍増、滞在率の3倍増など高い数字です。その上、カスタマーサクセス担当による無料のサポートが付いて、動画コマースによるA/Bテストの検証なども可能です。
料金は定額制で初期費用もありますが具体的な金額を確認したい方は要問合せです。
⑦U-KOMI
U-KOMIは、レビュー収集に強みがある国内向けに開発されたUGCツールです。250社以上が導入し、継続率98%以上の実績があります。
特徴はレビューを依頼するメール送信にあり、メールやLINEからのレビューを獲得して実績を増やし、クーポンや特典で再来店を促すマーケティング活用が可能です。
また、写真や動画のUGCコンテンツを収集・掲載して、視覚的な効果や管理画面からのレビュー質問回答で顧客満足度を高めます。
SNSとの連携でハッシュタグやメンションからのUGCコンテンツで集客を促し、コンバージョンにも繋げられます。もちろん、レビューをそのままプロモーションやブランディングにも活用できます。
料金は、スタンダードプランが33,000円(税込)、ビジュアルプランが55,000円(税込)、エンタープライズプランが66,000円~(税込)です。目的や規模に応じて月額プランを選択しましょう。
CVR率がアップしたUGCツールの活用事例
ここからは、UGCツールで成功した活用事例をご紹介します。
CVR率のアップ
某大手飲料メーカーは、SNSマーケティングのツールで知られる「OWNLY(オウンリー)」というUGCツールを使用して、CVRを高めています。
ブランド自体の認知度は高い一方で、認知から購入の間には壁があり、壁を壊すきっかけとなったのがUGCツールです。
具体的には、「フォロー&リポストキャンペーン」を開催し商品認知を高めます。その後、商品利用者に対して「感想投稿キャンペーン」を実施するのです。
キャンペーンの参加者数や感想投稿数などを1つの目安として効果を測定し、これらを管理するため全体を通じてUGCツールを活用しているのです。
その結果、CVRやエンゲージメント率(SNSで投稿を見たうちの実際にユーザー反応した割合)が向上しています。
LPのレビューを最適化
健康サプリや食品で有名なオンラインのECサイトを運営している企業の事例です。この会社の事例では、レビュー収集に強みを持つUGCツール「Letro(レトロ)」を使って施策に取り組み、CVRを約1.8倍まで引き上げています。
施策内容としては、新規顧客を獲得するためのLP(ランディングページ)でレビューを最適化する運用の手助けを行ったことです。
対象ユーザーは「潜在層」で、最適なレビューを通じて顧客体験を提供し、新規集客率を上げるものです。その結果、個別の顧客にアプローチしながら、UGCツールを上手く活用できています。
まとめ
今回は、UGCツールの概要やメリット、選び方、おすすめのツール、活用事例について解説しました。
UGCツールはSNSの投稿やレビュー、マーケティング運用、分析・測定などができます。
さまざまな場面でワンストップの運用ができるものも多く出回っており、目的に合わせて気に入ったツールを使ってみるのがおすすめです。
ただし、使える機能や費用、サポート面をチェックすることも忘れてはなりません。CVRが向上した事例などを踏まえて、自社にあったツールを選んでみましょう。
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