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越境企業に事の重大さが 知られていない日本のPSE問題

皆様におかれましては新春を清々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。

旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。本年もより一層お喜びいただけるよう、スタッフ一同精進して参ります。

皆様のご健勝と貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げるとともに、本年も変わらずご愛顧を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。

 さて本年初めのLE通信は、お取引及びお問い合わせが増えてまいりました越境企業様とのお取引をさせていただく際の注意点など書かせていただきたいと思います。

越境企業の代表例でいうとマイクロソフト、グーグル、アマゾンを思い浮かびますが、最近の話題は、SHEIN(シーイン南京希音電子商務有限公司)、Temu(ティームー 拼多多(Pinduoduo Inc.) PDDホールディングス)ではないでしょうか。

日本市場へ参入し業績拡大している越境企業のとっかかりは

越境ECへ参入するには、アマゾンが一番参入しやすいのではないでしょうか。

日本のアマゾンへ参入するには、クレジットカード1枚、そして販売する商品を日本のアマゾンFBA倉庫へ送ればすぐに販売可能にすることができます。日本への輸出手続きも非常に簡単で、個人、法人問わず税関上の手続きなど何らかの問題で販売できない事態が発生した際、荷物を返却できる住所を記載するだけで輸出することができ越境ECが開始できます。

日本に進出する越境企業の目的は、日本市場が大きい市場であり、製品の品質に非常に厳しい日本人に支持されることが一つのブランディングにもなるといわれているからです。

突然販売停止の窮地に陥る越境企業の事情

ここからがいざ発生してみてはじめてわかる、悔やんでも悔やみきれない越境企業様のお話になります。弊社がお手伝いしていて、突然商品が販売停止になることがあります。その影響は、企業様のブランディングに悪い影響をもたらし、販売停止の期間は売り上げがあがらず、さらに製品調査及びその指摘内容によってはリコール(商品回収)せざるを得ない状況になり、結果撤退・倒産となることも少なくありません。

現在よく発生している「PSE」問題とは

上記の一例として現在よく発生しているのが「PSE問題」です。

「PSE」とは、電気用品安全法に基づいて電気製品が原因の火災や感電などから消費者を守るために施行された法律で、日本国内で100Vコンセントに接続して使用されるほとんど全ての民生用電気製品が対象となる安全規格です。

この法律により、メーカーや輸入業者は、消費者が区別できるよう適合製品にPSEマークをつけて販売することを義務付けられました。 PSEマークは、【Product+Safety+Electrical appliance & materials】の頭文字で、電気製品が安全性を満たしていることを示すマークです。

またPSEでは製品を以下の2種に分類され厳重に審査されています。

◇型タイプ:高い安全性が要求される116品目で、PSEマークは菱形となります。

〇型タイプ:それ以外の電気用品は341品目で、PSEマークは丸形となります。

いずれも、「一般的な屋内コンセントから、AC100Vを供給されて使用する機器は、上記菱形PSEか丸形PSEマークが貼られていないと、販売はできません。電気器具は、このマークが入ったものを、正しく使用しましょう。(METI/経済産業省)」と明記されています。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション

自動的に生成された説明

 現在発生している「PSE問題」とは、2つあります。1つ目はそもそもこの規格を知らず、対象商品にも関わらず表示していない、2つ目は対象商品とわかっていてもPSE認証を受けずにマークだけを表示するといったことです。これらの行為は、完全違法行為になりますのでご注意ください。

特に海外製品を輸入する場合は、PSEの認証済かその基準をクリアした試験結果等のエビデンスを必ず用意してもらいましょう。用意してもらえない場合は取引をやめた方がいいと思います。その理由をこれからお伝えしていきます。

参考:日本でのPSE認証機関例:一般社団法人電線総合技術センター(METI/経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/cab_list.html

経済産業省は試買運動を外部に委託し不正なPSEマーク表示業者を取り締まっています。

PSEマークの印刷はだれでもできますし、そのため簡単にごまかすことがきます。その防止策として、経済産業省の外郭団体が試買活動を行い、楽天ランキングに入賞している商品を中心に購入し商品検査などを行っております。その活動の結果違法性があると判断された場合は、すぐに呼び出しがかかり、罰則及び商品の販売停止やリコールが言い渡されます。その後は経済産業省の指導のもと、費用と時間をかけて改善していくことになります。また経済産業省のホームページに掲載されるため企業としてもイメージダウンになりかねません。

参考:試買テスト・流通後規制(METI/経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/after_distribution.html

【重要】海外製品を輸入する輸入事業者自体も罰則対象になります。

 20年前までは、輸入事業者は電気関係の法律について考える必要はそこまでありませんでした。その理由として輸入事業者への罰則はそこまで厳しくなく、製品の中身や該当する商品の法律を把握しなくても、輸入して販売してもよいとう流れがありました。日本の市場は日本の大手企業のみだったのであまり問題が発生しなかったのではないでしょうか。

昨今、越境企業の海外製品が家庭や職場で使用されていますが、火事など商品トラブルにより被害が発生した際、日本の法律では海外の製造元に罰則を与えることができない状況で、すくなからず被害が発生しておりました。

 そこで、2001年4月に電気用品安全法という法律ができ、輸入事業者にも製造業者と同様の責任を負わざるを得ない法律が施行されました。具体的にはPSEの当該品目を輸入する場合には、経済産業省への届出義務があり、同法違反の可能性がある場合には立ち入り検査、違反と認定された場合は輸入の禁止措置や、出荷済み品の回収命令、1億円の罰金等が科せらることになりました。

つまり輸入事業者は、「知らなかった」、「メーカーにやるよう言ってあった」、「メーカーの責任」などという言い訳は一切通じない状況に様変わりしました。「法律上のメーカー」は輸入事業者自身となり、火事などの民事責任、回収責任、行政罰など一切の責任は海の向こうの製造業者ではなく、輸入業者が負わなければなりません。

 この法律は輸入する事業者、越境EC企業にとっては死活問題のはずですが、いまだこの法律をよく知らず、届出もしないまま活動している業者がいるのも実情です。

PSEの表示義務がある商品は法律上、医薬品など許可を受けてから輸入や販売ができるものではなく、前提として届出制だということが挙げられます。

届出制だということは、届出義務者が届けなくても、誰も注意はしてくれません。そして、小売店等の販売者の義務はPSEマークがついているかどうかをチェックするだけですので、PSEマークの表示企業名が輸入事業者なのか、第三者なのかは関係ありません。

輸入事業者は自社名での銘板(めいばん)・マニュアル作成などの責任があるにもかかわらず、PSEマークが付いているから大丈夫、相手が日本のPSEを取得してくれたと思って、他社名銘板(銘板されていない)のまま輸入しており、違反行為だということに気づいていないケースもあります。それゆえに、問題が発覚しにくく、気づいたときには手遅れということになります。

ライフエスコートでは、輸入手続き、PSE認証の代行取得を行っておりますので些細なことでもご相談いただければと思います。また通販やWEBの開設を少しでもお考えの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

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