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PSCマークとは?取得方法や対象の製品・認定基準について解説

なんとなく「PSC」というマークがついている製品は安全だ、という認識は皆さん持っていると思いますが、PSCマークが具体的に何を指し、どのような製品が対象となるのか、詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

本記事では、PSCマークの基本的な内容から、その対象製品、取得までの流れ、認定基準について詳しく解説します。初めての方でも理解しやすいよう、分かりやすく説明していきますので、PSCマークについての疑問を解消し、無事に認証されるための参考にしてください。

PSCマークとは?

PSCマークとは、経済産業省が認定する安全基準を満たした製品に付けられるマークのことです。このマークは、消費者が安心して製品を使用できるようにするためのもので、使用にあたって身の危険性があるものや、子どもが使用する製品に対して厳しい安全基準が設けられています。また、製品事故が起きた場合にはその情報を収集して提供し、消費者の利益を守るための措置を講じています。

PSCマーク認定を受けるには、経済産業省が指定した書類の提出と検査を受けなければなりません。PSCマーク認定を受けた製品は、国が指定した厳しい審査を経て認定されるため製品の安全性が確保されています。

PSCマークの取得方法は?

PSCマークを取得するには代行会社への依頼がおすすめです。その他には、自社で手続きを全て進めれば個人で申請することもできます。

代行会社への依頼がおすすめ

手続きが煩雑でミスが起こる可能性もあるので、PSCマークの取得は代行会社に依頼しましょう。認証までに必要なやり取りに加えて、海外製品の場合は工場との折衝、そして製品のコンサルティングまで行う会社もあります。

代行会社に依頼することで申請ミスを避け、自社の業務に専念することが可能です。ライフエスコートではPSCマーク申請に関する面倒なやり取りを全て代行いたします。その他の申請も請け負っていますので、是非一度ご連絡ください。

そのほかの代行会社については、ライフエスコートのPSCマーク取得代行の記事をご覧ください。

自社で申請

経済産業省が公開している流れに沿って申請すれば、自社からでも申請できます。ただし、細かな指定や多くの参考様式があり、全てを順守するのは大変なため、代行会社への依頼をおすすめします。

PSCマークの対象製品

PSCマークの対象製品について具体例をご紹介します。本来は10製品でしたが、2023年(令和5年)6月19日に新たに2つ追加され、12製品になりました。

特定製品

(※画像引用:消費生活用製品安全法 |METI/経済産業省関東経済産業局)

消費生活用の製品で、構造や材質、使用状況など全体的に見て身体への被害や命の危険性がある製品が特定製品です。2024年5月現在では、8つ指定されています。

  • 家庭用の圧力なべ及び圧力

容量が10リットル以下で、9.8キロパスカル以上のゲージ圧力で使用するように設計した製品が対象です。圧力なべに加えて高圧力になる炊飯器も特定製品に含まれます。

  • 乗車用ヘルメット

自動二輪車または原動機付自転車乗車(原付)用のヘルメットが対象です。バイク・ライダー用のヘルメット、オープンフェイス型、フルフェイス型などさまざまな種類がPSCマークの対象製品に含まれています。

  • 登山用ロープ

身体確保用のロープが対象です。ザイル(数組のひもで組み込まれている耐荷重がよい登山用ロープ)などが挙げられます。

  • 石油給湯機

灯油の消費量が70キロワット以下で、熱交換器容量が50リットル以下のものが対象です。

  • 石油ふろがま

灯油の消費量が39キロワット以下のものが対象です。

  • 石油ストーブ

灯油の消費量が12キロワット以下のものが対象です。開放燃焼式で自然通気形の製品の場合は7キロワットと指定があります。

  • 磁石製娯楽用品

磁石と他の磁石とを引き合わせ、娯楽用品として使用するものが対象です。個々の磁石または磁石を使用する部品が経済産業省令で定める大きさ以下である必要があります。マグネットセットなどが例です。

「磁石製娯楽用品を構成する個々の磁石及び磁石を使用する部品の磁束指数(磁束密度の二乗と磁極の表面積との積をいう。)のいずれもが、50平方キロガウス平方ミリメートル未満」

引用:20230724tsutatsukaisei.pdf (meti.go.jp)

  • 吸水性合成樹脂製玩具

吸水したら膨らむ合成樹脂を使用した部分が、吸水前の状態で経済産業省令で定める大きさ以下の玩具が対象です。水で膨らむボールなどが挙げられます。

「吸水することにより、吸水性合成樹脂製玩具の幅、高さ及び長さのいずれもが、50パーセントを超えて膨潤しないこと。ただし、当該膨潤した吸水性合成樹脂製玩具を直径20ミリメートルの穴の上に置き、接触面が半球形の直径10ミリメートルの棒を用いて当該接触面に対し垂直方向に20ニュートンを超えるまで徐々に当該玩具に力を加えたときに、いかなる場合においても当該玩具が損傷せずに当該穴を通過するものにあつては、この限りでない。 」

引用:20230724tsutatsukaisei.pdf (meti.go.jp)

特別特定製品

(※画像引用:消費生活用製品安全法 |METI/経済産業省関東経済産業局)

特定製品のうち、安全性の確保が不十分な事業者がいると認められる製品が特別特定製品です。4つの製品が指定されています。

乳幼児用ベッド

基本的に家庭用の製品で、出生後24カ月以内の乳幼児の睡眠または保育に使用することを目的として設計したものが対象です。ゆらゆら動く揺動型ベッドは対象外です。

携帯用レーザー応用装置

外部に照射して文字や図形を表示することを目的とした可視光線のレーザー光が対象です。レーザーポインター、レーザー照準器、レーザー距離計、レーザー光を放出する玩具、放射温度計などが対象です。

浴槽用温水循環器

主に家庭で使うことを目的とした浴槽用温水循環器が対象です。水の吸入口と噴出口とが構造上一体で、加熱のために水を循環させるものや循環させることができる最大の水流量が毎分十リットル未満のものは含まれません。ジェットバスや24時間風呂などが例として挙げられます。

ライター

燃料を含め全体が構造上一体となっているもので、容器の全てまたは一部にプラスチックを用いた家庭用製品が対象です。一般的なライターに加えて、タバコ以外に点火するものも含まれます。身近なものとして、タバコの点火でよく使われる回転式やすりがついているものや、線香の点火でよく使われる点火棒ライターが分かりやすいでしょう。

PSCマーク認定までの6つの流れ

上記で上げられた特定製品を製造・販売、または輸入するには、届出の手続きが必要です。ここでは事業者がどのような流れでPSCマークの認定を受けるのかを解説します。

① 特定製品かどうかの確認・事業の届出

特定製品に該当する可能性がある製品を販売する際、まずは特定製品かどうかの確認を行います。経済産業省の基準に該当することが分かったら、届出の準備を行いましょう。届出書は、国が定める様式で作成することが必要です。

受領された届出書を自社で保管する場合は、2部作成し宛名つきかつ切手が貼られた返信用の封筒を同封しましょう。

届出書の様式は経済産業省のウェブサイトからダウンロードできます。

②損害賠償措置の準備

PSCマークの認定を受けるには、安全の保障だけではなく、使用者が被害を受けたときの損害賠償を補償する能力を示さなければなりません。被害者一人当たり1千万円以上かつ年間3千万円以上を限度額として補償する、損害賠償責任保険契約の被保険者になっていることが条件です。

③届出書の提出

届出書類と損害賠償措置が準備できたら、経済産業省本省または管轄の経済産業局に提出します。特定製品の製造、輸入事業に関係する国内の工場や事業場が1つの管轄内に全て所在している場合、その管轄の経済産業局に届出をし、複数地域にまたがる場合は経済産業省本庁に提出してください。提出後に申請内容に変更が出た場合は速やかに変更届を提出しましょう。

④適合性検査

申請する製品が特別特定製品の場合、認定に必要な自主検査に加えて、経済産業大臣の登録を受けた登録検査機関による検査、技術基準省令に適合している旨の証明書の交付、そしてこれらの保存が必要です。当該特別特定製品そのものの確認をする1号検査と、それに加えて工場や事業所の検査も行う2号検査のどちらかを受けます。

⑤自主検査

適合性検査に合格したら、最後に技術上の基準への適合性を事業者自らが確認する必要があります。特定製品の場合、届出を提出した後に自主検査を行います。

自主検査や検査記録の作成・保存は第三者に委託することも可能です。ただし、登録検査機関や特定製品の基準への適合性を判断することができる検査機関でなければなりません。また委託する場合は、検査結果を利用して、事業者自身が検査記録を作成し保存する必要があります。

⑥PSCマークの表示

上記の手続きを全てクリアすることにより、最終的に製品にPSCマークを表示させることができます。特別特定製品と特定製品でマークの形が違うので注意しましょう。

PSCマークの認定基準

PSCマークの認定基準は、各製品によって細かく指定されています。サイズ、素材、衝撃吸収構造など、その他の詳細は経済産業省の公式サイトを参照してください。

例えば、特定製品の「家庭用の圧力なべ及び圧力がま」の技術面での認定基準は以下のように設定されています。

  • 本体とふたがスムーズに着脱できること。 
  • 鍋やふたは安全な構造であること
  • 持ち手の温度がは室温プラス40度以下であること
  • 消えにくい方法で事業者名が記載されていること

家庭用の圧力なべ及び圧力がまには全20項目の技術面での審査基準があります。詳細な項目は経済産業省のウェブサイトをご覧ください。

PSCマークとPSEマークの違いは?

PSCマークとPSEマークは、お互いに日本の法律で示されているものですが、それぞれ異なる法律の下で適応されています。

  • PSCマーク

消費生活用製品安全法に基づくもので、特定の危険性が高いとされる製品に適用されます。

  • PSEマーク

電気用品安全法に基づくもので、電気製品や電気機器に適用されます。

詳細については、ライフエスコートが公開しているPSEマークや申請についての記事をご覧ください。

PSCマークとその他の安全マークの違いは?

PSCマークは、国が定めた認定基準であり、経済産業省が指定した製品が対象、という特徴があります。

同じような安全を示すマークでもそれぞれ違いが存在します。例えば、SGマークは一般財団法人製品安全協会が定めたマークで、家具、台所用品、自転車・自動車用品、スポーツ・レジャー用品などさまざまなものに表示されています。

販売予定の製品がどのマークに適合しているか事前に確認しておきましょう。

PSCマークの認証を受けて自社製品の安全性を示そう

この記事では、PSCマーク対象の製品・申請の流れや認定基準について解説しました。

特定製品は全てで12製品あり、それぞれ細かな認定基準と厳しい審査があります。しかし、この検査をクリアすることで、自社の販売製品の安全性を証明でき、会社の信頼や売り上げの獲得に繋がるでしょう。
申請の流れや必要な書類をしっかり確認し、問題なくPSCマークが認定されるように準備を進めてください。ただ、手続きは煩雑なため代行会社に依頼するのがおすすめです。PSCマークの認証は是非ライフエスコートをご検討ください。

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