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ECサイトの在庫管理方法のおすすめは?在庫管理の重要性や目的について

ECサイトの運営業務の中でもミスが発生しやすく、利益に影響するのが在庫管理です。

しかし、ECサイトの在庫管理方法がよくわからず、どのような方法を導入していいか迷ってしまう担当者の方もいるでしょう。

そこで本記事では、在庫管理の重要性や目的、ECサイトにおすすめな在庫管理方法、在庫管理システムを導入したいときに選びたいおすすめの在庫管理システムを紹介します。

ECサイトの在庫管理の重要性

ECサイトでは、在庫管理が重要な役割を担います。在庫管理は、顧客に商品を販売する実店舗と同じで、在庫を確保している商品とそれに関連した在庫データを管理する業務です。

なぜ在庫管理が重要かといえば、まだ売れていない在庫は「棚卸資産」と呼ばれる企業の資産に該当します。つまり、企業が銀行から融資を受ける際の貸借対照表の資産としてカウントされ、融資基準を見極める際の大事な指標となっているのです。

ただし、在庫は現金がモノになって形を変えた資産のため、企業のキャッシュフローにとってはマイナスです。過剰在庫に陥ると現金が不足して営業や設備投資、返済などができずに運営が困難になったり、破産寸前になることも十分にありえます。

ECサイトの在庫管理の目的とは

ECサイトの在庫管理には、以下の2つの目的があります。

適正在庫を維持する

ECサイトの在庫管理の目的の1つ目は、適正在庫を維持することです。適正在庫とは、商品を販売している中で、在庫不足にも在庫過剰にもならない状態のことです。

例えば、在庫の確保が十分ではなく、たくさん売れたときに在庫が不足して、商品を顧客に提供できないことがあります。そのために、機会損失が生じて、リピーターになったかもしれない顧客をその分だけ逃します。

逆に、在庫不足を警戒するあまり在庫を多くし過ぎて、倉庫や事務所のスペースを圧迫し、出荷に関する業務効率の低下が懸念されます。また、環境の管理体制が大事な食品や医薬品を販売しているケースでは、適正な保管環境を維持する必要があるため、数が多すぎると管理体制に悪影響をもたらします。

在庫を多すぎず少なすぎない量で管理をするためには、販売数を予測計算して、適切な仕入れを行い、利益が最大になる適正在庫を維持することが重要です。

在庫ロスをなくす

在庫管理の2つ目の目的は、在庫ロスをなくして、利益の損失を減らすことです。在庫ロスには大きく分けて3つ「棚卸しロス」「機会ロス」「破棄ロス」で発生します。

まず、「棚卸しロス」によるデータ上の在庫数と実際の在庫数が合わないケースです。在庫管理がずさんで、数量にミスがある場合やピッキングの際に商品をなくして数が合わなくなった場合などが挙げられます。

次に、在庫が不足して販売する機会を失うケースです。必要なときに在庫がなく、機会損失してしまうことを「機会ロス」と呼びます。さらに、繁忙期に売れ行き好調な商品の在庫充填が必要となったとき、追加した時期にはすでに流行の波が過ぎていて、余剰在庫だけ余るなどです。

最後に、消費・賞味期限のある商品が売れ残り、破棄せざるを得なくなる、破損や傷で売れなくなった商品を破棄することによる「破棄ロス」です。

在庫ロスをなくすことで、過剰にキャッシュを商品に変えることを防ぐ必要があります。そのためには、ロスを出さない最適な在庫管理をしましょう。

ECサイトの在庫管理の内容

ECサイトの在庫管理には、大きく分けて5つの業務があります。

入庫

入庫では、仕入先から商品と伝票を受け取った後、倉庫で在庫を管理できるように検品や数量の記入、データ処理(在庫管理システムを導入している場合は、ハンディターミナルでバーコードを読み取る)をします。

入庫の際に、検品で不良商品が発見された場合は、返品などの手続きを行います。数量や商品の状態が正しいかを確認する大事な工程です。

入庫業務が不正確だと棚卸ロスや返品による利益損失が発生するため、しっかり行う必要があります。

出庫

出庫は、倉庫内で在庫管理している商品を取り出して、倉庫の外に運び出すための業務です。

具体的には、在庫のロット確認やピッキングに始まり、仕分け・検品などを行います。商品によっては組み立てやカラー選択、オプション追加などがあり、梱包と伝票貼りも含みます。

そのため、出庫はただ商品を倉庫外に運び出すだけでなく、商品を送るための出荷作業を工程の中に含んでいます。

返品

返品は、商品を販売して送り届けた後、顧客からクレームや自己都合の返品の申し出によって、商品を受け取り、在庫管理上のデータに反映させる業務です。

ECサイトの運営体制によっては、専用のカスタマーサポートがあり、返品時の宅配業者の確保・指示や新品の再配送の準備まで返品対応を自社でまるごと担うケースや外注に任せるケースもあります。

ただし、在庫管理のデータ処理だけではなく、売上管理や顧客連絡もあるため、1つ上の発注管理(システム)で処理することがほとんどです。

保管

保管は、「ロケーション」とも呼ばれる在庫をデータや番号で紐付けて管理する業務です。

場所を決めて、そこに商品を保管し、出庫(出荷)するときだけ取り出す「固定ロケーション」やフリースペースに商品をおいて、そこに保管する「フリーロケーション」があります。

「フリーロケーション」は商品の場所がわからなくなったりして、属人化しやすい原因となるため、バーコードによるデータ管理が必須です。

棚卸し

棚卸しは、倉庫内の在庫をデータの数量をもとに実際の数を確認して、在庫数が一致していることを確認したり、不良在庫を処分したりすることです。

特に年度末に会計処理のために「棚卸資産」を確定されるための業務として多くの小売店が実施しており、ECサイトでも在庫数の一致確認を目的に行われます。

企業によっては、4半期ごとに実施するケースもあり、回数が多いほど棚卸業務の負担が増えますが、その分だけ性格な在庫管理が可能です。

ECサイトにおいて適切な在庫管理方法は?

ECサイトでは、適切な在庫管理方法として次の2つが挙げられます。

Excelで管理

ECサイトで在庫管理によく使われているのがExcelです。

Excelの表ソフトを使用したパソコンでは、関数を活用して商品在庫の数を記入してカウントする方法があります。Excelは仕事やパソコンの学習では必須なことも多く、すでに使える人が多いでしょう。そのため、スムーズに在庫管理の方法として導入可能です。

しかも、Excelの導入には特別な費用がかかることはなく、すでにパソコンにインストールされていれば費用をかけずに計算機能や表入力を使うことができます。また、Excelの操作ができる人は多いため、企業が新たに教育費用としてコストを掛ける必要がないという点も1つの長所です。

もちろん、大規模な販売を扱う企業ではExcelでカバーしきれないことも多いですが、小規模なECサイトの販売事業であれば、Excelでも十分に在庫管理できます。

システムで管理

Excelでは扱いきれない大量のデータを活用できる在庫管理方法として在庫管理システムがあります。

Excelのような数値入力の手間がなく、ヒューマンエラーが少ないのが魅力です。加えて、多量のデータを管理することが可能になります。

Excelに比べて在庫管理や受注管理に特化しているため、余計な操作が必要なく、覚えることも最小限で済みます。したがって、ECサイトには在庫管理システムを使った方法がおすすめです。

ECサイトの在庫管理にシステムを導入するメリット

ここでは、ECサイトの在庫管理にシステムを導入する際のメリットを3つ紹介します。

コスト削減

ECサイトに在庫管理システムを導入するメリットは、在庫の管理にこれまでかけていた費用を削減できることです。

在庫管理には通常、倉庫で管理を行い、それをデータ上で把握して入力などをする人員の人件費や減価償却費などがかかります。他にも在庫ロスによる利益損失も発生するでしょう。

しかし、在庫管理システムでは管理にかかるコストを最小限に抑えて、在庫ロスなども減らすことが可能です。

適正在庫の管理がしやすくなり、過剰な在庫も減って、スペースが整理整頓されれば、それだけ環境維持にかかる減価償却費も下がります。このように、在庫管理にシステムを使うことで全体的なコスト軽減ができるのです。

業務効率化

在庫管理システムには、業務を効率化して余計な作業を減らすメリットがあります。

なぜ業務効率化が在庫管理システムで可能になるのかといえば、一度、データで入力やハンディターミナルで登録すれば、リアルタイムで商品の在庫状況を追うことができるからです。

データを監視して適切に管理するための二重業務がなくなり、本来の在庫管理業務に集中できます。

また、在庫管理をシステムを通じて計画的に仕入れの数量調整をすることができるため、在庫まわりの業務がスリム化します。在庫管理が適切になって、業務負担が減ると、ミスが減り、最終的にはクレームや返品率も下がるため、効率はさらに上昇します。

人為的ミスの軽減

ECサイトの在庫管理では、データ入力や検品時の手書きによって、人為的ミスが起こることは珍しくありません。

実際に、在庫数とデータ上の齟齬が生じる場合は、多くの場合で人為的ミスが業務中に発生しています。在庫管理システムのメリットは、その人為的ミスを減らせることです。

人為的ミスのことを業界では「ヒューマンエラー」と呼んでおり、完全になくすことのできないものです。しかし、ミスをできるだけ起きないようにすることは大切です。

特にミスを減らすための二重確認で作業工程を逆に増やすだけで、ミスを完全に防ぐことはできません。手早く、それも確実に人為的ミスの軽減するには、在庫管理システムを導入して、人がミスを起こしそうな工程をシステムに任せることです。

ハンディターミナルでバーコード単位の管理を行えれば、データを処理する途中での人為的ミスはさらに軽減することができます。

ECサイトの在庫管理にシステムを導入するデメリット

ECサイトで在庫管理システムを使った方法は、次のようなデメリットもあります。

コストがかかる

在庫管理システムは、基本的に無料で使えるものはなく、あってもトライアルや一定期間のみ限定のサービスなどが主です。そのため、在庫管理システムの導入費用や継続的に発生する月・年単位のランニングコストがかかることを費用として計算に入れる必要があります。

在庫管理システムにはさまざまなメリットがありますが、システムを入れることでかかるコストが発生するというデメリットを押さえておく必要があるのです。

教育の研修期間が必要になる(時間が必要)

在庫管理システムを導入する場合のデメリットとして大きいのが、使い慣れていないシステムを導入して操作や管理体制に慣れるための時間がかかることです。

一般的に、使い慣れたExcelでの作業なら、最小限の教育研修ですぐに業務に取り入れられるケースも多いでしょう。しかし、在庫管理システムは提供する会社によってもシステムの中身や操作方法が異なっています。

教育研修を受けて、使い方に慣れるまでに移行期間としての時間がかかるわけです。当然ながら、教育研修には費用がかかるため、ノウハウを学べるような研修講師を呼ぶなどの手間もかかります。

電気的設備や通信の障害に影響を受けやすい

ECサイトに限らず在庫管理システムでは、クラウド型やオンプレミス型など、電子的機器を使用したデータ管理を行います。そのため、電気的設備の故障に弱いという側面があります。

手書きの伝票や数量報告なら電子機器や設備の故障からは影響を受けませんが、システムありきの場合は、電気的設備なしに数量を確認することさえ困難となります。

また、近年はクラウド型の普及で自社のシステムに頼らない在庫管理システムを導入することが増えており、通信の障害などで不具合が起きることがあるのもデメリットです。

もちろん、クラウドだからこそ、複数の管理倉庫を同時にリアルタイムで在庫管理できるなどのメリットもあります。

おすすめのECサイト在庫管理システム

ここでは、ECサイト在庫管理システムでおすすめの3つを紹介します。

「ec-howtoが扱うシステム
これはこちら側でテキスト作成します。」

TEMPOSTAR

TEMPOSTARは、NHN SAVAWAY株式会社の提供するECサイト向けの在庫管理システムです。自社のECサイトはもちろんのこと、大手のECモール出店でも在庫管理ができます。

また、複数のECサイトや倉庫を同時に在庫管理して、効率的に管理業務を行えるのが特徴です。カスタマイズにも柔軟に対応しており、プラットフォームの変更にも問題なく対応できます。

初期費用0円の月額費用基本料金は11,000円(税込)からの初月のみ無料となっており、商品登録や受注数で料金が変わるプランを採用しています。

カスタマイズにこだわりたい場合や他のシステムと連携させたい場合におすすめです。

アシスト店長

アシスト店長は株式会社ネットショップ支援室が提供する在庫管理システムです。ECサイトで複数管理している在庫を受注業務まで含めて一元管理できる特徴があります。

在庫の店舗ごと振り分け自動機能や納品書・伝票の発行機能(出荷用ソフト、宅配業者オプション含む)の連携も可能です。

料金は、初期費用30,000円の月額費用基本料金が20,000~30,000円となります。また、これらの月額費用は受注件数やSKU数(在庫管理の最小単位)で決まります。

商品コードを合わせずに済むことや在庫数振り分けの自動反映など機能として取り入れたい場合はおすすめです。

ECサイトの在庫管理はシステムを導入するのがおすすめ

ECサイトの在庫管理は運営会社の出店規模や人員数などによって、Excelでは管理が追いつかなくなることがあります。

特に複数の店舗に出店して大手モールも利用している場合は、在庫数のデータ処理が複雑化し、そのうえ商品数が多ければ処理量も膨大になります。少数で運営しているECサイトの場合、人員不足で在庫管理が疎かになるというケースもあるでしょう。

在庫管理に不備があると、適正在庫の維持ができなくなり、利益損失が発生します。

以上の状況にさせないためには、在庫管理システムを導入して、ムダな業務を削減することです。在庫管理システムの機能やサポートで業務が効率化すれば、起きやすい人為的ミスも減らすことができて、人員コストも削減できます。

ECサイトの担当者は、自社にあったシステムを比較検討して導入することをおすすめします。

まとめ

今回は、ECサイトの在庫管理方法として、Excelや在庫管理システムを取り上げましたが、いかがでしたか?

在庫管理には、内容として4つの業務があり、それらを効率的に行うための適切な管理方法が求められます。

Excelよりも在庫管理システムはさまざまな面でメリットがあり、限界を感じている運営担当者にとっては、早急に導入するのが良さそうです。

そこで、今回取り上げたECサイトにおすすめの3つの在庫管理システムを比較検討して、自社に導入してみましょう。

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ABOUT US
多賀井隆之
2005年にEC支援フルサービスの提供をスタートのを皮切りに、2010年には完全自社で撮影できるスタジオ等を設立。実績は、一部上場企業ECサイト運用、輸入タイヤ通販会社経営、現在では別会社で小型家電をOEMで作りD2Cサイトを運営し、常にノウハウを検証しながら顧客へ売上改善、在庫最適化、作業効率化などを提供中

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