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食品衛生法とは?改正内容や注意すべきポイント・対象事業者を解説!

食品衛生法は、食品の安全性を確保し、国民の健康を守るための法律です。この法律は、製造、加工、販売など、食品に関わる全ての事業者が遵守すべき基準を定めています。最近の改正では衛生管理の強化が図られており、これに伴い対象事業者が注意すべきポイントも増えています。本記事では、食品衛生法の基本から改正内容、そして事業者が注意すべきポイントについて解説します。

食品衛生法についてわかりやすく解説

こちらでは、食品衛生法の目的や意識した方がよい事業者について解説いたします。

食品衛生法の目的や役割

食品衛生法は飲食による健康被害が発生しないようにするための法律で、飲食店やハンドメイド食品の販売など、食べ物に関わるビジネスの人は全員注意する必要があります。

食品衛生法には食品加工・販売や輸入に関するさまざまなルールが明記されています。この法律を順守することで事業者の安全性が担保され、食中毒などの健康被害を未然に防ぐ役割を果たしています。

どんな人が必要?

食品衛生法は、食べ物に関連する全ての個人・業者が注意すべき法律です。食品の管理方法や食品を入れる容器の基準など、営業許可を受けるためにはさまざまな基準をクリアしないといけません。

事業の中で食品を少しでも扱う必要がある場合は、「(事業内容) 食品衛生法」とインターネットで検索をし、個別のケースについて調べるようにしましょう。

ライフエスコートでは、食品衛生法に関するさまざまな申請代行を行っています。事業規模に関わらず、申請について不安なことがあれば些細なことでも気兼ねなくお問い合わせください。

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食品衛生法の対象商品とは

食品だけではなく、食品を入れる容器などさまざまなものが食品衛生法の対象品目になっています。以下はその例です。食品に直接関係なくとも、赤ちゃんのおしゃぶりなどの口に触れる可能性のあるものは、医療品を除くすべてのものが食品衛生法の対象です。

食品一般食品(加工食品、生鮮食品など)、健康食品、添加物
容器・包装食品用の容器(ペットボトル、缶、ガラス瓶など)、食品包装材(プラスチックフィルム、紙パッケージなど)、食器、調理器具
食品に直接接触する器具・設備包丁、まな板、調理用器具(鍋、フライパンなど)、調理機械(食品加工機械、冷蔵設備など)
洗浄剤・消毒剤食器用洗剤、調理器具、設備の洗浄消毒剤
子供がふれる可能性のあるものおしゃぶり、哺乳瓶、ベビー用食器

食品衛生法の改正内容についてご紹介

ここでは、これまでに改正された食品衛生法の内容をご紹介いたします。

※令和5年1月19日にも食品衛生法の施行規則について一部文章が変更されているため、厚生労働省のウェブサイトから常に最新の情報を確認するようにしてください。

大規模な食中毒への対策を強化

近年に発生した大規模な食中毒事件での課題を受けて、食品衛生法は食中毒に対して迅速かつ的確な対応を可能にするための対策を強化しました。

具体的には、早期対応が行われるように各地方自治体に広域連携協議会を設置し、厚生労働省が協議会を活用して迅速な対応を行えるようにしています。

これにより、広範囲に及ぶ食中毒の発生時に、感染源の特定や拡散防止のための措置が強化され、消費者の健康と安全をより確実に守ることが求められています。

HACCP(ハサップ)での衛生管理を制度化

令和3年6月から、政府は原材料の入荷から製品の出荷までの全工程の中で、特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法「HACCP(危害要因分析重要管理点)」を導入しました。

これにより、全ての食品等事業者が衛生管理計画を作成し、厳格な衛生管理のもと食品の安全性を高めることが求められます。

また、地方自治体職員を対象にHACCP指導者養成研修を実施し、食品衛生監視員の指導方法を統一しました。今回の食品衛生法の改正により、申請を受理する運用側の改善も行われています。

健康被害情報の届出を義務化

平成29年7月までの過去5年間で、223事例の健康被害が報告されたことから、消費者に発生した健康被害について食品事業者が速やかに届け出を行うことが義務化されました。

特定の成分を含む食品で健康被害事案が発生した際には、各事業者は都道府県の保健所に、保健所は厚生労働省に報告する義務が追加されています。

この改正により、健康被害の早期発見と対応が可能となり、被害の拡大を防止する体制が強化されました。消費者の安全がより一層確保されることが期待されています。

食品用器具と容器包装にポジティブリスト制度を導入

食品を入れる容器に対して規格基準を定めない限り直ちに規制はできない、という課題点を解決するため、新しくポジティブリスト制度が導入されました。

ポジティブリスト制度とは、使用できる物質や既定の量などの条件をまとめた一覧表を作成し、食品と接触する可能性のある食品用器具や容器包装においてそれ以外の使用を原則禁止するという仕組みです。

この制度では、容器製造業者と容器販売業者が、それぞれの顧客に安全性を証明できる資料を提出する必要があります。これにより、消費者が使用する食品接触材料の安全性が一層強化されました。

これまでの営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設

食品衛生法の改正により、これまでの営業許可制度が見直され、新たに営業許可の対象業種以外の事業者を把握するために営業届出制度が創設されました。これにより、各都道府県が厚生労働省を参考にして施設の許可基準を新たに制定しています。

具体的には、漬物製造業、水産食品製造業、液卵製造業などの新たな業種が営業許可が必要な業種に追加されたり、一施設で一つの許可で済むように取り扱える食品の範囲を整理・拡大したりしています。

食品衛生法が改正されたことで食品業界における許可手続きが簡素化され、事業者の負担が軽減されると同時に、行政による効果的な事業者の監督が可能になります。

自主回収(リコール)情報に関する行政への報告を義務化

食品に問題が発生し事業者が自主回収を行う場合、その情報を行政に報告することが義務化されました。この改正により行政が迅速に対応できるようになり、消費者への周知や対策が徹底される体制が強化されます。

輸出入食品の安全証明に関する制度を改正

輸出入食品に関する安全証明制度が改正され、輸入食品の安全性を確保するための措置が強化されました。

「安全証明」とは食肉や乳製品、水産食品などについての輸入に際し、安全確保のために輸出国側で検査や管理が行われてきたかを示す衛生証明書の添付義務のことを指します。具体的には、衛生証明書の添付義務に乳・乳製品・フグ・生食牡蠣が追加されています。

この改正により、外国からの輸入食品に対しても厳格な検査と証明が求められ、国内での食品安全性が向上することが期待されています。

事業者が注意すべき食品衛生法のポイント6つを解説

これまで食品衛生法や改正内容について述べてきました。ここではその中で食品を扱う事業者が注意すべき食品衛生法のポイントを6つに分けてご紹介します。

食品を扱う際には多くの点に気をつける必要がありますが、以下のポイントを最低限おさえるようにしましょう。

①食品等事業者の責務と努力について

食品事業者は、消費者の健康を守るために食品衛生法の内容を順守し、消費者の安全を最優先する意識が求められます。具体的には、適切な衛生管理、品質管理、従業員の教育などが求められます。

食品衛生法に違反すると、営業許可の取消しや営業停止命令などの行政処分に加え、違反条項によっては罰金が発生する可能性もあります。

法令遵守はもちろん、常に最新の食品衛生情報を収集し、自社の業務に反映させる努力が必要です。

②食品および添加物について

食品および添加物の取り扱いにおいては、衛生面を最優先に考えて行動しなければなりません。事業者は、使用する原材料や添加物が法令に基づき許可されていることを確認し、適切な管理と記録を行う必要があります。

また、食品添加物の使用量や使用目的についても厳格な基準が定められているため、それらを遵守することが求められます。取り扱う食材や、クエン酸やグルタミン酸などの添加物は、加工する前に認可の必要性を調べるようにしましょう。

許可が必要な指定添加物の一覧が厚生労働省のウェブサイトに掲載されています。

③器具および容器包装について

食品と直接接触する器具や容器包装についても、衛生的かつ安全な素材を使用することが義務付けられています。事業者は、使用する器具や容器包装がポジティブリスト制度に適合しているかを確認し、定期的に点検・清掃を行うことが必要です。

また、容器包装が食品に悪影響を与えないよう、適切な保管と管理を徹底する必要があります。外部に容器の作成を依頼している場合は、その容器がポジティブリスト制度を順守しているか、先方から提出される書類でしっかり確認するようにしましょう。

④表示および広告について

事業者は、食品表示法に基づき、製品の成分・内容量・賞味期限などを正確に表示する必要があります。また、誇大広告や誤解を招く表現は厳しく禁止されており、消費者の信頼を損なわないためにも、広告表現には十分な注意が必要です。

例えば、「アレルギー反応を完全に防げる小麦」など、小麦アレルギーを持っている人が使用した場合の安全性が担保されていない表現は規制の対象となります。

⑤販売などの営業について

食品の販売や営業活動においては、衛生的な取り扱いが最優先事項です。魚肉ハムや全粉乳などの特定の食品を製造または加工する場合、その施設ごとに専任の食品衛生管理者を配置しなければなりません。

また事業者は、販売場所の衛生管理・温度管理・保管方法に特に注意を払い、食品が安全な状態で消費者に届けられるよう努める必要があります。

食品販売の営業を始める前に、取り扱っている商品に含まれる食材や添加物ではどのような専門職が必要か確認するようにしましょう。

⑥その他

その他の注意点としては、リコール対応・廃棄物処理・食中毒への対応などが挙げられます。食品に関する事業者は、問題が発生した場合には迅速に対応し、必要に応じて製品の自主回収を行うことが求められます。

衛生管理と法令順守する意識を持って業務にあたることが重要です。

食品衛生法の対象事業者の例を7つご紹介

食品衛生法の対象事業者の例を7つご紹介します。こちらで紹介する例はごく一部なので、食べ物に関連するビジネスを始める場合、まずは自身の事業が食品衛生法の対象でないか確認するようにしましょう。

①販売目的の食品・関連品の輸入

販売目的で食品を輸入する事業者は、輸入食品の安全性を確保するため、食品衛生法の規定に従って検査や安全証明書の取得が必要です。食べ物だけではなく、コップなど口につける可能性のあるものは全て輸入時の検査対象に入ります。

ライフエスコートでは、食品衛生法に関するさまざまな申請代行を行っています。自社の製品が食品衛生法の対象であるか分からないなど、申請について不安なことがあれば些細なことでも気兼ねなくお問い合わせください。

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②飲食店

もちろん飲食店も食品衛生法の対象で、提供する食品の安全と衛生管理が必要です。食品衛生法に基づき、厨房の清潔さ、従業員の衛生教育、食材の適切な保管・調理が義務付けられています。

その他にも、夜間にお酒を販売する場合は風営法の届出や火災に関する申請など、店舗運営に関するさまざまな申請を行う必要があります。

③食品製造業

食品製造業者は、製品の安全性と品質管理を徹底する必要があります。HACCPに基づく衛生管理が求められ、製造過程で発生しうる危害を防止するための対策が義務付けられています。

④食品販売

食品販売業者は、販売する食品が安全であることを確認し、適切な表示と管理を行うことが求められます。厚生労働省が指定している許可営業と届出対象外営業以外の事業者は、HACCPに沿って営業届出を提出する必要があります。

⑤ケータリングサービスやフードトラックの運営

ケータリングサービスやフードトラックは移動先でも衛生管理が求められます。特に食中毒を発生させないために、食品の加熱度合いや食品を入れる容器に注意をする必要があります。

厚生労働省で、テイクアウトやデリバリーに関するチェック項目が公開されているので、対象となる事業者は必ずチェックするようにしましょう。

⑥自家製食品(自宅で作った食品)の販売

クッキーなどの自家製食品を販売する場合も食品衛生法の対象となります。適切な衛生管理と表示が求められ、小規模でも法律遵守が必要です。

食品衛生責任者の講習を受けたり、食品を加工する専用の場所を準備したりしなければいけません。

⑦給食サービス

給食サービスは多くの人に料理や食品を提供するため、特に衛生管理が厳しく求められます。食品衛生法に基づき、食材の選定から調理・配膳まで、全工程で安全性を確保する必要があります。

これまでは自治体によって給食サービスの申請ルールにばらつきがありましたが、食品衛生法の改正で、基本的に全国で申請が必要になりました。細かな詳細は管轄の保健所に問い合わせをすると安心です。

食品衛生法関連でよくある質問

ここでは食品衛生法関連でよくある質問について回答します。

食品衛生法に違反したらどうなる?

食品衛生法に違反すると、罰金や営業停止などの行政処分が科される可能性があります。重大な違反や故意の場合、罰金刑や懲役刑が科されることもあるため、食品衛生法の順守が求められます。

食品衛生関連法規って何?

食品衛生関連法規とは、食品の安全性を確保するための法律や規制の総称です。主なものには、食品衛生法、食品表示法、食品安全基本法などが含まれ、食品の製造から販売までを網羅しています。

食品衛生法とHACCPの違いは?

食品衛生法は食品の安全性を守るための基本法であり、HACCPはその一部として、食品の製造過程での危害発生を防ぐ管理システムであるという違いがあります。

まとめ

この記事では、食品衛生法の基本的な内容や改正点、事業者が注意すべきポイントなどについて解説しました。食品の安全性は、事業者にとっても消費者にとっても非常に重要です。

食品安全法を正しく理解し、適切な対応を取ることで、安全で信頼される食品を提供し続けることが求められます。

ライフエスコートでは食品衛生法に関するさまざまな申請代行を行っています。事業規模に関わらず、申請について不安なことが少しでもあれば気兼ねなくお問い合わせください。

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