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PSEの検査はどうやって進める?申請の流れや注意点を分かりやすく解説

PSEマークは、日本で電気製品を販売する際に必要となる安全基準の一つです。規制の対象となる電気用品を取り扱う場合、PSEマークの取得は法的に義務付けられており、取得にはいくつかの段階を踏む必要があります。

しかし、検査の進め方や申請手続きが分かりにくく、何を準備すべきか迷うことも多いでしょう。この記事では、PSEマーク取得のための検査の流れや申請時の注意点について、分かりやすく解説していきます。

ライフエスコートでは検査に関する申請手続きの代行を受け付けています。PSE検査について分からないことがありましたら、些細なことでも遠慮なくお問い合わせください。

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電気用品安全法とは

電気用品安全法は、日本国内で販売される電気製品の安全性を確保するための法律です。この法律は、消費者が安全に電気製品を使用できるよう、製品が定められた安全基準を満たしていることを義務付けています。

対象となる電気用品は、家庭用電化製品や工業用の電気機器など広範囲にわたります。構造や使用方法などから危険や障害の発生が多い「特定電気用品」に分類される製品は、対象の電気用品の安全性の確認や製造に使われる設備の検査も含まれる「適合性検査」が必要です。それ以外の電気用品は「特定電気用品以外の電気用品」と分類されます。

具体例は以下の通りです。

特定電気用品電気便座や電気温水器などの電熱機器・高周波脱毛器・電撃殺虫器など
特定電気用品以外の電気用品電圧調整器・電気スリッパ・電気布団・電気冷蔵庫など

合格した製品にはPSEマークが付与され、これがない製品は販売や輸入が禁止されます。特定電気用品にはひし形のPSEマークが、特定電気用品以外の電気用品には丸形のPSEマークを掲載する必要があります。

PSE検査の流れを5つのステップで解説

まず、PSE検査の流れを5つにまとめてご紹介いたします。

1.事業届出

PSE検査の最初のステップは、電気製品を販売するために事業者が経済産業省に事業届出を行うことです。新たに事業を開始する場合は開始から30日以内に経済産業局等に「事業届出」を行う必要があります。届出には以下の項目を記載する必要があります。

  • 住所
  • 氏名(法人の場合は会社名と代表者の氏名)
  • 事業開始の年月日
  • 製造(輸入)する電気用品の区分
  • 対象の電気用品の型式、製造(輸入)する電気用品の型式の区分
  • 対象の電気用品を製造する工場、または事業場の名称と所在地(輸入の場合、対象の電気用品の製造事業者の氏名、または会社名・住所と電気用品を製造する工場や事業所の名称と所在地)
  • 輸出事業のために電気用品の製造(輸入)の事業を行う場合はその理由

保安ネット」という経済産業省が提供しているサービスを利用すれば、一部の手続きをオンラインで行うことができます。届出が完了すると、正式にPSE検査の手続きを進めることができるようになります。

事業届出の様式は経済産業省のウェブサイトからダウンロードが可能です。

2.技術基準適合確認

次に行うのは、製品が電気用品安全法で定められた技術基準に適合しているかを確認することです。特別な検査が必要な「特定電気用品」以外の電気用品であれば、適合確認後に輸入と自主検査に進めることができます。特定電気用品の場合は適合性検査を行わなければなりません。

例えば電線の場合は、国が定めている形に準拠していて、かつ使用時の発熱に耐える構造であることが必要です。その他にも錆の有無や複数の電線を使用する場合は見分けがつく色使いなど、さまざまな基準が設けられています。

使用時の安全性を確保するために、国が対象の電気用品に対してそれぞれに合う基準を設けており、事業者はそれらの基準に合わせなければなりません。検査項目は、経済産業省が公開している事業者ガイドに掲載されています。

3.適合性検査

特定電気用品に該当する製品は、所定の機関が行う適合性検査を受け、基準に適合しているかどうか試験を受ける必要があります。当日は試験用の特定電気用品や届出事業者の検査設備について現場検査が行われます。

具体的には、対象の製品が生産される場所が適切に管理されているか、製造担当者が問題なく製品を製造できているかどうか、設備の検査などがあります。

適合性検査に関しては、経済産業省のウェブサイトに掲載されている指定の検査機関に検査を依頼する必要があります。思いがけない形で認証制度に違反しないように、信頼できる検査機関に依頼しましょう。

4.自主検査

技術基準適合確認や適合性検査が終わったら、国が定めた検査の方式により検査を行い、その検査記録を3年間保存する必要があります。

検査記録に関しては特定の記載方法はないので、記載すべき事項が盛り込まれていれば問題ありません。検査記録には以下の項目を記載する必要があります。

  • 電気用品の品名・型式の区分・構造・材質・性能の概要
  • 検査を行った年月日と場所
  • 検査を実施した人の氏名
  • 検査を行った電気用品の数量
  • 検査の方法
  • 検査の結果

検査では、製品の外観が基準に合っているか、耐電や通電が問題ないかについて確認を行います。外部に自主検査を依頼することもできますが、データの保存や政府から要請があった場合の対応などは自社で行わなければなりません。

5.表示

これらの手続きを経て、最終的にPSEマークを製品に表示することができます。掲載するマークには記号、届出事業者名、登録検査機関名称(特定電気用品の場合)、定格電圧、定格電流などの情報を掲載しなければなりません。

PSEマークの表示形式にも指定があります。全体の大きさ、枠の太さや色などは自由ですが、PSEマークとして識別できる程度が求められます。また、記号、届出事業者名、登録検査機関名称の3つは同じ場所で表示しなければなりません。

その他にも、社名の表示方法に関しても気を付けましょう。例えば、「株式会社」を「(株)」とするには承認なしで略称を使用できますが、社名自体を省略してPSEマークに表示させたい場合は政府に許可申請する必要があります。

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PSE検査で注意するべきポイント8つ

こちらでは、PSE検査で注意するべきポイントを8つご紹介します。

1.製品の分類と認証要件を正確に把握する

 PSE検査において、まず重要なのは製品がどのカテゴリに該当するかを正確に把握することです。製品が特定電気用品か、それ以外の電気用品かによって、適用される認証要件や試験基準が異なります。

具体的には、特定電気用品であれば電気便座や電気温水器などの電熱機器、特定電気用品以外の電気用品であれば電圧調整器や電気スリッパなどが挙げられます。経済産業省のウェブサイトから自社の製品が対象なのかどうか確認するようにしましょう。

2.必要な試験項目を網羅する

 PSE検査では、製品の安全性を確認するために様々な試験項目が求められます。外観、絶縁耐力、通電検査安全性などが主な項目ですが、製品によってはさらに特殊な試験が必要になることもあります。

準備不足による再試験を避けるためにも、事前にすべての試験要件を確認し、計画的に準備を進めることが大切です。

3.製品サンプルの品質を確保する

PSE検査に提出する製品サンプルは、実際の製品と同等の品質であることが求められます。サンプルの品質が不十分だと、実際の製品の評価が正確に反映されず、不合格になるリスクが高まります。

また、量産時に品質が低下しないよう、製造ラインでの品質管理も重要です。サンプルが規格に適合しているかどうか、事前に十分にチェックしておく必要があります。

4.リスク管理を徹底する

PSE検査においては、発生リスクを事前に洗い出し、適切な対策を講じることが重要です。例えば、火災や感電のリスク、長期間使用による劣化の影響など、さまざまなリスク要因が考えられます。

リスク管理を怠ると、検査で予期せぬ問題が発生し、製品が基準を満たさないと判断されることがあります。事前にリスクを十分に検討し、製品設計や製造工程に反映させることが必要です。

5.検査機関とのコミュニケーションを密にする

PSE検査をスムーズに進めるためには、検査機関との密なコミュニケーションが欠かせません。検査の進行状況や追加資料の要求、試験結果の確認など、迅速かつ正確な情報共有が求められます。

疑問点や不明点があれば、検査機関に早めに問い合わせることで誤解やトラブルを防げます。

6.法令や基準の最新情報を常に確認する

PSE検査に関連する法令や基準は、定期的に改訂されます。特に安全基準や認証要件は技術の進歩や社会的要請に応じて変わるため、最新の情報を常に確認することが大切です。

古い基準に基づいて製品を設計・製造してしまうと、検査で不合格となるリスクが高まります。関連する法令や業界の動向を把握し、最新の基準に適合させることが重要です。

7.試験後に製品に改良を加える場合は注意する

PSE検査後に製品に改良を加える場合、その変更が検査結果に影響を与える可能性があります。例えば、素材の変更や設計の微調整が行われた場合、再度検査が必要になることがあります。

改良を行う前に、その変更が安全性や基準適合性にどう影響するかを十分に確認し、必要に応じて再度の試験や認証手続きを行うようにしましょう。

8.工場の正しい住所を把握する

海外に工場がある場合、工場の正しい住所や所在地情報を把握することが重要です。販売プラットフォームに記載されている工場の住所が正しいとは限らないため、検査前に現地に伺うなどして必ず正確な住所を把握しておく必要があります。

日本の工場の場合でも、念のため登記簿や国税庁が公開している法人番号公表サイトから事業者名と連絡先を確認しておくと安心です。

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PSE検査に関するよくある質問

こちらでは、PSE検査に関するよくある質問に回答します。

検査中でよくあるつまずくポイントは?

PSE検査中に多くの人がつまずくポイントとして、まず資料の準備があります。検査前に必要な書類やデータを正確に揃えていないと、検査がスムーズに進まない可能性があります。

また、検査官からの質問に対してすぐに適切な回答ができないケースもあり、これが検査全体の進行を遅らせる原因になることがあります。事前の準備が検査の円滑な進行において重要です。

PSEの申請で工場検査は必要?

PSEの申請には、製品によっては工場検査が必要になる場合があります。特定電気用品は、製造過程や品質管理が適切に行われているかを確認するために、工場での検査が義務付けられています。

検査対象の設備はどんな点に気を付ければよい?

特に、絶縁や漏電などの安全に関わる機能が正しく動作しているかどうかを注意深く確認するようにしましょう。また、機械に故障がないことや、実際にスタッフがその機械を使用できるかどうかが確認されるので、普段の業務の流れを振り返っておくことが大切です。

まとめ

PSEマークの取得は、日本で電気製品を安全に販売するために欠かせない重要な手続きです。この記事で紹介したPSE検査の注意点を把握することで、スムーズに検査を進めることができます。

検査には時間とコストがかかりますが、事前に十分な準備を行い、検査に適合した製品を提供することで消費者に安心と信頼を届けることができます。しっかりと法令順守してトラブルを回避し、事業の成長に繋げていきましょう。

ライフエスコートではこれまで多くのPSEマークの申請をお手伝いしてきました。検査や申請手続きについて分からないことがありましたら、些細なことでも遠慮なくお問い合わせください。

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