ECサイトでの売り上げを伸ばすには、商品自体の持つクオリティだけでなく、いかにお客様へその魅力を伝えるかが大切です。そして「キャッチコピー」は、商品の魅力を的確に説明する上で非常に重要な役割を担います。
キャッチコピーはお客様の興味を惹きつけ、商品と企業・ブランドイメージを瞬時に結びつけます。逆に効果的でないキャッチコピーは、商品やサービスの売り上げに悪影響を及ぼしかねません。
そこで今回の記事では、売れるキャッチコピーとはどのようなものか、作る手順や作成時のポイント、注意点についてご紹介します。
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目次
ECサイトでの商品キャッチコピーとは
まず始めに、キャッチコピーとは何かについて解説します。
英語の「catch」と「copy」を合わせたキャッチコピーは、日本語では「宣伝文句」という意味になり、消費者の心を掴むための広告文のことを指します。
例えば、有名なキャッチコピーとして次のようなものが挙げられます。
- カルピス:「カラダにピース。」
- ファミリーマート:「あなたとコンビニ」
- キンチョー:「キンチョーの夏、日本の夏。」
このようにブランドイメージを想起させるフレーズから、思わず口ずさんでしまうようなキャッチーなフレーズまで様々あります。
また企業・ブランドの理念を掲げたようなキャッチコピーから、インパクト重視のユニークで印象に残るようなキャッチコピーまで、種類は豊富であることが分かります。
キャッチコピーの役割
続いてキャッチコピーの役割についてご紹介します。
キャッチコピーの役割は、お客様の興味を惹きつけ、商品購入の検討をしてもらうことにあります。
いくら商品そのもののクオリティが高くとも、お客様が購入したいと思わなければ売り上げには繋がりません。
またECサイトにおいて、ユーザーは数多くの商品がサイト上に並ぶ中で自分に関係のある商品か、自分にとって価値のある商品かを瞬時に判断します。
そのため、そのわずかな時間で自社商品に興味を持ってもらうには商品の魅力を端的に説明したキャッチコピーが有効となります。
キャッチコピーによって興味を持ってもらい、お客様の購買意欲を高めることができれば、購入の確率はグッと上がります。
キャッチコピーの重要性
続いてキャッチコピーの重要性についてです。
ECサイトにおいて、キャッチコピーは商品の売れ行きを大きく左右します。
例えば、同じ商品であってもキャッチコピーを変更することで、売り上げが大幅にアップした例も多数あります。
またキャッチコピーは多くのユーザーが最初に目にする商品紹介なので、どのような商品・サービスを扱う場合でも必要不可欠なものとなります。
さらにキャッチコピーだけで他社との差別化を図ることも可能です。
ぜひお客様の心に刺さるキャッチコピーを作成し、自社商品ならではの強みや魅力を伝えましょう。
売れるキャッチコピーの作り方
次に売れるキャッチコピーの作り方についてご紹介します。
売り上げに繋げるためのキャッチコピー作りには、次のような手順を踏むことが大切です。
- タ-ゲットを明確にする
- ターゲットに何を訴求するか考える
- 強みをキャッチコピーに落とし込む
ここからはそれぞれのステップについて詳しくご紹介していきます。
手順①タ-ゲットを明確にする
一つ目のステップは、ターゲットを明確にすることです。
先述の通り、キャッチコピーの役割はお客様の興味を惹きつけ、商品購入の検討をしてもらうことです。
そのため、まずは商品の特性を踏まえた上でどのようなユーザーをターゲットとするか明確にしましょう。
ターゲットを絞る際には、次のような項目がヒントとなります。
- 属性:性別、年齢、職業、居住地、収入など
- 価値観:性格、趣味嗜好、ライフスタイルなど
- 課題:解決したいお悩み、問題意識など
このようにターゲットをピンポイントに絞って作成すると、ターゲットのニーズに合った訴求力の高いキャッチコピーを作成することができます。
逆にターゲットが不明確なキャッチコピーは、誰に向けたメッセージなのか曖昧になってしまい、どのお客様にも響かないものとなってしまいます。
例えば、「年齢にお悩みのあなたへ」というキャッチコピーは、年齢が原因で何に悩んでいるのか不明瞭のため、お客様は自分ごとに認識しにくくなります。
そのため、具体的にどのようなお悩みを持っている方にアプローチしたいのかを明確化することで、商品を届けたいユーザーにしっかり届くキャッチコピーとなります。
まずはターゲットを詳細に設定することが、キャッチコピーによる売り上げアップ成功への近道です。
手順②ターゲットに何を訴求するか考える
二つ目のステップは、ターゲットに何を訴求するか考えるということです。
ターゲットが確定したら、次にそのターゲットが具体的にどのようなニーズを持っているのか知ることが必要です。
ターゲット設定が自社商品にとって効果的であっても、発信内容がズレていると商品の魅力は伝わりにくくなってしまいます。
そこで具体的にターゲットが求めているものを知ることで、商品のどのような部分を強く訴求するかが明確になってきます。
商品の強みを紹介する際に、次のような切り口があります。
- 品質重視(Quality):高機能、安全性、ブランド など
- 価格重視(Price):低価格、コストパフォーマンス など
- 利便性重視(Convenience):使いやすさ、簡易性、専門性 など
例えば、「コンタクトレンズ用目薬」を扱う場合、
- 品質を重視する方には「疲れ目に優しい成分が豊富に配合されている」
- 利便性を重視する方には「コンタクトレンズ装着液としても利用可能」
というようにアピールすることができます。
このように売り手視点で商品をアピールするのではなく、ターゲット層について深く理解した上で訴求内容を考えるようにしましょう。
手順③強みをキャッチコピーに落とし込む
三つ目のステップは、強みをキャッチコピーに落とし込むということです。
ターゲット層への訴求内容が決まったら、最後にそれをどのように伝えるか考えていきます。
1つ前のステップで出したターゲットのニーズと、自社商品の強みを組み合わせて実際にキャッチコピーを考えていきます。
この時に、最初から優れたキャッチコピーを考え出そうとするのではなく、まずは思いつくままにどんどんアイディアを挙げていくのがポイントです。
この際に、事前に挙げたターゲットのニーズ・悩みと自社商品の強みが少ないと中々良いアイディアは出てきません。
考えが詰まってきたら一旦1つ前のステップに戻り、アピール要素を増やしてみましょう。
そして作ったキャッチコピーの中から、最良だと思うものを選ぶようにしましょう。
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売れるキャッチコピーのポイント
次に売れるキャッチコピーのポイントについてご紹介します。
後述する具体的なテクニックをぜひ参考にして、キャッチコピーを作成してみてください。
明確なメッセージがある
一つ目のポイントは、明確なメッセージがあるということです。
いざキャッチコピーを作成しようとすると、伝えたいことが多すぎてキャッチコピーが長くなってしまうことが多くあります。
しかし文字数の多いキャッチコピーはお客様へ瞬時に魅力が伝わりにくく、内容が良くても訴求力が半減してしまいます。
そのため、できるだけシンプルにお客様へ何を提供したいのか伝えるようにしましょう。
キャッチコピーに具体的な文字数制限はありませんが、伝えたい情報は必要最低限に絞り、分かりやすいキャッチコピーを心がけましょう。
ベネフィットを伝えている
二つ目のポイントは、ベネフィットを伝えているということです。
キャッチコピーは、ただの商品紹介に留まらず、その先のお客様にもたらされるメリットが分かるものでなくてはなりません。
例えば付属の専用ゴムでこすると文字が消えるボールペンに対して、「消せるボールペン」とただ特性を述べるだけでは、お客様にベネフィットが伝わりません。
これを「もう消しゴムや修正テープは不要」「この1本で仕事能率アップ」などのように書き換えると、より商品価値が伝わります。
このように、商品の強みをそのまま表現するのではなく、お客様目線でどのような利益や価値があるかを伝えるようにしましょう。
具体的な数字がある
三つ目のポイントは、具体的な数字を入れるということです。
具体性のないキャッチコピーは、お客様にとって商品の良さがイメージしにくいものとなります。
そのため、数値や数量などを使って効果を伝えると、よりキャッチコピーの具体性がアップします。
例えば、「たった5分で洗浄可能」「果汁100%」「糖質60%オフ」のように具体的な数字を入れると、一気にお客様の興味を惹きつけ、購買意欲をアップさせることができます。
権威性がある
四つ目のポイントは、権威性があるということです。
単に興味が惹かれるものよりも、信頼性や安全性が感じられる商品はよりお客様の購買意欲をアップさせます。
そして信頼性や安全性は、例えば次のようなことから想起されます。
- 有名人が使用
- 権威のある賞を受賞
- 口コミで評判の良い
このようなことを踏まえると、例えば「タレントの〇〇さん御用達!」や「5年連続〇〇賞受賞!」のようにキャッチコピーに反映させることができます。
ただし、このようなメッセージはデータに信憑性がないと逆にお客様の不信感に繋がるため、しっかりデータを明示した上でキャッチコピーを作るようにしましょう。
常識にとらわれない
五つ目に、常識にとらわれないということです。
お客様にとって驚きや意外性のあるキャッチコピーは、通常のメッセージよりも好奇心をくすぐり、心に残りやすいと言われています。
例えば、日産自動車の「やっちゃえ日産」というキャッチコピーは、具体的な商品説明ではないものの、企業の常識にとらわれず常にチャレンジしていくという姿勢が伝わってきます。
もちろん実際の商品とあまりにかけ離れたキャッチコピーは、お客様からの評価や信頼を下げる原因となってしまいます。
過大表現にはならない程度で、新たな顧客体験や常識外れのインパクトがイメージされるようなキャッチコピーを考えてみましょう。
心理学のテクニックが入っている
六つ目に、心理学のテクニックが入っているということです。
実は日常的に目にする多くのキャッチコピーは心理学に基づいていることがほとんどです。
そしてキャッチコピーの作成には、心理学のテクニックが参考になることも多くあります。
例えば、「多くの人が持っているから自分も欲しい」というバンドワゴン効果は多くのキャッチコピーに取り入れられています。
例えば、「女子中高生に話題沸騰!」のようにあるターゲット層に絞ってバンドワゴン効果を取り入れる場合や、「大人気即完売!」のように世間で需要が高まっていることを提示する場合などがあります。
またバンドワゴン効果とは別に、「周りとは違うものが欲しい」というスノッブ効果もよくキャッチコピーに活用されています。
例えば、「街中で自分と同じ服を着ている人を見かけてから、その服を着る機会が減ってしまった」という経験のある方もいるでしょう。
このように多くの人が持っているものではなく、希少性や限定性に対して魅力を感じる真理のことをスノッブ効果と呼びます。
これをキャッチコピーに反映させると、「1日10食限定」や「世界に1つ、あなたオリジナルの〇〇」などが作成されます。
他にも、アンカリング効果は先に与えられた数字や情報(アンカー)によって、その後の行動や判断に影響が及ぼされるという心理効果です。
キャッチコピーは多くの場合、お客様が最初に目に付くものとなります。
そのため、「売り上げランキング第1位」「業界◯年連続ナンバーワン」などといったインパクトのあるキャッチコピーによって、アンカリング効果を狙うことができます。
この他にも、お客様の訴求力をアップさせる心理学のテクニックは多数あるため、ぜひキャッチコピーを作る際は活用してみましょう。
キャッチコピー制作時の注意点
最後に、キャッチコピー制作時の注意点についてご紹介します。
あいまいな表記にならないようにする
まず一つ目に、あいまいな表記にならないようにするということです。
売れるキャッチコピーはやはり、ターゲットとメッセージが明確になっているものがほとんどです。
しかし伝えたいことが絞れていないと、キャッチコピーは曖昧で理解しづらいものになってしまいます。
そのため、作成の手順一つひとつを怠らず、 お客様にとって分かりやすく魅力の伝わるキャッチコピーを心がけましょう。
誇大広告にならないようにする
二つ目に、誇大広告にならないようにするということです。
お客様の興味を引こうとするあまりに大袈裟な表現となったり、根拠のない数値を入れるなど事実でないことを書いたりするのはいけません。
このようなことに当てはまるキャッチコピーは、景品表示法という法律に抵触する可能性もあるため注意が必要です。
また健康系や医療に関する商品を扱う際、薬機法に抵触していないかなども注意しなければなりません。
法律違反になってしまった場合、罰金が課せられたりお客様とのトラブルに発展したりすることがあります。
キャッチコピーを作る際は、あくまでも事実の範囲内で文言を考えるようにしましょう。
ネガティブな言葉を使わない
三つ目に、ネガティブな言葉は使わないということです。
先述した事実の範囲内で表現することと同じく、ネガティブな言葉を使わないようにすることも重要です。
そのため、お客様にとってネガティブなポイントは、プラスの言葉に言い換えて伝えるようにしましょう。
例えば「商品価格が高い」という弱みも、「品質クオリティが高い」という強みに言い換えることで、お客様からの印象を下げることなく売り出すことができます。
まとめ
今回は、ECサイトでの売り上げをアップするための、キャッチコピーの作り方についてご紹介しました。キャッチコピーはお客様へ瞬時に商品の魅力を伝え、購買意欲を高めるための重要な要素です。
そして同じ商品であっても、いかにターゲット層に刺さる表現をできるか工夫することで、売り上げは大幅にアップさせることができます。
ぜひ今回ご紹介した手順やポイントを参考にし、一つひとつのステップを確実に踏まえながらキャッチコピーを作成していきましょう。また制作中に悩んだ際は、他の企業のキャッチコピーを参考に試行錯誤してみてください。
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