「EC専任ではなく他の業務と兼務。結果EC売上を伸ばす対策ができていません。」
「一人で運用していますが、正直やることが多すぎて間に合っていません。」
「EC担当者を採用したいのですが、なかなかEC運用できる人がいなくて・・・。」
こうした声は、日々EC運用を行う現場の方からよく耳にする数々です。コロナ以降、EC市場は拡大の一途をたどり、2023年のBtoC市場規模は前年比2兆986億円増加(成長率9.23%)で、今なお右肩上がりの成長を見せています。

出典:経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240925001/20240925001.html
その一方で、EC人材の不足と採用難は多くの企業にとって深刻な課題です。EC運用には多様なスキルが必要で業務量も膨大。すべてをカバーできる人材は限られています。未経験者を採用して育てる選択肢もありますが、その場合は教育にかかる時間やコストの確保が不可欠です。下記にEC運用で必要なスキルを書き出しましたが、ざっと挙げただけでもこれだけの領域があり、私自身、EC業界で20年近く携わっていても「これは苦手だな……」と感じる部分があるほどです(汗)。
目次
<EC運用に必要な主なスキル>
① データ分析・マーケティングスキル 例) 売上データ分析(CVR、AOV、UUなどのKPI管理) アクセス解析(Google Analytics、Search Console など) 広告運用(楽天RPP、Yahoo!広告、Google・Meta広告 など) SEO対策(キーワード選定、コンテンツ最適化) 市場・競合分析(ECモール内・外部トレンドリサーチ)など |
② ECサイト・モール運営スキル 例) 商品登録・管理(楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon、自社ECなど) 在庫・受発注管理(倉庫連携・配送手配) カートシステム運用(Shopify、BASE、FutureShop、Makeshop など) クーポン・ポイント活用(販促施策の最適化) メルマガ・LINE配信(メールマーケティングの運用) |
③ クリエイティブ・コンテンツ制作スキル 例) 商品ページの最適化(画像、商品説明、レビュー活用) LP(ランディングページ)制作(CTA設計、訴求ポイント) SNS運用(Instagram、X(旧Twitter)、TikTok、YouTubeなど) バナー・広告クリエイティブ作成(Canva、Photoshop など) 動画マーケティング(ショート動画・リール活用) |
④ 接客・カスタマー対応スキル 例) 顧客対応(問い合わせ対応、クレーム対応) レビュー・口コミ管理(ポジティブレビュー増加施策) リピート施策(会員制度、定期購入の最適化) |
⑤ 戦略立案・ビジネススキル 例) EC戦略立案(KPI設定、売上計画の策定) 販促カレンダーの作成(セール・キャンペーン施策) ブランディング戦略(ブランド価値の向上、ストーリーテリング) 物流・配送戦略(配送方法の最適化、海外配送対応) |
必要なスキルが多岐にわたるため、それぞれのノウハウが得意な外部リソースに頼る企業様も多いです。また、最近はAIツールが進化してきたため、一部作業をAIに任せるということも可能になってきました。ちなみに弊社ではAIでEC運用を簡素化するツール開発も行っています。ご興味のある方はお気軽にお問合せください。さて、話をもとに戻しますが、企業の競争力を高めるためには「社内にECを理解して回していける人材がいるか」がカギになります。では、どのようにすればEC販売力の高い人材を確保することができるのでしょうか?
EC人材の採用、どこから始める?〜売上をつくるために、本当に必要なスキルとは〜
「この人、履歴書には“EC運用経験あり”って書いてあるけど、数字ってちゃんと見てたのかな…?」
採用の現場で、こんな戸惑いを感じたことがある方も多いのではないでしょうか。「人を見極める」という採用分野は、とても難しいものだと思います。どんなスキルを持った人材が今のEC運営に必要なのかを見極めるのも簡単なことではありません。
システムに強い人がいいのか?
物流戦略に詳しい人がいいのか?
販促企画が得意な人か?
はたまた、とにかく手を動かしてくれる人でいいのか?
小さな規模のEC店舗であれば、正直「とにかく手を動かしてくれる人」でもいいかもしれません。ある一定の売上に到達するまでは。逆に大きな規模になればなるほど、「考える人」が大前提になってくると思います。このように今の自社のEC規模や必要な「ECスキル」とは何かを明確にし、それに合った経験を持つ人材を採用できれば、御社のEC運営は着実に前進していくはずです。
外注しにくい「売上をつくる力=EC販売力」は社内に残す
ECに関する業務の中でも、とくに「戦略立案」や「販促力」、つまり『売上をつくる力』は、できれば社内に蓄積したほうがいいというのが私の考えです。(ただ、売上をつくる力を一緒になって考え作ってくれる外部パートナーは大事にします。)この部分まで外注に頼りすぎてしまうと、いざという時に「売れる仕組み」を自社内で作れなくなってしまうからです。
EC運用&コンサルを行っている弊社では、新たにEC担当者やコンサルタントを採用する時、「実践力があるかどうか」をしっかり確認するようにしています。実際、EC経験者と名乗る方でも、よくよく話を聞くと「数値管理はほぼしていない」「PDCAを回した経験がない」といったケースは少なくありません。そこで私たちは、入社前に「1日お試し入社」を設け、実際の課題に取り組んでもらう機会をつくっています。この「お試し入社」で実施している課題の中から、今回はEC販売力を見極めるための6つのチェックポイントを特別にご紹介します。
EC販売力を確認する6つの課題
EC販売力がどの程度あるかを確認するために、まず評価すべき主なスキルはこちらです。
①データ分析力(売上分析、CVR分析、広告効果測定 など) ②市場リサーチ力(競合分析、トレンド把握 など) ③戦略提案力(改善施策の立案、売上向上施策の提案 など) ④EC運用実務力(楽天・Yahoo・Amazon・自社サイト運営の経験 など) ⑤マーケティング・販促施策の理解度(広告運用、メルマガ・SNS活用 など) ⑥クリエイティブスキル(商品ページ改善、バナー作成の指示 など) |
これらのスキルを確認するために、弊社では1日お試し入社で下記の課題を実際に行っています。そしてこれらの実践内容をもとに、実務に即した「売上をつくる力」があるかを見極めています。
①データ分析課題 |
課題: 自社運営のECサイト売上データを渡し、「このECサイトの現状を分析し、課題点と改善策を提案してください。」 評価ポイント: データの読み解き方(例:CVRが低い原因を分析できるか) 論理的な考察ができるか 改善策が具体的かどうか(広告・LP改善・価格調整など) |
②競合分析課題 |
課題: 「いずれかのモールで特定のカテゴリにおける競合分析を行い、強み・弱み・チャンスを分析し、当社のEC戦略を提案してください。」 評価ポイント: 競合リサーチの精度(検索キーワード・売れ筋商品の分析) 価格・レビュー・プロモーション戦略の比較 具体的な差別化戦略の提案力 |
③商品ページ改善課題 |
課題: いずれかのモールで指定した既存商品ページを渡し、「CVRを向上させるための改善提案をしてください。」 評価ポイント: ユーザー視点での改善案が出せるか ページ構成・ライティング・画像改善の提案が的確か 競合ページと比較し、差別化ポイントを明確にできるか |
④広告運用・販促施策課題 |
課題: 「予算50万円で売上を最大化する広告運用・販促施策を提案してください。」 評価ポイント: 適切な広告チャネル選定(楽天RPP・SNS広告・Google広告など) 販促カレンダーを考慮した施策(スーパーセール・イベント連動) 効果測定のKPI設定が適切か |
⑤メルマガ・SNS運用課題 |
課題: 「ECサイトの顧客向けに売上アップを狙うメルマガ or Instagram投稿を作成してください。」 評価ポイント: ターゲットに合った訴求力のあるライティングができるか CTA(購入・フォロー・クーポン利用など)の設計 効果を測定するためのKPI設定 |
即戦力=すぐに全部できる人ではない!
この課題を通して、よくあるタイプAさんとBさんはこちらです。

「この販促をやりましょう!」というAさんタイプ
一見、自信がありそうに見えるこのAさん。
「バナーをこう変えて、SNSで発信して、LINEも流していきましょう!」と元気よく提案してくれるのですが、よくよく聞いてみると、それがなぜ今必要なのか、何を改善したいのか、どのくらいの効果を想定しているのかといった根拠をつっこむと曖昧なことが多いです。

「現状の数値をみると一番の課題はここなので、この改善をしましょう!」というBさんタイプ
データを見て、課題から販促を逆算するBさん。
「直近3ヶ月でCVRが0.6%→0.4%に下がっていて、特にスマホでの離脱率が高い。画像サイズが重く、読み込みが遅い可能性があるため、軽量化&ABテストを実施した上で、Instagram広告で再訴求を行いたい。」といった具合に、数字をもとに施策を組み立てます。このような方は、ECの課題解決に必要な「考える力」が備わっているため、実務に入ってからの成長スピードも非常に速いはずです。
ここでお伝えしたいのは、採用で見るべき「即戦力」というのは、「すぐに全部できる人」ではないということです。むしろ大切なのは、「情報を整理して、仮説を立て、検証し、改善を提案する」という一連の流れを自分で回せるかどうかです。売上アップ・ダウンには必ず理由があります。それを「肌感覚」ではなく、「データと論理」で説明できる力は、ECを運用するうえで非常に大切なスキルです。
自分なりの根拠を持っているか?
最後に「なぜその施策を選んだのか?」を改めて確認することも忘れてはいけません。例えば、「なぜこの広告手法を選んだのですか?」「この改善で、どの数値がどれくらい変わると思いますか?」「これを実施する場合、どんなリスクが考えられますか?」など、こちらからの質問に対して、曖昧にせず、自分なりの根拠をもって答えられるかどうか。
これが、「考える力」を見極める一番のポイントといってもいいと思います。
今回、EC販売力を持つEC人材の採用についてお伝えしましたが、弊社では、ECを成功させるために、切っても切り離せない一連のサイクル「コンサルティング、プロモーション、システム相談および開発、撮影、制作、運用、レポート、改善」これらすべてのノウハウを持ち合わせ、悩みが異なるクライアント様ごとにサポート内容をカスタマイズして柔軟に提供しています。必要スキルが非常に多いEC運営だからこそ、それぞれのスキルに長けたスタッフが在籍している弊社に、ぜひEC運用のご相談をいただければ幸いです。お気軽にお問い合わせください!
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